02. 生息域を離れる 【 旅の記憶 】 5/18-19

5/18

＋cooce（プラクーチェ）という交流スペースで午後から夫がワークショップをやることになったらしい。せっかくなので、午前中はワークショップのお供に菓子作り。スコーンでも作ろうかな。出発前に作っていた菓子たちと合わせて持っていこう。少しでも場がゆるまるといいな。

菓子作りを始める前に持参したサプリを飲む。普段あまりサプリを飲む習慣はないけれど、旅のあいだ環境の変化などで身体がやられないようにとお守りがわりに持参したもの。さて、作り始めるとしよう。

初めましての場所での菓子作りに気持ちが落ち着かない。段取りよくなく、あっちに行ったりこっちに行ったり。そんなことを繰り返しながら、順序立てて進めていくことの大切さを改めて実感（最初からわかっていて欲しいところ）。非効率な動きは余計に疲れるなあ。

唐突だけども、ここで少しオーブンレンジへの想いについて、今後旅の目的の一つにもなるので触れておきたい。私はオーブンレンジの新調を前々から考えていて、電気屋さんを巡ったりネットでの情報収集に勤しんでいた。だが、タイミングを逃したり、購入する決心ができずにいた。そんな私を見かねたのか、この旅の中でお世話になる場所のオーブンを使ってみた上で、どのタイプにするか決めればいいのでは？と夫からの提案があり、旅の目的の一つとなった。

すると出発早々、早速気になっていたオーブンレンジが目の前に現れた。よい、とてもよい流れに乗っている気がする。コンベクション、2段使用可能。高まる気持ち。

実際に使ってみて、ターンテーブルと比べて焼き上がりが早く、焼き色よく、広く天板が使え、2倍量作ったり2種類同時に焼いたりできる。感動。パワーが全然違う。だけどターンテーブルを悪者にするつもりはない。ターンテーブルの良さはレンジ機能は早く温まりやすい印象（回るから？）だったり、オーブン機能は手軽に少量から菓子作りを始められることだろうか。

そんなこんなで塩糀メープルスコーンの完成。焼き色が美味しそう。

冒頭で登場したお守りがわりのサプリ、結果として気持ち悪くなるというオチ。空腹時のサプリ服用には気をつけよう。お守りの効力が強すぎた。ひと休み。

＋cooce に到着。住宅街の一角、線路のすぐ近くにあって、電車が通ると息子が喜びそう。ゆるゆると過ごしていると、おもむろにワークショップが始まる。ワークショップをする傍ら、同じ空間で子どもらと私は遊んで過ごす。それぞれが自由に過ごすのびのびとした空間。色々な人、色々な世代、色々な状況がゆるりと繋がるこの空間のあり方は心地がよい。お菓子も喜んでもらえてまた一つ自信をつけた。

5/19

今日は午後から水族館にふた家族でお出かけの予定。お出かけ前にせっせと菓子作り。こんな環境を快く提供してもらえるなんてありがたい。

アクアマリンふくしまは規模が大きく、興味関心が湧くような展示の工夫がされている。マイクロプラスチック問題に触れていたり、化石が人に発見されるまでの過程がわかったりと色々と楽しい。

帰ったらごはん支度。今日は夫特製スパイスカレー、美味しくいただきました。1歳になったばかりの娘ちゃんも私たちに少しずつ慣れてきたようで、笑ったり真似っこしたり、癒しの塊。明日は出発、夜のうちにキャロットケーキを焼いておこう。

子どもたちはお風呂に入ってキャッキャと遊んで永遠にあがってこない。息子はこちらにきて人生初、子ども達だけでお風呂に入るという経験をさせてもらっている。自分の力でお風呂に入る経験と術を一つ上のお兄ちゃんが体現している。すごい、かっこいい。未就学児だけでお風呂に入れないだろうという私の思い込みや、髪身体が洗えなくたってどうってことないよな、と「ねばならない」を手放すきっかけをもらった。普段の生活では見えなかったものが見えてきて、コミュニティの輪が一家族分広がっただけで色々な気づきがある。本当に面白い。

子どもらが寝静まった後、大人達はそれぞれのことをしながらさまざま話して過ごす。福島というある特殊性を抱えた場所に住む人たちの関係性、家族との関係性、生きること死ぬこと。最後には算数が得意でないということで意気投合したり。筆文字で素敵なエールもいただいた。ありがたいことこの上ない。きちんと、受けたご恩を巡らせよう。そして巡り巡ってこの家族のもとへ、幸せや豊かさが流れてきますように。

ここ数日だけでも私の小さな世界が少しずつ広がっている。訪れた町を知ること、そこに住む人と話すことは自分の世界を広げてくれるし、違いから自身を知るきっかけにもなる。いつもの生息域から離れて過ごすことの疲れやすさはある。だけど、得られる気づきも多くなったり、あからさますぎて気づかざるを得ない状況になったりして、なんだか泥臭いけど生きてる感。

昨日も今日も色々なことがあったなあ。それではまた。