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やってみるとわかる仕事

学んでみるとわかる事と、やってみてわかる事がある。

僕らはなんでもかんでも短距離で物事を済ませてしまおうかと考えがちなのだけど、自分の考えている事が突然うまくいっても、それはそれでよくわからない事がある。

たとえば、「お惣菜」なんかそうだ。お惣菜!?と思うだろう。

お惣菜というのは、お金を出してしまえば簡単に手に入る。そのまま食卓に出してしまったらそれで完成するのである。
しかし、それを食べたからと言ってそれと同じものが自分で作れるとは限らない。


いくらか再現しようと試みる事はできるのかもしれないけど、完全に同じものが作れるのかというとそうでもないわけである。

同じものを作ろうと思ったら、事細かに教えてもらわないといけない。

コーヒーを入れる時も、絵を描く時もそうである。
すぐに完成されたものを手に入れようと人はするのかもしれないが、まず何かをやろうと考えた時にやりはじめて3日とか1週間やってみるとうまくいくようになるとか、“コツが掴める”と思わない事である。

とりあえずできる行動としては、「まずは自分でやってみる事」で、それからうまくいかないところをベテランの人に聞いてみるなどした方がいい。僕はまだそっちの方がうまくなるための近道なんじゃないかと思う。

僕も靴磨きをしていて、極々たまーにこんな質問を受ける。
「毛の抜けない良いブラシとか、売ったりしてない?」
いや、ウチはそもそもブラシ屋さんじゃない。
だし、良いかどうかは使ってみないとわからない。最初はいいと思っていても後々になって使いにくいなと思う事だってあるし、毛の抜けるブラシだって使いやすい形や大きさのものがある。

僕もいちばん最初に買ったブラシは、今じゃ大きすぎて使いにくいなと感じるし、毛だってバサバサと抜ける。質としてはあまり良くないと言えるのかもしれないけど、それよりも使いやすいものに出会っていないから今でも使っている。


それに毛の抜けない良いブラシって、冗談抜きで本当に良いブラシだ。
僕も偶然見つけたのだけど、東京のかっぱ橋で買ったものだ。有名なところだと「江戸屋」さんがあるが、少々値段がお高いのも知られたところである。
そういうちゃんとした職人さんが作ったものだと毛は抜けなくて良いものなのだが、そう、靴が一個普通に買える値段がするのである。


その辺の使いやすさみたいなものは、それこそ使ってみないとわからない。

座学で学んでみるだけでわかるんだったら、みんな商売してるよって話なんだと思うんだ。

そういうことわざあったな、なんだっけ…。

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