みのり

2022.5/17より家族で車に乗って旅をし、2022.8/18自宅に辿り着きました。…

みのり

2022.5/17より家族で車に乗って旅をし、2022.8/18自宅に辿り着きました。 旅の記憶を辿りながら、日々の心の機微を綴っています。 そしてこの旅をはじまりに、菓子舗 緑雨 として旅先で出逢う方々に焼菓子を贈りはじめたことをきっかけに、無店舗で菓子販売をしています。

最近の記事

13. 不完全で、それでいて完全な 【 旅の記憶 】 6/10-16

4年ぶりくらい?大都会、大阪。 ついこの間まで山奥にいたのに、今、周りはビルだらけ。 何だか不思議な感覚。 昨日奈良で鹿と逢ったことも遠い過去のよう。 移動を続けていると、今自分がどこにいるのか曖昧になってくるし、さっきまでいたはずの場所がずいぶん昔のように感じてくる。 都会に来ると、資本主義社会をひしひしと感じる。 お金さえあれば何だってできる、お金があれば大抵のことが立ちどころに解決する、そういう世界が繰り広げられている感じがする。 お金にまつわる富と貧しさのコント

    • 12. 浮いたり沈んだり 【 旅の記憶 】 6/7-10

      6/7 春野を出発し、お勧めされていたビオあつみへ。 スーパーとして、オーガニックな商品や無添加のものをたくさん揃えているお店。 こんなお店をじっくり眺め歩くのは大好きだ。 あれも欲しい、これも欲しい、夢のような空間。 自ずと財布の紐も緩んでしまう。 自分たちが必要だと思うものを必要なタイミングで手に入れるのだから胸を張って買っていいのだけれど、懐が寂しくなってくると不安な気持ちも出てくるもので。 今日の宿を決めないままにとりあえず西へ向かう。 移動中、深く深く気分が沈む。

      • 11. ずっとずっと山の奥 【 旅の記憶 】 6/3-7

        やばいやばい、もう半年以上前のことを書いている。 そろそろ記憶がいい具合に美化されてきたかも。 6/3から浜松市天竜区に住む友人一家を訪ね、数日お世話になる。ここは一気にまとめて書いてしまおう。 友人一家を訪ねる前にとある場所へ。 タイトルの不思議さとデザインの美しさに思わず手にとったレシピ本、『檸檬とラクダの発酵菓子』のお店へ。 その本と出逢ったのは偶然にも出版初日。勝手にご縁を感じてその日に購入した。 作り手さんは静岡の山の中で発酵菓子を作っているよう。 盛岡からすると

        • 10. 何を望み、何に向かっていくのか 【 旅の記憶 】 6/1-2

          6/1 東京を旅立ち神奈川へ。 息子のリフレッシュで宿に着く前にトイザラスへ。次から次へとおもちゃを触り歩いて嬉しそう。 息子の姿を見ながら、今の私はおもちゃで遊ぶよりも楽しいことがあるけれど、小さい頃は色んなおもちゃに目を輝かせていたんだよなと思い返す。欲しいものが買えなくて駄々をこねることだってあったし、たくさんのおもちゃを持っている友達を羨ましく思うこともあったな。 正直、おもちゃタイムに付き合い続けるのは、しんどいなと思ってしまうのだけど、息子にとって大事な時間であ

        13. 不完全で、それでいて完全な 【 旅の記憶 】 6/10-16

          09. 終わりは始まり 【 旅の記憶 】 5/30-31

          5/30 元から母さん子だった息子。旅が始まってからより母さん子に拍車がかかっていたのだけれど、気になるものがあったようで夫とともにチェックアウトに向かった。 私はひとり、車へ荷物を置きにいく。ひさしぶりで束の間のひとり時間。 もともと私は定期的にひとり時間を確保して心の安寧を保ってきた。マイペースな人間ではあるけれど、一応周りに合わせようという気持ちもある。育児となるとペースを合わせるどころの話ではなく思いきり振り回される。振り回されるほどに自分のペースをどうにか保ちたい

          09. 終わりは始まり 【 旅の記憶 】 5/30-31

          08. 嬉しい愉しい 【 旅の記憶 】 5/29

          今日は長野を立ち、川越へと向かう日。 1週間ほどお世話になったこの家に感謝の想いを込めて掃除をする。 「多分きれいにしすぎない方がよくて。その方が戻ってきたときに自分の家だと安心できると思うから」ということを夫は言った気がする。なるほどなあと感心した。一応福祉の仕事をしてきたけれど、夫の方がよっぽど福祉の本質を理解しているように思う。人と話すことを生業にしている人だから当然なのかもしれないけど、広い視野で物事を捉えたり、なるほど確かにと思うような視点を持っているから、すごいな

          08. 嬉しい愉しい 【 旅の記憶 】 5/29

          07. 生々しく、生きている 【 旅の記憶 】 5/26-28

          5/26 ここにきてずっと避けていた菓子作り。 贈る人もいないし、気持ちも向かないし、長野滞在中は作らなくてもいいかなあ、なんて。だけど、夫から「お菓子作らないの?」と言われてやっぱり何だか引っかかる。自分に問うてみれば、やはり作った方がいいと思っている風。 そのことに気づいたら、後は行動するだけ。まずは足りなくなりそうなもの、必要な材料を手に入れることから始めよう。 長野県のローカルスーパーTSURUYAへ。 ここはとても楽しいスーパー。オリジナル商品がたくさんあって、そ

          07. 生々しく、生きている 【 旅の記憶 】 5/26-28

          06. 夜に向かう空 【 旅の記憶 】 5/23-25

          5/23 夕刻 息子は昼寝からなかなか起きない。このまま起きるまでそっとしておこう。 大人は窓際でお香を焚き、蝋燭を灯し、夕暮れ時の庭を眺めながら過ごす。 だんだんと夜に向かう空は何だか哀愁があって胸がきゅっとなる。 こういう情緒を味わえるようになったことは、歳を重ねてよかったことの一つ。 こんな暮らしをこの先も続けていきたいな。 5/24 今日は街中探検へ。とりあえず善光寺を目指して歩いてみよう。 とてもいい天気で日差しが暑いくらい。 街を歩いていると、古い建物に少し手

          06. 夜に向かう空 【 旅の記憶 】 5/23-25

          05. 私が私であるために 【 旅の記憶 】 5/22-23

          5/22 夕方が近づいた頃、夫の友人夫婦に逢うために出かける。 写真で見て、話で聞いていた方々。逢ってみると受ける印象は変わるもの。逢って話して、少しだけその人を知ることができる。 人に限らず何事においても、人から聞いた話や何かしらで得た情報は参考程度に、ということをこの旅のなかで実感する日々。情報収集好きな私だけれど、やってみないとわからないことばかり。時に慎重に、時に軽やかに動ける自分でありたい。 帰ってきて早速米を炊く。 米炊き用の土鍋で米を炊く作業は、土鍋にも一連

          05. 私が私であるために 【 旅の記憶 】 5/22-23

          04. ぽつぽつと雨 【 旅の記憶 】 5/21

          栃木から長野への山越え。 途中、日光東照宮に向かう人たちの渋滞にはまりかけたけれど、それ以外は基本山の中をすいすいと。 山の上は新緑の柔らかい緑がたくさん。きれいやなあ。これで少し雨が降ってくれたら緑雨の写真を撮れるよね、なんて夫と話しながらひたすら山道を走る。 ぽつぽつと雨が降りはじめた。 小雨降るなか林を歩き、新緑を撮る。 緑雨という季語に出逢ってから雨も心地よく感じるようになった。避けていたものや嫌に感じていたもののよさに気づけるようになるのは歳を重ねてきた証なの

          04. ぽつぽつと雨 【 旅の記憶 】 5/21

          03. 豊かな時間 【 旅の記憶 】 5/20

          いわき出発の朝。連日の疲労が蓄積したのか、家族揃って起きられず。気分は生きる屍。こちらにきてから息子は、遊び相手がいて、遊んでみたかったおもちゃもたくさんあって、連日遅寝早起きだったけれど、ついに疲労がピークに達したらしい。やっとのこと起こして、登園前のお兄ちゃんにありがとうとバイバイ。また逢おうね。 出発の準備を進める。車に積み込まれるのを待つ荷物の多さにげんなりしてしまう。もっと身軽に旅をしたいのだけど、長期の旅だし幼児の荷物はあれやこれやと多くなりがち。きわめつけに菓

          03. 豊かな時間 【 旅の記憶 】 5/20

          02. 生息域を離れる 【 旅の記憶 】 5/18-19

          5/18 +cooce(プラクーチェ)という交流スペースで午後から夫がワークショップをやることになったらしい。せっかくなので、午前中はワークショップのお供に菓子作り。スコーンでも作ろうかな。出発前に作っていた菓子たちと合わせて持っていこう。少しでも場がゆるまるといいな。 菓子作りを始める前に持参したサプリを飲む。普段あまりサプリを飲む習慣はないけれど、旅のあいだ環境の変化などで身体がやられないようにとお守りがわりに持参したもの。さて、作り始めるとしよう。 初めましての場

          02. 生息域を離れる 【 旅の記憶 】 5/18-19

          01. 変わりゆく町、時が止まった町 【 旅の記憶 】 5/17

          出発当日の朝。何だか気持ちが晴れない。 冒険の物語だったらきっと颯爽と出発するんだろうけど、実際は旅立ちの前にやることがたくさんある。 冷蔵庫のお掃除(料理)、ゴミ捨て、片付け、掃除、荷造り、積み込み、etc... 色々とやることはあるんだけど、何だかテキパキと動くことができない(いつも以上に)。何だか引っ掛かりがある感じ。だけど時間もないので知らぬふり。 そんな心の状態を無視すると、途端に負の連鎖がはじまる。やることなすこと上手くいかず、終いにはふてくされモード。時

          01. 変わりゆく町、時が止まった町 【 旅の記憶 】 5/17

          00. 旅がはじまる 【 旅の記憶 】

          車旅がはじまる少し前のこと。 春と呼ぶにはまだ寒い3月、私は仕事をやめた。 就活はせず、自分のやりたいことを自由にゆるりとやりながら暮らすことを選んだ。その手始めでもないけれど、仕事をやめたら4、5月あたりから車旅をしようかと夫と話していた。 私は岩手に家があり、夫は広島が本拠地。夫は広島と岩手の二拠点を軸に、人を訪ね各地を歩き回っているが、私は勤め人で気軽に行き来できる距離ではなかった。最後に広島に行ったのは3年ほど前。義両親に孫の顔を見せにいくという目的を果たしつつ、

          00. 旅がはじまる 【 旅の記憶 】

          はじめに

          5/17から夫と息子(4歳)と車で旅を始めました。 現在進行形で旅は続いていますが、旅の終わりが見えてきた今日この頃。せっかくなので、記憶を辿りながら旅の振り返りをゆるゆると綴っていきます。 ゆるい話を書いたり、真面目な話を綴ってみたり、その時々の感覚で。凝り性で飽き性な私なので、途中で燃え尽きて文章を書くことをやめてしまうこともあるかな?それはそれでOK。そんな心持ちで続けていきたいと思います。 車旅に至る経緯を少しだけ。 もともと、私と息子の生活の拠点は岩手で、夫は

          はじめに