少女の聖域vol.2|monomerone|祈りのかたち
Text|Kayoko Takayanagi
ブランドのアイコニックな存在である、Tiny Sacred Heart。
架空のアンティークを標榜するmonomeroneの作品の中でも、少女性が際立つ作品だ。不在の少女の持ち物に相応しいこの手の込んだ美しい聖心は、ひとつひとつ異なる意匠で創られている。
中でも霧とリボン限定のスミレや菫色を用いた作品は、殊の外柔和で可憐な面持ちを持つ。新しく金色の手のモチーフが描かれたものは、さらに祈りの要素が加わり、まるで優しく抱かれているかのようだ。
今回も作品は、monomerone自身が撮影した美しい写真で紹介される。ロザリオと共に静かに佇むその姿は、新たな持ち主に出会うまでのひとときの微睡みに浸っているようにも思える。
ブローチとしてもペンダントとしても着用できるこの作品は、とても軽くまた繊細に見えながらも扱いやすい。
触れるとほんのり温かみを感じるTiny Sacred Heart。
架空の元の持ち主に想いを馳せながら、大事なお守りとして身につけてほしい。
そしてこのたび新しくラインナップに加わったピアスとイヤリングは、どちらもmonomeroneならではの独創的な意匠である。
少女のルリケールとしてドームの中に収められているのは、バレエシューズやテディベア、そしてクロス。アンシンメトリーなモチーフは、片方に純白の薔薇が永遠に時を止めて咲き誇る。
封印されたルリケールの下には、水晶とリボンが揺れている。
天然故にそれぞれ異なる形の水晶は、魔除けとして持ち主を災厄から守るだろう。
細いリボンにはブランドのロゴ。白薔薇の下で蝶結びされたリボンは、それぞれのルリケールに対応した色の組み合わせとなっている。バレエシューズには幼気なピンク、テディベアにはハンサムなパープル、そしてクロスには敬虔なホワイト。
宝石箱の中にそっと大事にしまっておかれた、美しく可愛いものたち。聖域の大切な記憶。
少女なら愛さずにはいられない。
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monomerone|クレイ作家 →Twitter
架空のアンティーク・ブロカントショップ monomerone—モノメローネ—と申します。「元の持ち主」であるどこかの誰かの一日の物語が詰め込まれた様々な意味をもつアクセサリーを販売しています。
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作家名|monomerone
作品名|Tiny Sacred Heart(5種)
樹脂粘土・レジン・メタルパーツ・ガラスビーズ
作品サイズ|
[ダガー]全長約7cm
[ティアドロップ]全長約6cm
制作年|2021年(新作)
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作家名|monomerone
作品名|囁くルリケール(イヤリング or ピアス)
樹脂粘土・ガラスドーム・樹脂粘土・シルクリボン・メタルパーツ・ガラスビーズ・天然石(水晶)
作品サイズ|約9~10cm(シルクリボン含む)
制作年|2021年(新作)
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