お菓子の世代交代に飲み込まれた!?引退を迎えたチェルシーを分析
チェルシーが3月で販売終了になるというニュースを見ました。
がーん。ヨーグルト味が大好きだったのでかなりショック。
コンビニなどでも見なくなり存在感が薄れて、好きと言いつつ私ももうずっと食べていませんでした。
いざなくなると聞くと寂しいもので、もっとネットとかで探してでも買っていれば生産中止にはならなかったのかもなんて、、あとの祭りですね。
ロングセラーに敬意をこめて、今日はチェルシーについて分析してみます。
チェルシーの歩み
チェルシーが誕生したのは1971年のこと。
「今までにない特徴とおいしさを」ということでスコットランドのスカッチキャンデーにたどりついたそうです。
誕生から今まで50年以上愛されてきたチェルシーですが、こんなにたくさんの味があったのですね!
わたしは中高生時代よくチェルシーを食べていましたが、ちょうどその頃は種類も多いようで人気が出ていた様子が年表からも伺えます。
チェルシーと言えばこの黒い箱に鮮やかな花のパッケージがとても印象的ですが、このパッケージもかなり凝ってつくられたようです。
デザイナー数名に依頼してコンペ形式でこれに決定したそうですよ!当時の明治の本気加減が伝わります。
チェルシーのマーケット分析
今回、販売終了の理由を上記のように発表した明治。つまりはチェルシーがオワコン化した説が浮上するわけですが、実際のデータはどうなっているのでしょうか?
どんな年代の人に好かれているのか
チェルシーに好感を持っている人を対象にしたグラフを見ると、男女比は女性の方が若干高くなっています。
女性を意識した味の設定や(バターの多いリッチでスイートな味)パッケージデザインを考えると納得の結果です。
年齢分布のグラフでは45-49歳がピークで階段状にパーセンテージが変化しています。
若者に受けているというよりは、往年のファンが多いといった感じでしょうか。
利用率と年齢層がわかるグラフで詳しく見てみると、積極的ロイヤル(現在購入していて、次回も高い購入意向がある)では割合が高い順に
①40代後半:14.5%
②40代前半:12.6%
③50代前半:11.9%
④30代後半:9.6%
消極的ロイヤル(現在購入していて次回は低い購入意向がある)では
①40代後半:15.0%
②50代前半:13.0%
③60代後半:11.1%
④50代後半:11.0%
と、積極的ロイヤルより消極的ロイヤルの方年齢層が高い傾向が見られました。
逆に、10-20代では未認知層が大きな割合を占めています。
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
飴市場の変化
チェルシーの利用年齢層の背景には、飴市場の縮小が関係していると考えられます。
たしかに最近コンビニでも、飴は棚の下の方に数種類置いてある程度だったり(夏は熱中症対策の雨が増えるイメージだが)するけれど、グミは目の高さのスペースにばーっと一面かかっていたりしますよね。
ここにも現代ならではのタイパ価値観がこんにちは。笑
ここでいうタイパというのは、ただ単に早く食べ終わるということではなく、短い時間でどれだけ高い満足感を得られるかという意味。
ラムネのように一瞬で溶けてしまうものでも、飴のようにずっと口の中にあり長く楽しめるものでもなく、短い時間で食感や味の変化も楽しめるグミやチョコが若い世代に広く好まれているのですね。
チェルシーが好きな人の価値観とは
ここでまず触れておきたいのが、消費行動原理のタイパ重視型消費という価値観があまりない人が多いという点です。
ちなみにキャンディ全体の価値観を見ても、現在購入層にタイパの価値観はあまり強くないことが分かります。
次に機会ウェイトについてですが、お得感より自己満を優先する価値観があるようです。
チェルシーは現在168円(税込)。はちみつきんかんのど飴(10粒)が約120円、レモンスカッシュが袋(72g)で160円前後という価格設定を見ると、チェルシーは少し高めの飴です。
それでも好感をもっていたり購入したりする人たちには自己満足消費という価値観があるようです。
感動ポイントのノスタルジー消費価値観については言わずもがな。に懐かしさやエモさに感動する人が多いようです。
リピート消費についても似ていて、どんどん新しいものを開拓するよりも、ひとつのものに愛着をもって懐かしんだり、繰り返し利用する人の割合が大きくなっています。
Knowns Bizに寄せられた口コミで頻出のワードが分かる画像にはヨーグルトが存在感を放っています。やはり、ヨーグルトファンが多いようですね!(私も含め)
またパッケージや懐かしいやCMなど、レトロな箱デザインや当時話題になった「チェルシーの唄」のCMなど昔を懐古するようなワードが多く出ていることが分かります。年齢分析(40代以降に好感を持っている人が多い)やノスタルジーの価値観を結果と結びついていますよね。
イメージ分析を見ても、"ノスタルジー・懐かしさ"や"青春・甘酸っぱい"んど、エモさを感じる項目が高いパーセンテージを占めており、口コミやサイコグラフィックで見られた傾向と親和性があります。
また、"かわいい・萌え"や"家庭的・安堵感"、"上品・優雅"、"フェミニン・大人っぽい"など女性らしさや柔らかさ、穏やかさを感じるようなイメージが上位に着ている一方、下位には"先進・テクノロジー"や"タフ・頑丈"、"話題の・流行っている"、"利便・合理性"など新しさや効率、強さなどを感じるイメージが並んでいます。
チェルシーは女性ターゲットに作られた商品ということなので、世間のイメージと商品コンセプトが合致している点にプロの企画力を感じます!
チェルシー購買者が今買っているのは
パッと見た感じのど飴が多いことが分かります。
おやつとしての利用よりのどの痛みや乾燥を解消するものとして利用する人が増えたようです。
縦軸を"利便・合理性"、横軸を"ノスタルジー・懐かしさ"にしたグラフを見ると、チェルシーの位置は右下。(ノスタルジー・懐かしさのイメージが強く、利便・合理性イメージが弱い)
近い位置にはミルクキャラメルやハイソフトなど往年の人気商品があります。
真逆の左上エリアにはのど飴が多数位置しています。
競合分析のランキングにもあるように、のど飴系の人気があることがここでも見て取れます。
また、氷あめやグリコ、ハイチュウといった飴(の進化系?)やそれ以外のお菓子に移行している傾向がここにも現れています。
ちなみにシャーベットペロというお菓子ですが、、
↑これです。私は知りませんでした、、。
シャーベットベロや火垂るの墓でお馴染みのサクマ式ドロップス(これは販売終了しましたが緑の缶のサクマドロップスは健在)はレトロなお菓子です。これらはチェルシー同様ノスタルジー価値観の持ち主に響くものがあるのかもしれません。
チェルシーの過去購買者の動きとして3種類あることが分かりました。
①のど飴に移行
②飴ではなくタイパや歯ごたえを重視したお菓子に移行
③レトロなお菓子ファン
「市場環境や顧客ニーズの変化に伴う販売規模の低迷で、収益性が悪化した」と語った明治のいう通り、飴市場には大きな変化が起きているのかもしれません。
飴はオワコンなのか?
コンテンツとしての盛り上がりを見るには、SNSが最適かなということで、グミ系のSNSを探ってみます。
日本グミ協会のインスタグラムのフォロワーは4.7万人(3/29現在)。
グミ協会会長のYouTubeチャンネルは約10万人のチャンネル登録者数を誇っています(3/29現在)
飴に関するアカウントで人気があるのはフルーツ飴のショップのアカウントや、組み飴のアカウントでした。
どちらも"映え"が魅力です。
今のところ飴の新しい活路はコンビニやスーパーで販売するよりも、見た目も楽しいアイテムとしての魅力を活かすことなのかもしれません。
チェルシーに関して言えば、個人的にはチェルシーがオワコンか?というとファンがいっぱいいたのに、、という気持ちがどうしてもぬぐえないです。泣
なくなるのは寂しい!という声も多数。
ロンブー淳さんの発言を見た瞬間、「それ!!」と思った人はきっと私だけじゃないはず、、
グミ化したお菓子たち
近年のグミ人気に伴い様々なお菓子がグミになっています。
梅男、ヨーグレット、ガツンとみかん、オランジーナ、パインアメ、八天堂まで、、、もはやひとつのトレンドとも言えます。
もともとある商品をグミにする魅力は2つあると思っていて、ひとつは「あれのグミバージョン!?」と興味をそそられること。もうひとつはある程度味の想像がつくこと。
ちょうどいい冒険や楽しみになるのかななんて思いました!
今年販売終了となってしまったチェルシーですが、実は2023年に勝負に出ていた模様です。
なんと、どら焼きとゼリー!
どら焼きはかなり挑戦したなと思いますがゼリーは普通においしそう!!
画像:ポジショニングMAP
これだけ積極的ロイヤルもいて、認知率も高い人気商品だったのでまだ活路があったように思えて仕方ない、、というのはあまりにも身勝手かもしれませんが、明治さん、チェルシーグミの開発待ってます!笑
今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ
まとめ
チェルシーの販売終了には近年の飴市場の変化が関係していることがわかりました。
長年愛され続けたロングセラー商品であるチェルシーにはどんなファンがついていたのか下記にまとめます。
チェルシーが好きな人は、、
女性の方が多い
40歳以上の購入者が多い
原体験からくる懐かしさに価値観を見出している(ノスタルジー消費)
愛着をもってリピーターになっている(リピート消費)
昨今の飴市場は
のど飴が人気
ハイチュウやキャラメル、グミなど食感を楽しめるお菓子のマーケットが拡大→飴市場は縮小傾向
タイパという概念が広がり、ずっと口にある飴人気が低迷
などの変化が起きているようです。
普段意識していなくても、「言われてみれば!」と気付きが多い執筆作業でした。
実際2年ほど前から私もグミにハマりよく食べるようになったのですが、それも売り場で目に付くところにグミが陳列されていたり、SNSで見る機会が増え知らないうちに脳に刻み込まれた結果なのかもしれません。
チェルシーがかなり高額で転売されていて、買いたくても買えない、、、もう一度食べたい、、と、チェルシーロス中の筆者です。
筆者のひとこと
先ほどグミにハマっていると述べたのですが、私的おいしいグミランキングを発表いたします(拍手! (。・ω・ノノ゙パチパチ )
第3位 ペタグー
まず、私が好きなグミの特徴を先にお伝えしておくと、固い or 食感が面白い もの、酸っぱいものが好きです。
なので、ペタグーに酸っぱさはないものの、あのハードさはたまらないのです。笑
味の種類も多く、さらさらで手が汚れないのもポイント。
一番おいしいとおもっているのはグレープ味です!
第2位
しゃりもにグミは、食感が面白い上に酸っぱいパウダーをまとっているので私の趣味嗜好にぶっ刺さっています。笑
ヨーグルト味がさわやかで、仕事のお供に最高です!
第1位 チョコっとグミ
さんざん固くて酸っぱいグミが好きだと言ってきたのですが、、
このグミ×チョコのマリアージュは一度食べはじめたらもう止まらない。自分では制御できなくなるほどなので1位です!
残念ながらセブンイレブンではこのチョコっとグミが売り切れていることが多くなかなか手に入らないのですが、、
無印やDAISOでもグミチョコ売ってるので見かけたらいつも5袋くらい買っています。笑
最近グミの種類が本当に多いので、私のグミライフも充実しています♡
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