少女の聖域vol.2〜跳躍と疾走

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少女の聖域vol.2|DAY 6

少女の聖域vol.2|DAY 6

Text|KIRI to RIBBON  透き通った青空から、濃い影を落とす陽射しが降り注ぐ夏——まぶしい緑がモーヴ色と出会う聖域に、少女たちは佇んでいました。  6日間に渡りオンラインでお届けしてきた霧とリボン企画 高柳カヨ子プロデュース《少女の聖域vol.2〜跳躍と疾走》展は、本日無事閉幕致しました。  会期中は11名のアーティストの多彩な作品45点をご紹介致しました。ここオンライン・ギャラリー「MAUVE CABINET」はいつでもどこからでもご覧頂けます。ぜひ

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少女の聖域vol.2|霧とリボン|薄闇を駆ける

少女の聖域vol.2|霧とリボン|薄闇を駆ける

Text|Kayoko Takayanagi  ポプリ。この可愛い語感の言葉は、仏語で”ごった煮料理”を意味する「pot-pourri」に由来するという。花や香草、香辛料や精油などを混ぜ合わせ、壺などの容器の中で熟成させて作る室内香は、英国ではエリザベスⅠ世の時代に大流行したとのこと。  日本では70年代後半に紹介されて後、生活の中で身近な存在となった。  ポプリというと、材料を混ぜただけのものと考えていないだろうか。  実はポプリに於いて一番重要なのは「熟成」という

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少女の聖域vol.2|DAY 5

少女の聖域vol.2|DAY 5

Text|KIRI to RIBBON  夏の倦怠は追憶の手触りのよう——思い出の風景に鮮やかな影を落とす少女たちが待っていました。菫色の門をくぐり、《少女の聖域vol.2》展DAY 5を訪れて下さいました皆様に御礼申し上げます。 * * * * *  青空の下、吸い込まれそうな漆黒の瞳で私たちをまっすぐ見つめるきむらももこ様の少女たち。後藤きき様のモード作品では、少女たちの夢とメランコリーが木馬と一緒に回ります。  終幕が近づく菫色の聖域には、夏の濃い影を跳

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少女の聖域vol.2|後藤きき|ファンタスティック・ロマンティック

少女の聖域vol.2|後藤きき|ファンタスティック・ロマンティック

Text|Kayoko Takayanagi  回転木馬に観覧車、そしてジェットコースター。  遊園地の乗り物は少女に速度や高度を与えてくれる。  さらに速く、もっと高く、少女の聖域に到達するまで。  少女の戦闘服はロリィタだけではない。  Tシャツだって立派な正装だ。ビッグシルエットに決意を秘めて、フリルとレースで武装する。ほら瞬く間に少女に相応しいドレスになるではないか。  涼しげにワンピースのように着てもよいし、パンツにもスカートにもバランス良く合わせやすい。シ

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少女の聖域vol.2|きむらももこ|あの日の夏空

少女の聖域vol.2|きむらももこ|あの日の夏空

Text|Kayoko Takayanagi  記憶の中の少女はいつも風に吹かれている。  抜けるような青い空。積乱雲に飛行機雲。降り注ぐ日差し。  光が強い分だけ、影が濃くなる。  いつか見たはずの風景の中に立つ少女は真っ直ぐこちらを見つめているが、その瞳には誰も映っていない。  それは存在しない記憶だから。  「いつかの風景」と名付けられた2つの作品。  そこに描かれているのは、つばの広い麦わら帽子を被り黒いワンピースを着た少女である。襟に付いた白いフリルやレー

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少女の聖域vol.2|DAY 4

少女の聖域vol.2|DAY 4

Text|KIRI to RIBBON  緑まぶしい夏の一日、しばしのお休みからふたたび聖域の扉がひらきました。本日より《少女の聖域vol.2〜跳躍と疾走》展の会期後半がスタート。それぞれの少女たちがメッセージを豊かに放つDAY 4の小部屋を訪れて下さいました皆様に感謝申し上げます。  オンライン在廊中のプロデューサー高柳カヨ子先生の力強いメッセージと毎日変わる素敵なコーディネートと共に、作品鑑賞をどうぞお楽しみ下さい。 * * * * *  メランコリック

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少女の聖域vol.2|monomerone|祈りのかたち

少女の聖域vol.2|monomerone|祈りのかたち

Text|Kayoko Takayanagi  ブランドのアイコニックな存在である、Tiny Sacred Heart。  架空のアンティークを標榜するmonomeroneの作品の中でも、少女性が際立つ作品だ。不在の少女の持ち物に相応しいこの手の込んだ美しい聖心は、ひとつひとつ異なる意匠で創られている。  中でも霧とリボン限定のスミレや菫色を用いた作品は、殊の外柔和で可憐な面持ちを持つ。新しく金色の手のモチーフが描かれたものは、さらに祈りの要素が加わり、まるで優しく抱

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少女の聖域vol.2|Miss Moppet Dolls|どんな魔法よりも

少女の聖域vol.2|Miss Moppet Dolls|どんな魔法よりも

Text|Kayoko Takayanagi  ボーイッシュという形容は少女には似合わない。  少女ははじめから性別も年齢も超えているものなのだ。  少女を心に抱く人は誰でも少女を名乗る権利がある。   Miss Moppet Dollsが生み出す、ビスクで作られた球体関節人形。  アブサン色の瞳を持つそのドールは、相棒のウサギと共に戦う魔法少女だ。ショートカットの髪をなびかせ、誰よりも速く走り、誰よりも高く跳ぶ。  魔法のステッキはなくてもかまわない。強い味方のぬい

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少女の聖域vol.2|DAY 3

少女の聖域vol.2|DAY 3

Text|KIRI to RIBBON  訪れたいと思った時に、いつでも辿り着ける場所。内なる少女を自由に羽ばたかせることのできる場所——今日も菫色の聖域の扉が開かれています。  《少女の聖域vol.2〜跳躍と疾走》展DAY 3をお楽しみ下さいました皆様に感謝申し上げます。 * * * * * *  臈長けた精神性がヴェールのように白磁の肌を覆うruff様の少女。少女でい続けることを強い意志で選択するKarte様の少女。モーヴ色の空間で、それぞれの少女たちが

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少女の聖域vol.2|Karte|傷痕の記憶

少女の聖域vol.2|Karte|傷痕の記憶

Text|Kayoko Takayanagi  怒り、悲しみ、憤り、不安。  閉じ込めておきたい思いや辛い記憶は誰にだってある。大人になることでそれらを手放してしまったら、傷付いた少女は何処に行けばいいのだろう。  他人と同じようにできない。他人に合わせることができない。どうしてできないのと言われても、わからない。これが自分だから。  歩調を合わせることができないから、一人で居残りをさせられる。誰もいなくなった教室で。誰もいない広い部屋で、たった一人で少女は過ごす。

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