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最終幕〜菫色の小部屋|エッセイ執筆者紹介

全ての人々が自身の感性に誠実に生きることができるよう、ショップカラーの「菫色/Mauve」に願いを込めて、2015年より文学・アート・モードを横断する展覧会を開催してきた「菫色の小部屋」こと霧とリボン 直営SHOP&ギャラリー「Private Cabinet」は、12月17日をもって吉祥寺での幕を閉じました。

本展では、実店舗での展覧会開催に加えて、気鋭の執筆者によるエッセイを12月23日よりここ「MAUVE CABINET」より順次オンライン配信致します(配信状況は霧とリボンのX及びインスタグラムストーリーズにて告知)。

「菫色の小部屋」別館であるオンラインギャラリーにて、終幕のひとときをご一緒できましたら幸いです。

本記事では執筆者15名と配信エッセイの一部を先行してご紹介します。

菫色に黄昏るビルディングの房室。揃いのネクタイの
結び目を風に揺らし、ひとところに群衆。気怠げな集まり。

詩「直線の鏡」より抜粋

霧とリボンと私を結びつけたのは「ビリティスの娘」だった。 フェミニズムの過剰の美学と透き通ったエレガンスの小部屋を携えて、『若草物語』のジョーとベスを行ったり来たりしながら、新幹線で首都へ向かって、虚空の街を歩きながら見つけた。

エッセイ「反射しあうビリティスの娘たちへ」より抜粋
詩「直線の鏡」リーフレット
記念コフレ『菫色の小部屋〜終幕のネセセール』収録
エミリー・ディキンソン訳詩と文|維月 楓
新訳付作品集『Emily’s Herbarium』(2020年)
絵|金田アツ子 布花アクセサリー|Belle des Poupee
造本と発行|霧とリボン

維月 楓|詩人・研究者・翻訳家 →X
幼少期より言葉が織りなす世界に魅了され、現在は詩作を行いながら研究活動を行う。古今東西の女性・クィアの作品を読み解くことを通して、新たな生の軌跡を思想している。

2022年5月から私も思いがけず、モーヴ街のブライオニー荘にて「シスターフッドと音楽」、「文学者の音楽室」のテーマでエッセイや作品解説を執筆する機会をいただき、作家の方々との刺激的なコラボも経験しました。 巻頭文を執筆した「ヒルデガルトの小径」展では、20年前に音楽の仕事で遭遇した中世の聖女と時を超えて再会し、くるはらきみ様をはじめとする作家の皆さまの作品で新しいヒルデガルト像に接して感無量でした。 孤独なパンデミック中に、大切な「居場所」を与えていただいたことは忘れません。

エッセイ「菫色の舞台の幕は永遠に上がる」より抜粋
江口理恵ディレクションCD
『マリー・アントワネットの音楽会(選曲・執筆|高野麻衣)』展示の様子
デザイン|HOLON(霧とリボン運営事務所)
巻頭エッセイ|江口理恵
2022年オンライン開催
くるはらきみ & 霧とリボン共同企画展《ヒルデガルトの小径》展 DM
くるはらきみ|少女ヒルデガルト〜小さな羽の旅立ち〜

江口理恵|音楽ディレクター・翻訳家 →Instagram
レコード会社の洋楽部で海外渉外業務を経て、クラシック制作ディレクター。クラシックのコンピレーション・シリーズで「日経WOMANウーマン・オブ・ザ・イヤー2006」ヒットメーカー部門受賞。現在はフリーで音楽ディレクターや音楽関連の翻訳業務を行っている。

 来たるべき終末に向けて世界中の種子を集めた貯蔵庫のように、菫色の小部屋は、この世界に絶対の安定をもたらした。
 丁寧にたぐりよせた美の種を、厳重に守り、慈しむ。
 それぞれの花が調和し、新しいメロディーを奏でるよう、まとめ上げるガーデナー。
 純粋な愛があふれ出る光源から、打ちのめされた魂を鼓舞し、生命をつないできた偉業を称える言葉が見つればいいのだけれど。

エッセイ「美の種子を護る者」より抜粋
『美少年論 Men Behind the Scenes』
『少林寺 Men Behind the Scenes II』

大串祥子|写真家 →HP
イートン校、ドイツ連邦軍の兵役、近代五種、少林寺など、秩序、階級、ルール、制服、不条理に彩られた男性社会を女性の視点から撮るプロジェクト「Men Behind the Scenes」を中心に活動中。著書に『Modern Pentathlon』(Ralf-Hellriegel-Verlag)、『美少年論 Men Behind the Scenes』(佐賀新聞社)、『少林寺 Men Behind the Scenes II』(リブロアルテ)。

 美しい蔵書やこだわりのしつらえ、茶器や紙アイテムが並んだ応接間に足を踏み入れた瞬間は忘れられません。懐かしいのに新しく、ガーリーなのにシック。なによりもノールさんの夢と情熱を感じ、感銘を受けたものです。  そんな空間で、お茶とワイン、軽食とお菓子をいただきながらの語らいは、上質で素晴らしいひととき。「菫色の小部屋」名物(?)アブサン・ファウンテンから注がれるアブサンは耽美の味で、文字通り陶酔しました。

エエッセイ「ペガサスのいる場所」より抜粋
花園magazine & 霧とリボン共同企画展
《Girl & Paper 女の子はお砂糖とスパイスと素敵な“紙モノ”でできてる!》
展示風景
『花園Magazine Vol.8』

ガーリエンヌ|編集者 →X
37歳・女性編集者、『花園magazine』主宰。カルチャー全般を愛し、食&酒、ファッション、音楽が特に好き。本業の傍ら小説やZINEを制作。漫画原作者として、集英社アプリ「マンガMee」連載『死にたい人妻と溺愛強盗』を手掛ける。
花園magazine

霧の間にひらめくリボンを追ひかけて訪へり菫色の小部屋を

 菫色の小部屋の話を、祖母から聞いたことがございます。
 小部屋を訪れた者は、それまで目にしたすべての菫色と、その後目にするすべての菫色を、見出すことになるのだそうです。
 ええ、わたくしも、だって菫色って一種類しかないでしょう、と聞きました。祖母は微笑んで、莫迦を仰い、夜に見る夢にひとつとして同じものがないように、この世の菫色にひとつとして同じ色はないのよと申しました。

短歌と物語「菫色の約束」より抜粋
短歌と物語「菫色の約束」リーフレット
記念コフレ『菫色の小部屋〜終幕のネセセール』収録
『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社)
『Lilith』(書肆侃侃房)

川野芽生|歌人・小説家 Linktree
2018年、第29回歌壇賞受賞。第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房、2020年)にて第65回現代歌人協会賞受賞。小説集に短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社、2022年)、掌篇集『月面文字翻刻一例』(書肆侃侃房、2022年)、長篇『奇病庭園』(文藝春秋、2023年)がある。
12月にエッセイ集『かわいいピンクの竜になる』(左右社)刊行予定。

その際、「霧とリボン」さんのホームズ紅茶のリニューアル版が、新訳付きオーガニック紅茶《221Bシリーズ》の「ホームズ&ワトスン」と「ホームズ&モリアーティ」として販売されることになりました。 それに付属する冊子に、シャーロック・ホームズ正典の一部を翻訳させて頂くことになりました(前者は「赤毛連盟」、後者は「最後の事件」)。 それまでホームズ・パスティーシュやコナン・ドイルの正典以外の作品は翻訳したことがありましたが、正典そのものは手がけたことがありませんでした。それが、短い抄訳とは言え翻訳することができたのは、実に貴重な機会を頂きました。 このオーガニック紅茶セットはシャーロッキアン友人たちにも配ったのですが、たいへん喜ばれました。

エッセイ「霧とリボンとわたし」より抜粋
北原尚彦|抄訳『赤毛連盟』
新訳付きオーガニック紅茶《221Bシリーズ》
「ホームズ&ワトスン」収録

北原尚彦|作家・翻訳家・ホームズ研究家 X
1962年生まれ。青山学院大学理工学部物理学科卒。小説『ジョン、全裸連盟へ行く』、翻訳『モリアーティ秘録』(キム・ニューマン)、エッセイ『シャーロック・ホームズ秘宝の研究』ほか著作多数。『ミス・シャーロック』等ドラマ監修も。『シャーロック・ホームズの蒐集』及び『シャーロック・ホームズ語辞典』で日本推理作家協会賞候補。『シャーロック・ホームズの古典事件帖』及び『シャーロック・ホームズ語辞典』で日本シャーロック・ホームズ大賞受賞。最新刊『初歩からのシャーロック・ホームズ』。

 専門的で常連の方が多くいるような場所というのは、ギャラリーに限らずどんな世界でも、初心者が入りにくいコミュニティが出来がちだと思いますが、菫色の小部屋は初めて訪れた時から、そうした疎外感をまったく感じることがなく、誰に対してもあたたかく心配りして迎えてくださるノールさんのお人柄がそのまま反映されたようなウェルカムな雰囲気に満ちた場所でした。 こだわりが凝縮された空間にも関わらず、誰にでも開かれた場所であること、そのスタンスに感動するだけでなく、とても共感したことを覚えています。

エッセイ「それぞれの菫色の小部屋」より抜粋
2020年オンライン開催
熊谷めぐみ & 霧とリボン共同企画展《ディケンジング・ロンドン》展DM
内林武史|物語の街
巻頭エッセイ|熊谷めぐみ
2023年11月開催 霧とリボン企画展
《植物と香りのネセセール〜マリアンヌ・ノースの旅》DM
合田ノブヨ
「まだ見ぬ花を…!」〜マリアンヌ・ノースへ寄せて

熊谷めぐみ|ヴィクトリア朝文学研究者 →Blog
子供の頃『名探偵コナン』からシャーロック・ホームズにたどり着き、大学でチャールズ・ディケンズの『互いの友』と運命の出会い。ヴィクトリア朝文学を中心としたイギリス文学の面白さに魅了される。会社員を経て大学院へ進み、現在はディケンズを研究する傍ら、その魅力を伝えるべく布教活動に励む。モーヴ街5番地、チャールズ・ディケンズ&ヴィクトリア朝文化研究室「サティス荘」の管理人の一人。
X|@lond_me

黄昏が瞼をうっすらと開けるころ
巡礼者たちは花を手に
しずしずと列をなし菫色のヴェールをくぐる
小さな神殿の奥深く、秘密の祭儀を行うために

詩「菫信仰」より抜粋

 もちろん、どんな場所にも終わりはやってくる。だが「霧とリボン」というギャラリーが、この時代においてカルチャーの一潮流を生み出したことは間違いないと思っている。仮に「菫派」とでも言おうか。 わたしは、小部屋に気鋭の作家たちが集まり、目の前で芸術を練り上げ、語り、一つのうねりを生み出すのを目の当たりにし、芸術の歴史とはこうやってつくられるのだと知った。 しかし、この出来事を書物に記すには早すぎる。なぜなら、菫色の歴史はまだまだ終わらないからだ。

エッセイ「ある聖域について」より抜粋
詩「菫信仰」リーフレット
記念コフレ『菫色の小部屋〜終幕のネセセール』収録
ZINE『翼の在りか』
2021年オンライン開催
霧とリボン 企画
鳩山郁子著作刊行記念オマージュ展
《羽ばたき Ein Märchen》にて発表

嶋田青磁|詩人・フランス文学修士 →note
19世紀末の頽廃・優美さを求め、研究の傍ら詩・小説などの執筆活動中。専門はピエール・ルイスと19世紀フランス文学における身体論。オンライン上のストリート「モーヴ街」では、図書館「モーヴ・アブサン・ブック・クラブ」にて司書をつとめている。

 その後、ノールさんから吉祥寺にご自分のギャラリー《霧とリボン》を始めた、とお知らせをいただきました。《アリスの遺髪》にも「え、それ本物?偽物?」と悩ませられましたけど「霧」と「リボン」って? どういう繋がりなのでしょうか? 雑誌「バイブル」「ケラ!」ではファッション写真の脇に載せるポエム(と呼んでました)をたくさん書いて、読者を陶酔させてきた私ですが、《霧とリボン》だなんてミステリアスな名前を付けるセンスは、全く持ち合わせていなかったのです。

エッセイ「菫、アリス遺髪。そして《霧とリボン》」より抜粋
佐藤すみれ 1stフォトブック『すみれ色の魔法』
編集|鈴木真理子
『すみれ色の魔法』刊行記念
霧とリボン企画展「すみれ色の魔法の小部屋」DM

鈴木真理子|編集者 X
雑誌『ケラ!』『ゴシック&ロリータバイブル』『ケラMANIAX』創刊編集長。現在はフリーランスとして美術館の公式本、カルチャー系、ロリータ系の書籍を編集。

Sugar, forgive me
given this situation
I ask for one thing
A scent of evanescent
that wraps my anaemic
reason, dead in the season
my petals fade and drop,

許してね、愛しい人
こんなことになると
願いはひとつ
わたしの貧血の知性
を つつむ つかの間の
香り、季節のうちに
死す 色あせて落ちる 花びら、

詩「Parfait Amour[パルフェ・タムール]」より抜粋

 スコットランドでは、どの街にも魔女がいる。北の険しい山間の方の小さな町や村では、箒に乗ってとんがり帽子をかぶった絵姿の看板を吊るしたお店をたまに見かけた。たいてい、薬草や香料の瓶が棚に並べられていて、虹の端から端までの色をそろえた鉱物があったり、奇妙な形の蝋燭があったり、どこか遠い国の織物があったりした。

エッセイ「魔女たちの香り」より抜粋
詩「Parfait Amour パルフェ・タムール」リーフレット
記念コフレ『菫色の小部屋〜終幕のネセセール』収録
エッセイ「魔女たちの香り」も別仕様で同コフレに収録
『SAPERE ROMANTIKA』
(paper company)

高田怜央|翻訳者・詩人 →Linktree
1991年、横浜生まれ英国スコットランド育ち。上智大学文学部哲学科卒。主な翻訳に、映画「PERFECT DAYS」(制作・脚本・英語字幕、2023年)がある。英日詩に第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』(paper company、2023年)、「FUTURE AGENDA [未来の議題]」他 二篇(『ユリイカ 』2023年3月号、青土社)、「AFTER YOU[あなたの跡]」(読売新聞 11/24・夕刊 、2023年)など。

 そしてこの小部屋があったからこそ、少女性をテーマにした「少女の聖域」という展覧会の開催が叶えられたのだと思っている。こちらも2020年の初回から「跳躍と疾走」「魔法大全」「真昼の月」と今年で4回を数えた。
 コロナ禍でオンライン展示となった中、私の武器であるテクストを縦横に駆使して作品を紹介する機会を与えてもらったことが、その後の自分の文章力の糧となったのは間違いない。高柳の感性を尊重して出展する作家を自由にセレクトさせてもらえたことにも、本当に感謝している。  

エッセイ「遥か美の名の下に」より抜粋
2020年オンライン開催
高柳カヨ子プロデュース展《少女の聖域》DM
トレヴァー・ブラウン|ribbon
2021年オンライン開催
高柳カヨ子プロデュース展
《少女の聖域vol.2〜跳躍と疾走》DM
トレヴァー・ブラウン|幻走

高柳カヨ子|精神科医・元法医学教室助手・少女批評家 note
東京上野で生まれ育ち、東京理科大学理工学部応用生物科学科・信州大学医学部医学科卒業。法医学教室でDNA鑑定を専門とした後、精神科の臨床に進む。Bunkamuraギャラリー「新世紀少女宣言」キュレーション/『夜想ーゴス特集』インタビュー/『夜想ー少女特集』評論/『S-Fマガジンー伊藤計劃特集』アーバンギャルド論/パラボリカ・ビス「アーバンギャルド10周年記念展」キュレーション/gallery hydrangea 「『少女観音』〜12人のアーティストが描く篠たまきの幽玄世界」キュレーション。
あらゆる時代と時間を超えた少女たちに捧げる少女論「少女主義宣言」をnoteにて連載中。霧とリボン運営の会員制社交クラブ《菫色連盟》にてトークサロン「少女の聖域」を主宰、「少女性」をテーマに展覧会《少女の聖域》を定期開催している。

「月の位置が綺麗なので
まだ眠りたくないと思っている」
ニガヨモギと名付けられたわたくしの常である。

詩「DU VERT AU VIOLET」より抜粋

店先の鉢植えのお花たち(独自の花言葉で書翰を交わしているところの)、室内のストライプの壁面と美術作品、シャンデリア、そこここのリボン、蓄音機の音楽、調度品、香り、ファッション・プレートや書物。あの「菫色の小部屋」の光景の思ひ出はわたくしたちの裡で生き存え、思ひ出の処方箋に有効期限はなく、苦しいときはいつでも自分で自分に「秘匿の処方」をすることができますでしょう。

エッセイ「Hommage au boudoir violet」より抜粋
詩「DU VERT AU VIOLET」リーフレット
記念コフレ『菫色の小部屋〜終幕のネセセール』収録
玉田優花子 & 霧とリボン ファッション・プレート集
『MODERN MAUVE FLAPPER』

玉田優花子|フランス語非常勤講師・翻訳家・詩人
かつては19世紀末フランス詩の研究を志していました。現在の専門はフランス語教育ですが、詩への関心、言葉への愛は変わらずあります。霧とリボン様との主なコラボレーションは、ポール・ヴェルレーヌやテオフィル・ゴーティエの詩の翻訳、リアーヌ・ド・プジィ編集雑誌記事の抄訳、ファッション・プレートの物語の執筆など。

 菫色の小部屋と名づけられたその場所を思い出すとき、わたしの愛するさまざまな色もまた脳裏をよぎるのでした。 たとえば菫色、魔法の宵の空の光、ガラスの島で作られる玻璃のきらめき、甘やかなジェラート。たとえばアブサン色、運河の水面、白い孔雀のいる庭園の木々、レモンが香る麦酒の瓶。あるいは緋色、藍色、煉瓦色、黄金(こがね)色。 わたしがここ数年どっぷりはまっているイタリアの水の都ヴェネツィアは、あまたの色であふれています。

エッセイ「すべては輝ける色の午后に ~菫色の小部屋の終幕に寄せて」より抜粋
エッセイ掲載のヴェネツィアの風景
撮影|丹所千佳
『京をあつめて』(ミシマ社)

丹所千佳|編集者 →X
1983年、京都生まれ。東京大学文学部卒業(美術史)。単著に『京をあつめて』がある。2017年に突如ヴェネツィアにはまる。

エッセイ「菫色集」リーフレット
記念コフレ『菫色の小部屋〜終幕のネセセール』収録
『深い瞳を鋭くして』(合同会社彗星通商)

森 大那|作家・『彗星ブッククラブ』主宰 →YouTube
1993年東京生まれ。早稲田大学卒業後、2016年より文芸誌『新奇蹟』にて小説・詩・批評を発表。2018年よりWebサイト『彗星読書倶楽部』を開設し、読書会を主催する。2021年より、文学作品を解説するYouTubeチャンネル『彗星読書倶楽部』開設。2023年6月、作品集『深い瞳を鋭くして』刊行。同年11月より、【オールインワンの読書体験】を提供するオンライン書店『彗星ブッククラブ』を開設。

 菫色の小部屋への招待は手書きのお手紙で始まりました。

「お友達がやっている《霧とリボン》というアクセサリーブランドのカードです。吉祥寺で期間限定ショップをやっていてすごーく耽美な空間なのでよかったら行ってみてね」

 雨宮まみさんからのお手紙でした。はじめて行くときは迷うかも、と出不精な私を彼女が連れて行ってくれることになりました。

エッセイ「モーヴ色のとばりの向こう」より抜粋
両性具有香水(2019)
2019年開催
霧とリボン ホームズ・パスティーシュ企画展
《菫色連盟の事件ファイル》
ヨネヤマヤヤコの事件ファイル「菫色香水事件」

ヨネヤマヤヤコ|イラストレーター・ムエットエッセイスト →Blog
香りの世界を偏愛するイラストレーター兼ムエットエッセイスト。カルチャー・ソロリティ《菫色連盟》にてサロン「香水談話室」を主催。現在はモーヴ街6番地にあるブライオニー荘に隠匿中。
X|@yoneyacco

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