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スプーンが止まらない トマトファルシ     -tomates farcies-

学生の頃、夏休みに1ヶ月程ボルドーのワイン商のお宅に居候させてもらった時の忘れられないメニューの1つがこのトマトファルシ。

くり抜いたトマトに挽肉を詰めてオーブンで焼いただけというとてもシンプルなフランスの家庭料理。マダムとムッシューが交代で食事の支度をしてくれていたのですが、このトマトファルシはマダムの定番メニュー。

ディナーで残ったら冷蔵庫に入れずオーブンの中へ。 冷蔵庫に入れないことに驚き、必ず次の日のランチに温めずにそのまま出てきたことに驚き、焼きたてのバゲットと一緒に食べて前の日とは違う美味しさに驚いていたものです。

* 味の決め手はトマト

トマトイメージ_Fotor

真夏だったので庭で獲れたトマトを使って作ってくれていましたが、大きすぎず、小さすぎず、果肉がしっかりしていて、しっかり酸味のあるトマトを使うのがベストな気がします。

当時、マダムのこだわりはトマトの葉。この料理は綺麗な葉がついていないと「見映え」が悪くなるから作れないそうです。

トマトの上部を切り取り、中身をくり抜いてフィリングを詰めてから、切り取っておいたトマトの上部(マダムはシャポーと呼んでました)を上に載せオーブンに入れるのですが

「シャポー(フランス語で帽子)が大事、載せるのを忘れないで」と作る度に言っていました。

綺麗な葉が付いているちょうど良い大きさのトマトを見つけたので、久しぶりに作ってみました。

* フィリングは自由自在

地域や家庭によってトマトに何を詰めるのかは様々。ご飯を詰めたり、パスタを詰めたり、ソーセージ風に仕立てたり、チーズを加えたりetc...

トマトファルシ1

マダムは牛挽肉にパン粉、玉ねぎ、ハム、タイム、卵を加えたフィリングを詰めていましたが、このフィリングが誰もが好きな組み合わせな気がします。

詰め物をしたトマトをオーブン皿に並べ入れ、隙間にくり抜いたトマトを粗く刻んで入れると焼き上がった時にソースとして楽しめるのですが、これもマダムのオリジナルかもしれません。

オリーブオイルを全体にまわしかけてからオーブンへ。30〜40分焼いて出来上がり。

* 真夏のオーブン料理

少し焦げ目をつけたくて、仕上げにオーブンの温度を高くしたのですが、ちょっと目を離した隙にシャポーが焦げすぎてしまいました。マダムに怒られそうです。。

トマトo-bunn

トマトに火が通ってくったりとしているので、スプーンで詰め物と一緒に崩してカレーのようにご飯等と合わせて食べると、暑い日でも食欲が湧いてきます。

ご飯やパン、パスタ、ジャガイモとも合いますが、私はクスクスと合わせて食べるのが好きです。

お好みでharissa(モロッコやチュニジアでよく使われる辛味調味料)をつけると、味に変化が出て益々スプーンが止まらなくなります。

真夏のオーブン料理、なかなか気持ちが乗らなかったのですが、作り始めてみるとまだまだバリエーションが広がりそうです。

トマトファルシ皿


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