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じゃがりこのライバルは芋だけじゃない?カルビー人気商品を分析!!

 こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。

 みなさんはスナック菓子お好きですか?
 私は子供の頃から「じゃがりこ」が大好きなのですが、ベトナム・ダナンではまだなかなか手に入りません…。自分が日本に一時帰国した時に買うのはもちろん、ベトナムから一時帰国する友人や日本から友人が来る際に「お土産何がいい?」と聞かれたら「じゃがりこ!」と即答し続け早10年。
 いろんな人がお土産に「じゃがりこ」を買ってきてくれるようになり、今では常に家にストックがあり、大事に食べています。(幸せ…!)

 そんな「じゃがりこ」は今年で発売28周年!
 今回は私の大好きな「じゃがりこ」について分析していきたいと思います!


カルビー じゃがりこ

引用元:カルビー公式FaceBookより定番味の4商品

じゃがりこの歴史

 「じゃがりこ」は、1995年10月23日に新潟エリア先行で販売を開始しました。「じゃがりこ」には前身の”じゃがスティック”という商品があり、1994年にテスト発売され、お客様の声を元に商品改良を行いました。
 また同時期に「じゃがりこ」という商品名でカップ型商品も発売するなど、様々なパターンのテスト販売を行われ、そして“じゃがスティック”の良いところ(商品の長さ・円柱の形状、パッケージデザイン等)とカップ型じゃがりこの良いところ(カップ形状、商品名等)を合わせ、いまの「じゃがりこ」の原形が誕生しました。

 全国展開を完了したのは1998年1月10日と約2年半の時間がかかったそうです。その後もパッケージデザインや味の開発など試行錯誤を経て、現在は「サラダ」「チーズ」「じゃがバター」「たらこバター」の4つの定番味の他、季節やトレンドに合わせた味の発売も引き続き行なっています。

 今では「かっぱえびせん」「サッポロポテト」「ポテトチップス」と並ぶ、カルビーのロングセラー商品の「じゃがりこ」は2016年に一般社団法人日本記念日協会の認定を受け、10月23日が「じゃがりこの日」に制定。
 毎年イベントや記念商品の発売などを行っています。

購入者層分析

Knowns Biz調べ:じゃがりこ 現在購入者のデモグラ

 じゃがりこ購入者のデモグラ構成比をみると20代~50代が多く、アンケート回答者全体(グレーのグラフ)と比較​​すると20代後半〜50代前半の割合が多くなっています。発売した時に20歳位だった方から現在の若年層まで人気みたいですね。
 他のブランドと比較すると性別は女性の方が圧倒的に多いです。

Knowns Biz調べ:じゃがりこの7Journey

 7Journeyを見てみると認知率・ブランド選好率は高めです。顧客+離反​(購買経験あり)の層も高く、知っているだけではなく実際に食べたことのある人が多いことがわかります。

どんな人が購入している?

Knowns Biz調べ:じゃがりこ 現在購入者の個人価値観
Knowns Biz調べ:じゃがりこ 現在購入者の社会価値観
Knowns Biz調べ:じゃがりこ 現在購入者の消費価値観

 じゃがりこ購入者のサイコグラフィックを見てみると、個人価値観は"時間にシビア”"ガラスメンタル”な方が多いようです。
 社会価値観では"現状満足”"自分より家族優先”が多く出ています。
 消費行動は"お得感重視消費”"リピート消費”の方が多く、商品を選ぶ際には自分が気に入ったものをよりお得に購入したい傾向があります。

Knowns Biz調べ:じゃがりこ購入者の声①
Knowns Biz調べ:じゃがりこ購入者の声②

 じゃがりこ購入者の声を見てみると、「◯◯味が好き!」という味に関するものや食感、また期間限定のフレーバーに関するコメントが多かったです。

「じゃがりこ」の味

「じゃがりこ」何味が好き?

引用元:PR TIMES じゃがりこに関する調査より
引用元:PR TIMES  じゃがりこに関する調査より

  PRTIMESにあったじゃがりこに関する調査によると、人気の定番味は「サラダ」「じゃがバター」「チーズ」「たらこバター」の順になっています。「サラダ」「チーズ」は発売当初からあるフレーバーで勢いはそのまま、売上を伸ばし続けているそうです。

続々登場するフレーバー

 定番味の他にも続々と登場している期間限定味。これまで発売されてきた期間限定「じゃがりこ」は100種類以上だそうです!
 現在定番味の1つとして発売されている「たらこバター」も当初期間限定商品でしたが、お客様から再発売を望む声が非常に多く、期間限定販売終了から半年後の2012年6月には定番商品化されました。
 2023年8月21日から全国のコンビニエンスストア先行で期間限定発売(コンビニ以外の店舗では2023年8月28日から)した「じゃがりこ のり塩バター味」は同じくカルビーの人気商品「ポテトチップス」のフレーバーとしても人気ののりしおの味を、「じゃがりこ」として開発した商品です。2019年に期間限定で発売し大好評となり、2021年、2022年と期間限定で再発売し、今年2023年も再発売となりました。

Knowns Biz調べ:じゃがりこの相関ジャンルランキング

 Knowns Bizで「じゃがりこ」の相関ジャンルを調べると、「ポテトチップス」と「コンビニ」が上位にきており、ポテトチップスの味で商品を出し、コンビニで先行販売するのは理に適った商品戦略だと感じました。
 今年の「のり塩バター味」は「あおさ」を加えることで「のりしお」感をより感じられるよう改良を実施したそうですが、定番化になる日も近いのかもしれません…!? 

引用元:じゃがりこ公式WEBサイトじゃがりこチャンネルより「じゃがりこ のり塩バター味」

その他人気の理由は?

アレンジレシピも

 公式サイトでも「じゃがりこ」アレンジレシピが掲載されていますが、ネットで「じゃがりこ アレンジ」と検索をかけると多くのレシピがヒットします。Knowns Bizのじゃがりこ購入者の声にも“アレンジをしている”の声も多くありました。

Knowns Biz調べ:じゃがりこ購入者アレンジに関する声

 お菓子を料理に?と思う方もいるかもしれませんが、じゃがりこは工場での製造過程で生のジャガイモからマッシュポテトを作り、それをスティック状に成形してフライしています。元々マッシュポテトなので、お湯を入れると、マッシュポテトに戻るのです!

豊富なサイズ展開

 購入者の声でもサイズ感に関する声も多かったですが、「じゃがりこ」はサイズ展開が豊富なのも特徴です。フレーバーにもよりますが通常のカップ型からパウチタイプの「じゃがりこ bits」、“もうちょっと食べたい!”という方のための「じゃがりこLサイズ」、チャック付きのスタンドパック型の「大人のじゃがりこシリーズ」や地域限定品の小袋セットなどがあります。気分や状況に合わせて手軽に購入できるので便利ですね。

他のスナックを買うなら何?

Knowns Biz調べ:じゃがりこのブランドスイッチ分析

 ブランドスイッチ分析を見てみると、現在「じゃがりこ」購入者が他に検討するスナック菓子(ポテトチップス以外)として選ぶのは「うまい棒」や「亀田製菓ハッピーターン」でした。
 じゃがりこがポテト系スナックなので他の芋系スナックが互換になるのかと思いましたが、「うまい棒」は意外に感じました。しかしうまい棒の味のラインナップを考えると、サラダやチーズなど味の豊富さがじゃがりこと似ていること、じゃがりこ消費者の声でもあるように手をあまり汚さず、片手で気軽に食べられる手軽さが共通点かも?と思いました。

Knowns Biz調べ:じゃがりこ購入者の手の汚れに関する声
引用元:PR TIMESより「うまい棒ショップ」
Knowns Biz調べ:ポテトチップス以外のポテト系スナックでの満足度

 ちなみにポテトチップス以外のポテト系スナックでの満足度を見ると上位3つは全てカルビーの商品で、「じゃがりこ」は2位でした。
 ブランドスイッチ分析には出てきていなかったものの、全て満足度は85%以上で認知度の部分では「じゃがりこ」が圧倒的に高いです。
 カルビーによると「じゃがポックル」はじゃがいもをはじめ、北海道産の厳選した原材料のみを使用した北海道限定商品で、「Jagabee(じゃがビー)」は北米産のじゃがいもを使用した。
 製造方法はほぼ一緒だそうですが、「じゃがポックル」は小さな釜でフライ、揚げムラのチェック、少量ずつ丁寧に選別するなど、手作りに近い生産だそうです。
 「じゃがりこ」がマッシュポテトのフライなのに対し、「じゃがポックル」と「Jagabee(じゃがビー)」はじゃがいもまるごとを皮付きで短冊状にカットしたフライになります。

「カルビー」の強さは好感度・認知度・イメージのバランス!?

Knowns Biz調べ:食品業界の好感度

 「カルビー」はKnowns Bizの企業ブランドデータでは食品業界で好感度1位となっています。認知度は「明治」や「ハーゲンダッツ」にやや劣るものの、好感度4.3超えは「カルビー」のみです。

Knowns Biz調べ:競合分析
左:カルビー 右:やおきん
Knowns Biz調べ:競合分析
左:カルビー 右:亀田製菓

 前述のじゃがりこのブランドスイッチとしてあがっていたうまい棒の「やおきん」や、ハッピーターンの「亀田製菓」と「カルビー」の企業競合分析を見てみると、"親しみを感じる”"安定性がある”"伝統がある”が3企業のイメージとして共通で高く出ています。
 3社とも安定や伝統そして個性と、企業として消費者のイメージが確立している中でも、「カルビー」は好感度・認知度・イメージのバランス​​が良く、その強みがブランドスイッチでも現れたのではないかと思います。

じゃがりこドリーム!

引用元:じゃがりこ公式Xよりじゃがりこドリーム 

 カルビー株式会社は、これまでも「じゃがりこアレンジレシピコンテスト」やオリジナルのじゃがりこが作れる「じゃがりこメーカー」など「じゃがりこ」らしい楽しく話題性のある各種の取り組みを展開しています。
 8月22日からスタートした『あたいも有名になりたーい!「じゃがりこ」ドリーム 〜あなたのアイデアが「じゃがりこ」に!?「じゃがりこ」パッケージデザインコンテスト〜』も、その企画の1つです。
 今回は多くのクリエイターが利用している「SUZURI byGMOペパボ」とコラボし、自作デザインのじゃがりこが実際に期間限定パッケージとして店頭に並ぶかもしれないというものです。
 受賞作品には賞金も…!大人から子供まで楽しめるコンテンツなので、じゃがりこファンの方や興味のある方は応募してみてはいかがでしょうか?

まとめ

じゃがりこ購入者の特徴
・​​20代後半〜50代前半の年齢層、女性が多い
・個人価値観:時間にシビア、ガラスメンタル
・社会価値観:現状満足
・消費価値観:お得感重視消費、リピート消費

 現在4つのフレーバーが定番商品となっていますが、今後どのような味が登場するのか、定番化するのか楽しみですね!
 今回分析して、「じゃがりこ」は食感やさまざまなフレーバー、サイズ感、手軽さ、アレンジもできるなど魅力が満載な商品だと感じました。
 みなさんは何味が好きですか?

筆者のひとこと

 最近お土産でもらうじゃがりこによく「九州しょうゆ味」も入っているのですが、新しい定番フレーバーかしら?と思っていたらこちらも期間限定商品でした!
 またコロナ禍中、日本に帰国できなかった時に友人に「じゃがりこ食べたい…」と告げたところ、これならあと1つあるよ、と貰った「さつまりこ」も期間限定品でした!ベトナムにまで旅してきた期間限定じゃがりこ。さすが100種類以上期間限定品を出しているなぁ、と関心。

日本からの友人にもらったじゃがりこも期間限定パッケージだった!

 パッケージもよく見ると期間限定だったりで楽しい…!ちなみに私はチーズ味が一番好きです。(でもどれを食べても美味しい!好き!)
 またアレンジレシピも今はいつでも手に入る状況でないので勿体無くてできませんが、高校生の時にマッシュポテトにして食べていたのを思い出し懐かしく感じました。

 余談ですが、カルビー株式会社がじゃがりこ生誕10000日記念に都内某所で行なったじゃがりこ認知度調査では97.8%の人が「知っている」と答えたそうです。逆に「知らない」と答えたのは海外の方や、普段コンビニエンスストアで買い物をしない方だったそうです!
 ベトナムでも流行って欲しい(私が食べたい)ので、是非海外にもどんどん進出していただきたいです…!笑

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