見出し画像

販売強化だ!と言われても。。

具体的な、部署の年間方針を
示すに当たって、いろいろ考えを巡らせる。

経営陣からの指示が「利益確保」であれば、
仮に卸売りで多少の純売上が減少したとしても
経費を削って「利益を確保」すればいい。

いわゆる、「減収増益」。

何かあった際、
「利益確保重視」という認識に立って、
それを判断基準とする。

念のため、そういった言い訳の準備もしておく笑


とにかく、優先すべきは
店頭販売をどう伸ばしていくか、が
大きなカギになる。


店頭での売上は
購入単価) X (買い上げ点数) = 「店頭売上」
となる。

店頭売上を上げるには、
「購入単価を上げる」
「買い上げ点数を増やす」
しかない。


そして、
「購入単価を上げる」には、

  • 高額商品を扱う

  • 価格軸以外の提案力を上げる

  • 戦略的VMDを実行する

これらを行い、
「買い上げ点数を増やす」には、

  • 入店客数を上げる(声がけ、VMD)

  • 買上率を上げる

これらができれば、
必ず上がる。

その他には、既存売場以外で
ポップアップショップなどイベントを実施することでも
売上を伸ばすことができる。


いずれにしても、営業職は常に店頭にいるわけではないので、
重要なのは、店頭にいる「販売スタッフ」

営業にはその販売スタッフと
「目標を共有し、やる気を維持させる」ことが
求められる。

更に、「購入単価を上げ」、「買上点数を増やす」ために
すべきことを教育指導する知識と能力が求められる。


当時の営業人員は、
20代が1名、
30代が1名、
50代が3名、
60代が1名、
という年代の構成で、
ボストンレッドソックスの吉田選手ビックリの
きれいな逆三角形の超マッチョマン。

それまで
そういった視点で営業活動を行っていなかったようで、
全てをやるのは、無理だ。。


そこで、やることを絞った。


先ず、一つひとつ解決していくと、

「高額商品を扱う」。これはカンタン。

次のシーズンから、
・一定規模の人口がいる都市
・一定の面積以上でブランドのイメージを前面に出している什器(お店の棚や壁など)を導入している

この条件を満たした店舗は、ひとつ頭を抜けた高額品を
何点か導入するようルールを決めた。

「価格軸以外の提案力を上げる」は、

既にできている販売スタッフが少数いたことと、
営業が事情をよく理解した上で、販売スタッフと
打合せる必要があるため、

後回し。


「戦略的VMDを実行する」は、

いわゆる、「ヴィジュアル・マーチャンダイジング」というもので
「時期・期間・ブランド訴求・販促策・商品特性」などを
加味して、什器配置、商品の棚割りを決定し、ディスプレイを行うこと。

これは、20代以外、絶対ムリ。
逆に、わたしと20代の営業で全体をサポートする形をとる。

また、戦略的VMDが実行されている売場の写真を
各売場に共有することで、少しでも販売スタッフに
意識してもらうことにした。


そして、
「入店数を上げる」も「買上率を上げる」も、
声がけや雰囲気づくりなどの接客技術に関わる点、

またVMDに関わる点のため、
各営業人員には多くを求めず、
わたしと20代の営業で全体をサポートする形とした。


んー、目の前の現実を見ると、きびしぃ。。。


そして最後に、
「ポップアップやイベント開催の提案」が
残っている。

要は、店頭のサポートはこちらで引き取る一方で、
売上を伸ばしていかなければならないので

「イベントの提案くらいはできるよな、
それくらはやってくれるよな」

という、無言のプレッシャーを掛けながら、
伝えることにした。


これで、
売上関連については
店頭販売強化も含めた、
大まかな目標が設定できた。


営業とはいうものの、やってることは
スーパーバイザーのようなもの。

昭和のいい時代が今も続いているような
卸売り営業スタイルでは、全く、どうにもならない。

かといって、現代に対応しようと
学ぶ意識が皆にある訳でもない。

毎日頭を抱えながら、唸る日々。。。


聞くところによると、本当によかった昭和の時代は、
商品を納品し店頭に並べたら、接客しなくても、

お客さんが
「これ、ください」
と言ってくれるので

品出ししてお会計して、終わり、だったそう。

だから、営業は売場の場所取り合戦で、
如何に有利な立地を確保するか、が勝負で
担当者への接待攻勢によって、獲得した立地で
店頭販売や営業成績が決まっていた、らしい。

でも、そんな時代ってもう30年以上前の話だろ、と
思いつつ、「この30年間何してたんだ!」と
罵りたい気持ちを噛み殺し、

「いい時代だったんですね、今は令和なので
昭和とは違った攻め方でいきましょう!」

と鼓舞していた。



最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?