見出し画像

海外 現地スタッフとうまく働く術

国や各都市での働き方の違い

僕はこれまで10ヵ国24都市で様々な展示会やイベントの仕事をしてきました。もちろん其々の国や都市で文化や考え方は異なり、働き方も違います。
アメリカ国内でも都市によって違いはありますが、南米やヨーロッパでは英語が通じない都市も複数あり、その都度色々と苦労がありました。
英語が通じない国でのトラブルは本当に大変です。

メキシコでは「今日の午後に納品する」と言われた機材が到着したのは翌日朝イベント本番直前。
スペインではフォークリフトで荷物を運んでいる時に我々のブースを壊して行っても知らん顔。英語で文句を言ってもスペイン語で反論してくるから話にならず。
ブラジルでは10個ある共同出展者のカウンターの形状やサイズがバラバラで納品。
基本的に現地のプロに依頼しているのですが100% 信用はできません。

アメリカはショーマネージメント会社がしっかりしているし、なんとか英語が通じるのでトラブルがあっても比較的楽です。

ラスベガスのステージでの苦い経験

海外では、同じ内容の仕事でも働くスタイルが日本と違います。
数年前にラスベガスで大々的な歌舞伎の公演の仕事をしました。

画像1


ベニューはメジャーなホテルの通常は人気マジックショーを行っている劇場。諸々取り決めがあり、ステージのスタッフは現地の米国人を雇わなければなりません。彼らは年に何百回とその劇場でショーをやっているので劇場内を知り尽くしており、プライドもあります。
そんな現地スタッフと昔から日本で歌舞伎のステージ進行・制作を行ってる熟練スタッフとの協業の間に入った時は本当に大変でした。

日本から来た歌舞伎ステージ制作のプロ達は通常日本で行っている自分達のスタイルで進行をしようとしますが、その劇場のスタッフは思い通りに動きません
彼らは冗談を言い合い、時に笑いながら仕事をしますが、伝統芸能の厳しい環境で仕事を学んできた方々にはそんな姿は許せなかった様です。
ガムを噛みながら働く、雑談をする、休憩でも無いのに勝手にトイレに行く等その都度「注意をしろ!」と僕に指示がきました。
直接話しができればまだ解りあえるかもしれないけど、日本から来られた方々は英語ができないので人伝のコミュニケーションになってしまいます。

基本的に我々の業界で働くアメリカ人は怒られる事が大嫌いで、怒られた後は一気にモチベーションが下がります。そうなると歯車が合わなくなりステージも綺麗に回らなくなります。
その歌舞伎公演は舞台の設営~リハーサルが7日間ありましたが3日目位から日本側のスタッフと現地スタッフの関係は険悪になりました。

画像2

お互いに理解し称え合う

僕は海外で色々な現地スタッフとの仕事をしてきた経験から、日本の人からの「ダメ出し」はストレートに伝えず、必ず最初に「あなたの事をすっごく誉めていたよ」と切り出しました。その後に「でもアメリカに不慣れな自分達がやり易くする為にここを少し直してくれるとありがたいって言ってる」という言い回しをしました。文句を言っている人が対応できない事を助けてあげて欲しいという伝え方です。

そのうちにNGだらけだった進行も徐々に上手く回るようになり、日本側スタフも笑顔で冗談を言うようになりました。恐らく彼らも(日本ではご法度の)アメリカ式ステージの制作を楽しめる様になってきたのだと思います。
そうなると現地スタッフも「一緒にいいステージをつくる」という本来のプロの感覚で取り組むようになり、1週間の公演は大成功を収めました。

最終公演が終わった後、途中ギクシャクしていた日米のスタッフはステージ上で抱き合い、涙を流しながら一緒に築き上げた成功を喜んでいました。

画像3


海外の現地スタッフと上手く働く為の魔法の言葉

僕は違う国で仕事をする場合、現地に入る前に必ず覚える言葉があります。
それは「Good Job!」(スペイン語:Excelente trabajo)

画像4

プロとして仕事をしている人達でも、やはり仕事を誉められる事は嬉しい事です。何かをしてくれた時にこの言葉を使うと、言われた側も言う側もHappyな気分になり、そこにいい空気が流れます。
それを現地の言葉で伝えると相手も自分達の事を尊重し認めてくれているという認識を持って貰えるのでは無いかと考えています。
そうなると英語やスペイン語ができないという事では無く、言葉の壁を越えた繋がりができます。

まとめ

もし海外で気持ちよく現地のスタッフと仕事をしたいのであれば、常にそこに「いい空気が流れている」という環境づくりを心掛ける事が重要だと思います。

画像5

その為にはいい所を見つけて誉める
頑張っているスタッフにスタバでコーヒーを買ってきてさりげなく差し出すだけでみんなのモチベーションは上がります。
非常に簡単にできる事なので是非試してみてください。

頂いたサポートは「快適ライフ創造 ラボ」の活動に使い、皆さんがもっとHAPPY と感じられる世の中づくりの為に貢献いたします。