見出し画像

ネットワーキングが楽しい、になるまで

留学を決めてよかったなと思うことのひとつに「日本で普通に自分の生活圏内で暮らしていたら知り合えない人と知り合えるチャンスがある」ということがある。単に海外の友達ができる、という話ではなく、上記には日本人も含む。人と知り合うということは単にFacebookやLinkedinのつながりの数字が増えるということよりも、その人を介して自分が知ることのできる世界が広がるんだなぁということを学ぶ体験がたくさんできた。

そもそも留学に行く以前から、英語力向上のために通っていた日本の英会話学校で、有名企業にお勤めでT大学やH大学といった一流大学出身の方々と「同級生」になる機会があった。

英語力を上げたい、という目的は皆一緒であり、仕事をこなしながら同じ課題に取り組み、授業で発表するプレゼンテーションなどもお互いに「頑張れ…!」と思いながら見守りあってきたので、出身校や年齢などを飛び越えて、受講期間の終わりにはとても良いお友達になれた。(そもそも出身大学を知ったのは受講後Facebookでつながってからだった。知った時には「うおーT大だったのか…!こっちはH大…!」とかなり怯えた笑) 今はそれぞれ世界各地を飛び回っているけれども、今でもFacebookでお互いの近況報告にいいねをつけあう仲でいられることはとても嬉しい。

ボストンに来てからも「ボストン在住の日本人」という共通点だけで、日本に普通に暮らしていたら知り合うことなんてきっと無かったであろう人たちと知り合う機会に恵まれた。楽しく一緒にご飯を食べ、真面目な話題からふざけた話までいろんなおしゃべりをさせてもらっている。

何せハーバード、MITを擁するボストンに集まってきている人たちなので、日本でトップレベルの大学出身、専門分野は医療・法曹・国際関係などなど…こちらもわたしよりずっと頭の良いハイキャリアな方達にとても仲良くしてもらっているので、これってすごいなーと思っている。

「どういうお仕事をしているんですか?」「どういう勉強をしているんですか?」と聞くと、自分がいる世界とは全く違う分野の話をたくさん聞かせてくれる。しかも頭のいい人たちなので、他人にわかりやすく・面白く話すにはどうするのがいいかよくわかっている。素晴らしいなと思った。

余談だけれど、今回のヘッダーはハーバードロースクールに在籍している日本人の友人から依頼されてわたしが撮影した写真です。留学生活に関しての写真が必要になったそうで「撮ってくれない?」とお話をもらいました。上記のような人たちと経歴が全然違う自分でも、技術や知識をこうして人に提供できるチャンスがあったのは非常に嬉しかった。

ハーバードヤードには普通に観光客も入れるようになっているけども、毎日をそこで過ごしている人だからこその知られざるスポットを歩いたり、関係者のみが入れるエリアを見せてもらったり、法曹界について面白い話をたくさん聞かせてもらった。日本で自分が属する世界だけにいたら知りえないことばかりだった。下手な映画制作者とかよりもこういう業界の人のほうがよっぽど興味深い体験をしているだろうなとさえ考えた。こうして違う世界を知る体験が、いろいろな人と知り合う醍醐味なのだと思う。


いまアメリカで就職活動をしている。コネクションが大事だといわれるアメリカの就職活動において人脈も何もない外国人が職を得ようというのは大変なことで、今はLinkedinをフル活用して(何せ課金している)一生懸命ネットワークを広げている。

最初のうちは見ず知らずの人にメッセージひとつ送るのに、ものすごく時間をかけていた。何を書こうか、この英語で失礼はないか、送るタイミングはいつがいいか、などあれこれ考えていて、多大なエネルギーを使っていた。

大学の教授などからはネットワーキングが大事と散々言われるけれど、なんだか「意識高い系」を装った人が口先で言っているだけのような気がして(実際LinkedinのようなSNSをちゃんと使ったことも無いままそのようなことを口だけで言っている人も結構いるように感じる)、あんまり気が乗ってなかった。一生懸命書いて送ったメッセージなのに、先方から何の音沙汰もなくまるっきり無視されると悲しかった。

けどすごく親切な人もいて、「同じ大学に通っています」という共通点だけをきっかけにコンタクトしたわたしに、すごく親身にアドバイスをくれたり、協力してくれる人が何人もいた。

そうして良し悪し様々な経験をするうちに、返信がないことも別に自分に落ち度があるわけではなく「忙しいんだろう」「アカウントだけつくって放置してる人なんだろう」と考えられるようになった。

それよりも「この人優しい…!」「私にこんなに良くしてくれるの!?」「こんなに細かく情報をくれてありがたい!」と思わせてくれる、素晴らしい人たちと知り合えて、話ができることを感謝したほうが楽しいと思うようになった。

いまでも英文メールでよくある "Hi + (下の名前)," でメールをはじめるのが慣れない。けど小さなきっかけで新しい世界を知ることができるかもしれない、と思えば、一歩を踏み出すことは前ほど怖がらなくなった。(まぁ数十通メッセージを送っていれば文章もテンプレ的なものができてくるし、さすがに慣れるというのもある)

いつか自分も、これまでいろいろな人たちとのつながりの中で受けてきた優しさや知的インスピレーションを、今度はまた別の誰かに渡してあげられるようになりたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?