見出し画像

風船女と電柱女

こんにちは。

金曜日の夜。
5ヶ月振りに飲みに親友とおでかけをした。
なんて、開放感溢れる自由な時間だったんだろう。
帰宅時間も気にせず、時間に追われず、邪魔が入ることもなく、ただただ親友とのお喋りに夢中でいられる時間を過ごした。

最近のあれこれや、昔のあんなことこんなこと、何でも話せるというのはとても気楽で、そんな存在がいることはラッキーかもしれない。

空気を読んでか、晩ごはん後に次女は爆睡したらしく、旦那にとってもラッキーな子守日だったらしい。

美味しいステーキやお刺身、久しぶりの生ビール。至福の時間。

***

親友と私は全く性格が違う。
好きなファッションや物の好みはビックリする程、似ているのに。
恋愛の仕方は全く違った。
彼女はとにかくスーパー尽くし女で、私はというととにかくスーパーワガママ女だ。

だからか、好きになるタイプも全然違うし、付き合うタイプも違った。

まるで、彼女の選ぶ男の人たちが自分なんじゃないか?と思うくらい、相談をされても彼氏側の意見と気持ちに共感するくらい。

だから私と親友は仲良しなんだろうか。

彼女はいつも追いかけていた。
好きな人が出来るといつもいつも一生懸命で。
そして、たまに疲れてしまったり。

20年近い関係性の中で、恋愛ビギナーなあの頃から結婚に至るまでの全ての恋愛をお互いに知っている。

昔のあんなこと、こんなことを話していると「あんたはいつだって追いかけられてたよね」と言われた。

私としてはそんなつもりはサラサラなかったけれど、彼女にはそう見えていたらしい。

のらりくらりと気分屋で、自分のペースに相手を引っ張るのが私らしい。

私も過去の恋愛中、地団駄を踏みながらジタバタしていたことだってある。むしろ、その方が多かった気すらする。
けれど、同じようなことを昔言われたことを彼女と話していて思い出した。

***

"風船みたいな女"、そう彼は言った。
そこまで体もパンパンじゃないと私は答えたのだけれど、風船の先に付いた紐を離すとどこかに飛んでってしまうのと同じような女という意味だった。

私の人生の生活基盤になる場所を変えるきっかけになった彼だったので、よく覚えている。
彼、と言っても別に彼氏だったわけではない。

***

手を離すと飛んでいきそのうち見えなくなる風船みたいな女と
必ずそこにあって、ないと必ず困る、一度そこに存在するとなかなか移動しない電柱みたいな女が親友なのだ。

性格も違う、考え方も違う。
なのに、もう人生の半分以上も変わらぬ距離感で過ごしている。
とても不思議な縁。

努力型の彼女と、のらりくらりな私。
私からすればもう少し肩の力を抜いたら?と思うことも、彼女からすればもう少し頑張れば?と思うことも今に至るまでに沢山お互いにあった。

それでも、私たちはあの頃のまま変わっていない。

二人で息ピッタリ、久しぶりに歌う歌も楽しかった。
蓄積されていたものがスッと軽くなって、また頑張れる。
彼女はずっとそんな存在。

歳を取っても、ずっと茶飲み友達でいたい。

***

今日、彼女の新築祝いを届けに行った。
それはもう、車の中からパッと渡して、じゃ!とすぐに帰るほど私たちはアッサリとしている。

少しして、歓喜のLINEが届いた。
彼女が探していた、欲しかった物だったらしい。
息ピッタリ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?