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「全国調査でコロナ下でも突発性発疹は減っていないことを確認」

TONOZUKAです。


全国調査でコロナ下でも突発性発疹は減っていないことを確認

以下引用

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下で様々なウイルス感染症の疫学が変化している。一方、突発性発疹の患者数はCOVID-19流行前と変わらないことが示唆されていたが、新潟大学医学部小児科学教室助教の相澤悠太氏らによる調査の結果、全国的に減少していないことが確認された。成果は、第125回日本小児科学会学術集会(会期:4月15~17日、福島県郡山市の会場とウェブのハイブリッド開催)で発表された。

 相澤氏らが新潟県と全国の定点当たり報告数を調べたところ、2020年はいずれも学校閉鎖期間(第10~22週)に突発性発疹患者の減少を認めた以外には、2016~2019年の平均値と大きく変わらず、例年通りの報告数であることが明らかになった。学校閉鎖期間に報告数が減少した理由については、受診控えがあった可能性などが考えられた。

 突発性発疹は乳幼児期に発症する発熱発疹性疾患で、原因病原体であるヒトヘルペスウイルス6B(HHV-6B)とヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)に感染すると、生涯にわたり体内にウイルスが潜伏する。感染経路は正確なところは不明であるものの、家族(同胞や親)の唾液を介して感染するとの仮説が有力視されている。また、この30年ほどで突発性発疹の罹患年齢が上昇しており、その要因として考えられているのが離乳食を口移しで与える機会の減少や出生数減による年長児との接触機会の減少などだ。

 2020年の新潟県の定点当たり報告数における乳児の割合を調べたところ、上半期は前4年間と同等であったのに対し、下半期は前4年間よりも乳児の割合が低く、罹患年齢の上昇が認められた。上半期で乳児の感染割合が高かった点について、「同胞や両親が学校閉鎖やステイホームのために自宅にいる時間が増えたことにより、HHV-6BとHHV-7への曝露機会が増えたからではないか」と相澤氏は分析する。なお、罹患年齢上昇の理由としては、人口当たりの症例数の推移で経時的に高年齢化が認められたことから、少子化による乳児人口の減少は罹患年齢の上昇とは無関係であることが明らかとなった。

 COVID-19流行下では、感染対策の徹底により曝露機会を失った感染症が軒並み減少傾向にあるが、突発性発疹の感染者数は減少せず、2020年上半期で乳児の感染割合が高かったという結果を踏まえ、相澤氏は「HHV6/7の感染経路は市中ではなく家庭内にあるという従来の伝播様式の仮説を支持している」と結論した。




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