最恐の漢
僕にとって、「最強の人」と「最恐の人」は同一人物だ。
僕は大学時代にスキーサークルに所属していたのだが、その活動の延長でアシスタントを勤めていたスキー学校の寮長がその人だ。
寮長は、日本一を決めるスキーの大会に出場している現役の選手であるだけでなく、信じられないほど屈強な体格をしており、腕は僕の太ももぐらいの太さがある。
実際、近所のゲームセンターのパンチングマシンでは、最高得点を記録しているらしい。
未熟だった僕は、アシスタントの仕事や寮生活でよく寮長を怒らせてしまっており、ある日の夜に僕は改めて寮長へ謝罪することにした。
謝罪した結果、返ってきた言葉はこれだ。
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