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ユニドル。


油山の山肌に、白い雪が見えるようになった。
ビルの間から吹く北風が、頬に強く当たった。


心まで温まりたいと、何度思った事だろうか。


年末になり、年末調整だの、源泉徴収だの、お正月の商品の陳列だの、慌ただしく働く機会が増えてきた。
学生との兼ね合いもあって、ゆっくり休む機会は接客業の人間にはない。

余念がないのは、ユニドルの演者のみんなも同じだろうと思う。

昨日は九州の冬予選であった。

生でライブ会場に赴く時間がなかった事を、甚だ残念に思う。

特定の誰かにえこひいきしたくないから、あえて昨日は何事も考えずに仕事した。
個人に感情移入してたら、仕事にならないからである。

家に帰って結果を見た。
優勝した子達は、とても輝いていた。

4年生はこれが最後の大会だった。
スマホに向かって、お疲れ様と、胸を撫で下ろす自分がいた。


勝者がいるという事は、敗者がいるという事でもある。

しかし、問い続けることがある。
ユニドルとしての勝ち負けが決まる、それを決める事だけに、本当に意味があるのだろうか?

大事なのは、このステージに立つまでのプロセスを楽しめたか。これに尽きると思う。

もちろん上手くいかない事も多々あったと思う。そのプロセスを自分のプラスに変えられる人が、ゆくゆくは社会でも価値ある存在として愛されていくと思う。

やり切ったと思えたのなら、僕は幸いです。


ドイツ古典主義の文豪・ゲーテは、こんな言葉を残している。


ユニドル演者ではなく、大学生ではなく、一人の女性として、価値ある存在として誇れる人間であってほしい。そう心から願ってやまない。

ありがとう。またね。

今朝も寒い中、仕事へ向かった。
年が明けたら、またライブへ行こう。


ええ、もちろん?


彼女達の笑顔に、会いに行くのです。


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