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週刊!転地療養ノススメ:赤穂編

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色々あった「ホーム」レス作業療法士のただのたわごとのような私小説です.生きていることにどんずまりな人にちょっとでも役に立てれば幸いです.もちろん全てがフィクションです。転地療養、…
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2022年10月の記事一覧

季節、迷子をケアする

季節、迷子をケアする

ある日、いつものようにお昼過ぎに妻と散歩に出た。
アパートから出たすぐの通りをそのまま右へ行けば、海まで真っすぐのびる道だ。散歩に出るときは必ずと言っていいほど、右だ。右に行けばとにかく海に出ることができる。アパートから10分くらい歩いた一つ目の大きい交差点を渡ったあたりで、大声で泣いている子ども(4歳くらいかの女児)がいた。周りをみても保護者はいなそうだ。というか住宅地にもかかわらず周りに私たち

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大家さんとサイクリングにいく

大家さんとサイクリングにいく

随分とここから離れてしまっていたように感じる。それは前回本編を執筆した8月21日からおよそ2ヶ月の休載を経たからではない、と感じる。おそらくフランスに来てしまったからだ。随分と遠くに離れてしまった。赤穂の日々はあまりに眩しい思い出となってしまった。
あのアパートから見える水平線はもうここにはない。代わりに今この窓から見えるのはフランスの街並み。
これからの人生でおおよそ転地療養中の赤穂ほどのゆった

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連載再開のお知らせとともに

連載再開のお知らせとともに

先週ようやくアパートを見つけた私たちです。ご心配をおかけしました。
本当にこのままではどうなることかという不安と、ここには書けない黒い感情に苛まれましたが、なんとか心の平安を取り戻すことに成功しました。休載中にサポートしてくださった皆さんは本当に感謝します。今度、帰国したらたくさん歌ったりして、何とかお返しするつもりです。そして何よりこの連載を続けることが読者の皆さん(と呼ばせてください!)への誠

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