K's Spoon

Culinary Creator.   パリのEcole Ritz Escoffier…

K's Spoon

Culinary Creator.   パリのEcole Ritz Escoffierでディプロマを取得後、L'Ecole Lenotreでケータリングの技術を学びました。帰国後、数十年間食品会社に勤務。数年オーストラリアで過ごし現在は日本で活動再開準備中。

最近の記事

トリュフを愉しむ

ここは冬本番、雨模様の日が続いています。 この間、知人から採れたてのブラックトリュフをいただいたのですが、その濃厚な香りに絶句。パース近郊で採れたもので、形も美しく、まさにブラックダイヤモンド。久しぶりに質の良いトリュフに出会ってしまいました。 昨年までオーストラリアでトリュフが採れるということを全く知らず、正直あまり期待していなかった分、驚きも倍増。 今の時期、トリュフが採れるのは南半球だけ。採れたてのトリュフは48時間以内にフランスをはじめ世界中のレストランに出荷さ

    • パプリカの avant dessert

      今までレストランで食べた数々のデザートの中でも、口に入れた瞬間衝撃を受けたデザートがいくつかある。 そのひとつが4、5年前に東京の「ヌキテパ」 http://nequittezpas.com/concept.html で食したパプリカのアヴァンデセール。 昔、一世を風靡した赤ピーマンのムースを甘くした様なものが出てくるのかと思い込んでいたら、全く想像していなかった一皿が。 小さな焼きメレンゲとしっかり泡立てた生クリームにパプリカのcoulis(野菜や果物で作ったソー

      • キッチンガーデンが教えてくれること #2

        冬(7月)に植えたローズマリー、スペアミント、イタリアンパセリは順調に育ち、不可欠なキッチンハーブとなり大活躍しています。 ハーブに続いて夏の収穫を目指して8月末に植えたインゲン豆、キュウリ、パプリカ、トマト。 陽射しが強かったせいかインゲン豆は12月の初めに脱落。キュウリとパプリカは、大きめのプランターに植え替えたり、堆肥も足し土の表面が乾燥しないようにしたり、プランターの位置を変えながら灼熱日を乗り越えたものの、花は咲くのになかなか実をつけてくれず諦めていたのですが、

        • スプーンが止まらない トマトファルシ     -tomates farcies-

          学生の頃、夏休みに1ヶ月程ボルドーのワイン商のお宅に居候させてもらった時の忘れられないメニューの1つがこのトマトファルシ。 くり抜いたトマトに挽肉を詰めてオーブンで焼いただけというとてもシンプルなフランスの家庭料理。マダムとムッシューが交代で食事の支度をしてくれていたのですが、このトマトファルシはマダムの定番メニュー。 ディナーで残ったら冷蔵庫に入れずオーブンの中へ。 冷蔵庫に入れないことに驚き、必ず次の日のランチに温めずにそのまま出てきたことに驚き、焼きたてのバゲットと

        トリュフを愉しむ

          真夏のクリスマスケーキ

          南半球にいるのだから ”真夏のクリスマスケーキ”  を作ろう!  と早々にテーマを決めたものの、アイディアが二転三転して決まらないまま気がついたらクリスマスまであと数日。 他の州の様子はわかりませんが、南オーストラリアの街のベーカリーを見ているとイギリスの影響が色濃く出ていて、綺麗な缶に入ったフルーツケーキやクリスマスプディング、ミンスパイ、ジンジャーブレッドハウスが並び、日本のクリスマスとはまた違う雰囲気。 気温が40度近くまで上がる真夏に、個人的にクリスマスプディング

          真夏のクリスマスケーキ

          我が家のインド料理 #1

          子供の頃、父が銀座の「アショカ」というインド料理店によく連れて行ってくれたことを今でも思い出します。 注文するメニューはいつも決まっていて、サモサ・シシケバブ・ティッカマサラ・ナン、時々ビリヤニ、私は必ずラッシーを頼むといった感じで、当時のお店の雰囲気といい、レストランで食べるインド料理の味は私にとって特別なものだったのをよく覚えています。 * スプーンが止まらないチキンカレー母がインド料理教室に通い始めてから、我が家の定番カレーに加わったのがこのチキンカレー。 トマト

          我が家のインド料理 #1

          キッチンガーデンが教えてくれること #1

          ステイホームのおかげで重かった腰がようやくもちあがり、数ヶ月前から小さなキッチンガーデン を作り始めました。 春夏に楽しめそうで、お互いが邪魔にならない香りの組み合わせをと思い、ローズマリー・スペアミント・タイム・イタリアンパセリを植えてみたのですが私的には大成功! 風が吹くと爽やかな香りが漂ってます。 * 小さな箱に未知の世界がいっぱいプランターを増やそうと小さな棚を買いハーブ達を移動させた数日後。 小さな可愛らしいキノコが生えていて、そのうえローズマリー に白いカビ

          キッチンガーデンが教えてくれること #1

          愛しのアップルタルト -tarte aux pommes-

          日本の秋はこちらでは春。 季節が逆になっても長年の習慣はなかなか変えられず 10月になると思い出すのがこのアップルタルト。 数十年前、エコールリッツのシェフがスペシャルタルトだと言いながら 作ってくれたのですが初めて食べた時の衝撃は今でも忘れられないくらい。 レシピがないけれど、材料も作り方も何十年も覚えていられるくらいシンプル。 ヴァニラビーンズとお砂糖で煮たリンゴをパイ生地の上に敷き詰め その上にスライスしたリンゴをのせてオーブンで焼いて アプリコットジャ

          愛しのアップルタルト -tarte aux pommes-

          甘くしない ルバーブの楽しみ方

          * 思い込みルバーブの独特の香りと強い酸味には、砂糖を加えて ジャムやタルト、クラフティetc 甘酸っぱく仕上げるものだと 今まで何の疑問も抱かず 料理に使っても美味しくないだろうと思い込んでいました。 いつ日本に帰れるかわからない状況になってしまい 梅干しのストックがなくなった時のことを考え 何か代わりになるものがないか検索していたら ルバーブを塩で煮ると練り梅風の味になるという書き込みを見つけ なるほど!と早速試してみました。 * 練り梅風 ルバーブ1c

          甘くしない ルバーブの楽しみ方

          はじめまして

          母が残してくれたレシピ、リッツやルノートルのレシピ、 料理を教えていた時に作ったレシピ、仕事で使った資料、雑誌の切り抜きetc... 山積みになった大量の書類を眺め途方に暮れていたのですが 今まで作ってきたもの、経験したこと 私の記憶も整理して、きれいな形に残しておこうと思い 書き始める事にしました。 spoonをアイコンにした理由・・ 今まで意識したことがなかったのですが、ちょっと探しただけで キッチンにスプーンってこんなにあるんです。 古代から文化や習慣

          はじめまして