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「欧州を中心に小児の急性肝炎例の報告相次ぐ、日本でも疑い例が発生」

TONOZUKAです。


欧州を中心に小児の急性肝炎例の報告相次ぐ、日本でも疑い例が発生

以下引用

小児における原因不明の急性肝炎の報告が海外で相次いでいる。WHOは、4月23日、原因不明の急性肝炎の169例が、欧州及び北米で報告されたと発表した。また厚生労働省は、2022年4月25日、日本において、原因不明の小児の急性肝炎に該当する可能性のある疑い例が1例発生したと明らかにした。

4月21日時点で少なくとも169例報告されており、英国および北アイルランド114例、スペイン13例、イスラエル12例、米国9例、デンマーク6例、アイルランド5例未満、オランダ4例、イタリア4例、ノルウェー2例、フランス2例、ルーマニア1例、ベルギー1例だ。

 年齢は1カ月~16歳。17人が肝移植を必要とした。少なくとも1人の死亡が報告されている。

 これらのケースは肝酵素が顕著に上昇した急性肝炎例で、多くのケースで腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状、およびAST、ALTが500IU/L超の肝障害と黄疸が認められた。いずれのケースでもA型、B型、C型、D型、E型の肝炎ウイルスは検出されていない。

 少なくとも74例でアデノウイルスが検出されており、そのうち18例はF種(感染性胃腸炎を引き起こすとされる種)の41型と同定された。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は20例で同定され、SARS-CoV-2とアデノウイルスの同時感染は19例で検出された。WHOは、アデノウイルスが原因という仮説があるものの、患者の臨床像および重症度を完全に説明できないとしている。また、COVID-19パンデミック下において社会のアデノウイルスの広がりが低下したことによる幼児における感受性の亢進、新規のアデノウイルス出現の可能性、SARS-CoV-2との同時感染の影響など、今後さらに検討していく必要があるとしている。なお、患者の多くはCOVID-19ワクチン接種を受けていないため、ワクチンの副反応によるものという仮説は支持されていないとWHOは指摘している。

WHOによる症例の定義(2022年4月23日のWHOの報告より)
・Confirmed:現時点で該当なし
・Probable:2021年10月1日以降で、年齢は16歳以下、A型~E型の肝炎ウイルスの関与のない、AST、ALTが500 IU/L超の急性肝炎を呈する。
・Epi-linked(疫学的リンクのある事例):2021年10月1日以降に可能性例と接触のある、A型~E型の肝炎ウイルスの関与のない急性肝炎例。年齢は問わない。

 なお、この4月23日にWHOから示された暫定症例定義は、4月20日に厚生労働省が発出した通知に示されている「WHOによる暫定症例定義」と変更していることに注意が必要となる。4月20日の通知で示された定義では、いずれも2022年1月1日以降の症例で、確定例は10歳以下の小児、疑い例は11~16歳とされていた。
 
 日本では、2022年4月20日、厚労省健康局結核感染症課が、「欧州及び米国における小児の原因不明の重篤な急性肝炎の発生について(注意喚起及び情報提供依頼)」と題する事務連絡を発出。WHOの暫定の症例定義に該当する患者を診察した場合は、その内容を国立感染症研究所緊急時対応センター(EOC)に連絡するよう自治体などに求めている。また、保健所や地方衛生研究所に対しては、医療機関と連携しながら検体(血液検体、消化器由来検体、呼吸器由来検体など)を保存するよう協力を呼びかけている。
  
 そして厚労省は、2022年4月25日、国内で疑い例に該当する入院症例が発生したと発表した。厚労省によれば、同疑い例は、アデノウイルスのPCR検査、SARS-CoV-2のPCR検査ともに陰性で、肝移植は受けていない。年齢や居住する都道府県名などは開示されていない。

WHOの発表は以下のサイト
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/multi-country-acute-severe-hepatitis-of-unknown-origin-in-children



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