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自分の殻に閉じこもって考えた死のこと

自分の殻に閉じこもる話 その2


殻に閉じこもるのは簡単で、しかも自分は極力傷つくことは無い。
「あのひとは扱いにくいから」と言って、他人も次第に自然と離れていくし、簡単に孤独になることができる。

ひとと接していると、なにかしら自分を削ってしまわないといけないことがあるんだが、そんなことも必要がない。


例えるなら
めちゃくちゃ節約して生活しているようなものだ。
いくらか遊べるお金は持っているつもりなのだけど、別に行かない、特に行きたくない、家にいて寝ていればすぐに明日がやってきて、週末も寝て過ごすとすぐに明ける。また仕事をしたらいい。
そうしていると、お金も使わなくって済むだろう。

という考えに近い。

「身を削ってまで、お金を使ってまでして誰かと会って話してなどしたくない」というわけだ。


なるほど考えたな。

いやいや違うよ、考えていないから殻に閉じこもるしかないのだ。


ずーっと節約生活をしているとどうなるか。
お金が溜まる?いろんなところに行けて、いろんな場所の美味しいものが食べられる?欲しいものが手に入る?

いや、そんなことはない。
ずっと節約し続けても特にお金も溜まることはないし、遠くに旅行などもすることはないだろう。
連休が来月あるなぁとか、今年のお盆はどうしようかな、秋は何か食べにでも行こうかな…。
なんて、くどくど考えているうちに、今年も「クリスマスは出勤でいいです」なんて職場に伝える季節になって、気がついたらもう年末年始のことを考えて、年末年始に帰るのは高いからなんて言って、どこもお店は空いてないからと、寝正月を寒い寒いと言いつつ過ごしたりするのだ。結果的に「今年もまた何もしなかったなぁ」なんて言いながら、今年の目標なんて決めたって無駄だなと年始から思ったりする。





僕はそれに気付いてしまった。
ああ、「殻に閉じこもるって惨めだな」とそう感じたのだった。


そう思った時に、じゃあ死のうかと考えるひとは多くいるだろうが、「死んだって殻に閉じこもったまま」なのである。
サザエの壺焼で、身をフォークか何かでぶっ刺して、力の限りにグイッとしないとなかなか出てこないアレに似ている。



だし、死ぬことを思うのはそもそも良くないことだ。もったいないじゃないか。まだ生きているんだし、わりと健康だ。考えられる限りは次の一手を考えて、三手先も読むといい。今のことを考えて「無理だダメなんだ」と思うにはまだ早いというわけだ。

だし、人間って放っておいてもなかなかどうして生きているものである。しばらくご飯を食べなくったって痩せないのがそれを物語っている。


つまり、“なかなか死ねない”わけである。
死のうと思って一切飲み食いしなかったとしても3日は生きているということになるだろう。それはつらいな。

と、いろいろ考えていると思いついたのである。

「死ぬ」ということは、「なかなかに重労働」なのだと。


言うなればだよ。

死のうと思っていろいろやれるのであれば、それなりの重労働だって平気でこなせるとも言えるということだ。(我慢すれば)


女性が強いのはそのためだとも言える。
出産を経験した女性は痛みに非常に強いのだとか。
出産の痛みは痛みの強さで言うと1以か2位を争うくらいに痛いのだとかで。だから、それ以下の痛みなんて「アレに比べりゃ鼻くそみたいなもんよ」となるのだと。

女性は強い。


え、じゃあ。死ぬってこと考えられるなら、何だってできるだろ。と、そう思ったわけだ。

そもそも真剣に死ぬことを考えたわけではないのだが、世の中には「死ぬ」ということをチョイスするひとが無数にいるわけで。
どうしようもない状況になるとパパッと簡単に「死」の文字が頭をちらつくのだな。

いやしかし、よく考えると分かる通りだ。
死ぬなんて最大の難関を今すぐに目の前に持ってくると、どうしても避けて通りたくなるだろう。

死ぬくらいならもっとやるべきことはあるし、死ぬくらいならもっとできることはある。
死ぬ前に食べたいものだってあるだろうし、死ぬ前には行ってみたいところだってある。
死ぬ前に見ておきたい事だってあるし、死ぬ前に一度は聴いておきたい音楽だってあるはずだ。
死ぬ前に会いたいひとだっているわけで、死ぬことを考えたらもうちょっと真剣にひとを好きになったっていいだろうと思える。


この先チャンスがあれば全部できるよ、と言われるよりも。
チャンスなんてどんどん減っていくんだから、やりたいことは生きているうちにやった方がいいと、思う方がいい。



終わる事を考えると、なぜか人間もったいないなぁと思うチカラを生きるチカラに変えたまえよ。




やれることはやっておこう、これからの僕は。

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