Tatsuki Kitahara

tatsukiと申します。趣味は音楽です。ライブに行ったり、ギターやベースを弾いたりし…

Tatsuki Kitahara

tatsukiと申します。趣味は音楽です。ライブに行ったり、ギターやベースを弾いたりしています。 書き溜めていた小説を少しずつ発表していきます。音楽についての描写を小説に書き入れることが好きです。 https://www.instagram.com/tatsuki.pics/

最近の記事

すいか #4

すいかの最終回です。 #1 #2 #3 は下のリンクからお読みください。 健太はいつもより早く目覚めた。めったに聞くことのない鳥のさえずりが新鮮だった。階下の物音に押され、健太は階段を降りキッチンへ向かった。寝ぼけた目で立っている健太を見た母は、驚きを隠せなかったが、おはよう、と言った。  健太も、おはよう、と返した。  新しい朝の陽を浴びる家を背にして、健太は、いつもより低い太陽を浴びながら学校へ向かった。  始業を待つ教室は喧騒に溢れていた。健太はいつものように

    • すいか #3

      すいかの続編です。 #1 #2は下のリンクからお読みください。  いつしか、健太は眠りについた。夏の日の思い出を夢に見ていた。祖母はそっと健太をソファーに寝かせ、タオルケットを掛けた。  蝉の声を背にして、祖母は健太が通っている学校へ健太の所在を告げる電話をした。次に健太の母の携帯電話の番号を押した。  留守電になっている携帯電話に、折り返し電話をちようだい、という旨のメッセージを入れると、祖母は受話器を置いた。  眠っている健太を起こさないように祖母は静かに料理を始めた。

      • すいか #2

        すいかの続編です。 #1は下のリンクからお読みください。  猛暑のせいで、朝から気温が高い朝。母は仕事に出かけ、家にはもう人気がなかった。健太はゆっくりと着替え、階下へ降りた。いつものような鼻をつく臭いはなかった。作りおきした朝食が置かれている代わりに、テーブルの上には小さなケーキの箱が置かれている。健太はこの朝、十五才になった。箱に近づき中身を覗いた。思わず笑顔になった。  箱の中にはショートケーキが入っていた。少し温かくなったケーキを健太は頬張った。生クリームとスポンジ

        • すいか #1

            蒸し暑い部屋で健太は目覚めた。太陽は地球の放埒を叱りつけるように、人々を、木々を、コンクリートを照らしつけていた。季節感なく健太を包む毛布が剥がされた。階下へ降りる階段の途中まで、食べ物の臭いが立ち込めていた。  健太は誰もいないキッチンに入った。テーブルの上のトーストは焦げが強く、冷めたスクランブルエッグに添えられたケチャップの酸味が健太の鼻を突いた。食欲は削がれ、健太はそれに手をつけることなく、また二階に上がった。  二階には兄の部屋と健太の部屋がある。兄の部屋からは

          YouTubeを見ていたら...

          YouTubeで音楽動画を見ることが好きです。 80年代や90年代などの洋邦のアーティストの映像を懐かしむことも楽しいですが、新しいアーティストとの出会いもまた、楽しいです。 YouTubeを見ていたら、Reina del Cid and Toni Lindgrenという女性デュオがオススメに出てきました。それ以来、かれこれもう2年も聞き続けています。 今日は彼女たちをシェアしたいと思い、noteを開きました。 このように基本的にはギター2本で歌って撮った曲が多いようで

          YouTubeを見ていたら...

          2023年 1月31日

          今日は1月の終わり。明日からは2月。 前回noteに投稿したのが12月31日。1ヶ月の間隔が空いてしまいました。 皆さんに読んでいただきたいものは結局、そのままになってしまっています。 大学受験の指導はひと段落したのですが、教え方や配布するプリントなど、このままでいいのか、と頭をかかえる1ヶ月でもありました。 もうじき新しい学年の生徒たちを迎えることでしょう。時代にあった授業になるようにアップデートしなければならないですね。 このところ2冊の本を購入しました。 今回、芥

          2023年 1月31日

          2022年12月 大晦日

          大晦日ですね。 ひと通りの掃除を終えて、一服しています。 買い物のついでに、近くの公園へ散歩に行きました。 いつも通りの景色がそこにあり、なんだかホッとしました。 その公園を舞台に書いた短編があるのですが、みなさんにご覧いただくのは来年になりそうです。 いつも私のページをご覧くださりありがとうございます。 そして私の拙作に目を通していただき、感謝に堪えません。 みなさまの作品、とても刺激になり、私の意欲を掻き立ててくださいました。しかし秋口から、少し体調を崩してしまい(

          2022年12月 大晦日

          Janis

          今回は #はじめて買ったCD というnoteさんのお題で、別のブログ記事のリライトをします。 僕が初めて買った洋楽のアルバムはジャニスジョプリンのPearlだったと思います。1971年のリリース、名盤中の名盤と言われていますね。 きっかけは僕が当時ファンだった渡辺美里さんが推薦していたアルバムだったので、とても興味がありました。ロックに目覚め始めたころ、ロックに触手を伸ばし始めたころです。当時、僕は高校生だったと思います。地元の中古CDショップで買いました。 このアルバ

          送別会は同窓会に

          11月に久しぶりに仲間たちで集まる。とても楽しみである。以前、同じ職場だった仲間たち。今年の3月にその一人が職場を去った。その名目で送別会を催そうとなっていた。 しかしそのころ、コロナウイルスの感染者が増加し始めた。5月、7月、9月と感染者の推移を鑑みながら、タイミングを見計らっていた。もう集まってもそろそろ問題ないだろうと、この11月に再会することになった。 今回集まるのは7名。5年前に辞めた、3年前に辞めた、そんな仲間たちも会する。だから送別会というより同窓会の方が自

          送別会は同窓会に

          君の友だち(You've Got a Friend)

          僕が勤めている学校は後期が始まりました。なんだか忙しいなと思ったら、先週、22コマの授業をしていました。ちょっとくたびれましたね。 土日はゆっくりしたいものですが、次の週の授業準備があって、よくないルーティンに落ち入ってしまっている気がします。 小説、新しいやつを書き進めたいのですが、そういう気持ちが起きない昨今です。 そのような訳で今回は、以前に別のブログ記事のリライトです。 シンガーソングライター、キャロルキングとアルバム"Tapestry"についてです。 キャ

          君の友だち(You've Got a Friend)

          昨日の日記 (2022.9.25)

          #休日フォトアルバム 昨日は北浦和にある埼玉県立近代美術館で開催されている「シアトル→パリ 田中保とその時代」という展覧会に行ってきました。 雨模様の北浦和駅です。昔はもっと趣がある駅舎でしたね。僕が子供の頃から馴染みがある駅です。ここに降り立つのは久しぶり、駅前の店舗、雰囲気...ずいぶんと変わっていました。 近美と呼ばれている近代美術館は駅の西口から歩いて2,3分の北浦和公園の中にあります。その正門にはいつも、開催されている展覧会の看板が掲げられています。 生憎の

          昨日の日記 (2022.9.25)

          本屋さん

          最近、洋服を断捨離をするようになりました。 60リットルのポリ袋に数袋、捨てたんじゃないかと思います。 でもCDや本はなかなか捨てることができません。 本を読み返すことはあまりないんだけど、いつか読むんじゃないかって。 本棚に眠る本の背表紙を見るだけでも、その本を読んでいたころの思い出がほんのりと蘇る。そんなことがあるから捨てられない。 子供の頃は絵本。新美南吉さんの『手袋を買いに』は何度も親に読んでもらいました。 あるときに、僕が本を放り投げたことがあった。滅多に叱ら

          昨日の日記 (2022.9.3)

          #休日フォトアルバム 駅の広告看板で「生誕 140 年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」展を知り、いつかは行きたいなと思っていた。仕事がひと段落し、少しひとりで息抜きがしたかったので、アーティゾン美術館のオンラインでチケットの予約をした。 アーティゾン美術館は昼の12時の予約だった。早めに家を出たので、入場時間までには時間があった。上野の西洋西洋美術館に寄ることにした。リニューアルされてからは初めてだった。上野動物園に続くこの道は、いつも僕を落ち着かせてくれる。 西洋西

          昨日の日記 (2022.9.3)

          "ロックンロールには夢がある"というツイートをした

          The Lady Sheltersを知ったのはYouTubeだった。何気なくYouTubeを見ていたら、ストーンズのカバーをしているバンドが。それがThe Lady Sheltersだった。バンドが作り出すドライブ感が気に入って、お気に入りに登録した。ストーンズのカバーだけでなく、チャックベリーやジョージハリスン、ザ バンドからザ フーまでカバーしていて、オリジナル曲まで作っているバンドだと知った。 The Lady Sheltersの僕の初ライブは去年の12月。青山のライ

          "ロックンロールには夢がある"というツイートをした

          休みの日、 のんびり聞きたいストーンズ

          #私のプレイリスト noteさんの企画に #私のプレイリスト というのを見つけて、私もチャレンジしてみました。 休みの日にのんびり聞きたいローリング・ストーンズのプレイリストを作ってみました。"のんびり"ということで、ミディアムテンポのものや、スロウテンポの曲をセレクトしたものになりました。 ​ 曲の流れも考えてみた10曲です。Far Away Eyesで始まり、Salt of the Earthがラストです。キースの曲はThru and Thruにしました。 スト

          休みの日、 のんびり聞きたいストーンズ

          オーティス・レディング (オーティスが教えてくれたこと)

          オーティス・レディング。 オーティスはアメリカのソウルシンガー。1967年の12月に亡くなっています。 だから僕は生きているオーティスを知らないのです。 それでもたくさんのことを、オーティスが教えてくれた。 オーティスは多くのミュージシャンに大きな影響を与えています。 忌野清志郎さんはその一人です。 清志郎さんがライブ中によくやった ガッタ、ガッタ、ガッタ! あのシャウトはオーティス自身がやっていたものに憧れてやっていたものだと言われています。 清志郎さんの最後のアルバム

          オーティス・レディング (オーティスが教えてくれたこと)