ボヘミアンラプソディな人生の中を生きている
金曜ロードショーで『ボヘミアンラプソディ』を久しぶりに観た時、そこに映るフレディの等身大の姿が自分に重なった。
そしてペンを執るように、ふとこんな時間にブログのページを開いた。
家族、恋人、ストレス。
ずっとそれに対する向き合い方がまるでフレディのようだった。
その結果、今の私の手元には何も残らなかった。
全部を手に入れたようなフリをして、その全部を失った。
当時、映画館で『ボヘミアンラプソディ』を一緒に観たのは母だった。
荒んでいた時のフレディの姿について
「ストレスの果て、こうするしかなかったんだね」
「寂しさを埋める選択肢に家族がいなかったんだね」
「だけど彼は周りに恵まれてて、最終的な選択は間違えなかったね」
と映画の帰り道にそう言っていた。
その時の言葉が、今とても胸に突き刺さる。
フレディのアーティスト人生は短い中で波乱万丈だった。
私ももうすぐ20代を終える年齢になった中、大学を卒業して社会人になってからの今日までの日々は、本当にひどいものだった。
いい子のフリや大丈夫なフリをし続けていただけで、家族は私にとって苦しい関係だったし、周りの友達が結婚していき家族や親戚からも早く結婚しなさいと言われる中、結婚し家庭を持つことに迷いしかなくてもどかしくなっていた日々。
その上、仕事も大変だった。
1つ目の職場では予期せぬトラブルに巻き込まれて、外傷を受けて一時的に働けなくなった。
2つ目の職場では慣れない仕事が最初はうまくいかなくて、何度もくじけそうになりながら一生懸命もがき、少し光が見えてきた頃に同じ部署の既婚者の先輩2人に言い寄られて、仕事環境を守りたい一心だった私はそれに対してしっかりと断り切れなかった。
2つ目の職場で勤務を始めた頃に付き合い始めた彼氏は束縛と執着の人で、その恐怖感に負けて結婚をしたけれど、1年も持たずに崩壊した。
そして今。
旦那は私との結婚生活がうまくいかなかった原因を言い寄った職場の既婚者2人のせいにして怒りをこみ上がらせ、ぶつけている。
大分酷かったメンタルは落ち着いたけれど、まだその渦中にいる。
「ボヘミアンラプソディ」で、メアリーの言葉に目を覚ましポールと決別した後、ポールがTVの中フレディの悪口を沢山言っている様子を、まるで燃え尽きた後のようにぼんやりと眺めているフレディのよう。
きっと今の状況では、まだライブエイドに出たいと連絡はできないし、家族でもあるメンバーに連絡を取れない。
…実際友達とは連絡を取っていない。
今はただ燃え尽きた灰と煙の中で、ゆっくりと自分を見つめ直し取り戻そうとしているところ。
私の周りにはポールが3人もいる。
…会社の同僚2人と、旦那。
そしてクイーンとジョンリードとマイアミビーチとメアリーの存在にあたるのは苦しい関係にあった家族だったと気が付いた。
必要な時に忠告・修正・呼びかけをしてくれていたのに、ストレスや孤独感でいっぱいだった当時の私は聞く耳を持てないまま、ポール達に引きずられていった。
けれど、ポール達を憎むことはあるけれど嫌いになれない…。
ちゃんとそれを話し、家族はその気持ちを一旦受け止めてはくれた。
実際それぞれ3者3様のクズであるといえば、本当にそうだと思う。
開き直るように「私は被害者だ」と言えたら本当は楽なのかもしれない。
でも、あの時の孤独感を埋めてくれたし助けてもらったと思っている自分も間違いなくいて、今はやり場なく本人に伝えることも出来ないこの気持ちをずっと抱え込んで、まるで失恋したかのように苦しくなっているのも事実。
今もクズなポール達は保身に走っている。
そんな人達に思う気持ちがある自分が愚かで惨めで情けない。
一方でそうやって正直に思える自分は人としてまだ腐り果てている訳ではないんだなと思う時もある。
そう言い聞かせながらも、目の前の現実に怖くなって不安になってダメになって荒んで、自己嫌悪に苛まれて気持ちを強く持てない日もあるけれど…。
波が大きく立ってしまう感情の中で観た「ボヘミアンラプソディ」。
あまりにも丁度良いタイミングで、誰かから「これを観て本当の自分を思い出しなさい」と言われているような気がした。
今は少しでも早く、良い明日を見れる自分になりたい。
今の状況を終わらせて、未来の道が繋がっているところにちゃんと戻って、もう一度人生をやり直す気持ちで、自分の気持ちに正直になって本当の意味での幸せを見つけ出したい。
この今は今だけでも、目の前にある状況を「Nothing really matters to me. Any way the wind blows.」と心から言いたい。
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