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(#186)コアバリュー創出のための業務整理

今日は沢渡あまねさんの「バリューサイクル・マネジメント」という書籍を読んでいて改めて重要だと感じた点がありました。自分の仕事の課題意識になぞらえて、どうすればモヤモヤが晴れるかな?ということを順を追って整理したいと思います。

ちなみに"改めて"と書いたのは、私は現職に転職した際に沢渡さんの書籍に救われた経験があり、その時にも業務の整理を行う上で大変参考になった内容と似たお話も出てきたからです。ちなみにその時の書籍はこちら。おすすめです。


○課題意識とモヤモヤ

私は大学に職員という立場で勤務をしています。人によっては「大学職員 = ホワイトで楽な仕事」というイメージを持たれるかもしれません。私も民間の方が社会人歴が長いので、ここでいういわゆる「楽」はプレッシャーが少ないという意味だと捉えるとその通りなのですが、大学によってもカラーが全然違っています。

うちの大学はというと、変革がとにかく激しく毎年のように新規で学部ができるようなところで、学内のガバナンスがかなり強化されているため、統制型の組織風土が非常に強い上に仕事はどんどん増えるという状況のため、それなりに違うしんどさがあるなあという印象。

その中でもフロント(学生さんの支援)に立つ部署に所属しているのですが、何が自分たちの価値なのか?ということが最近よくわからなくなってきました。

理由は日々の業務の成果が感じにくいことと、突発事案が多いからです。
成果の感じ辛い業務として特に最近多いのが自部署組織の中長期の目標を立てるための調整(関係者の予定の調整、担当部署の分担決めと整理、打ち合わせの開催、作文等)、委員会の調整・開催等。突発事案というのは学生さんからのトラブル相談を受けることで、相談を受けてヒアリング、部署内での報告、教員管理職等への報告・相談、学内関係者への報告資料作成と報告、それらを受けて学生への対応〜等がループで発生します。

これはほんの一例でその他にも業務の分類で言うと十数の業務を担当しているため、マルチタスクの中でシングルタスクに向き合う力は鍛えられているのですが、とにかくやることが多いわけですね。

○立ち止まることができない日常という問題

効率化の対象としては非常に魅力のある業務群だと思うのですが、いかんせんそこを考える時間や試してみる時間を日常的に取れないのが難点です。いくつかのチームのリーダーでもあるので相談事も多い。全力で走り切って少しはみ出た残業があったりなかったり、定時でもはやへとへとになっていると言う状況が続いていました。全然サステナブルではないですね。

○組織風土の問題

加えて風土の問題も大きいです。悪く言うつもりは少ししかないのですが、うちの組織は偉い人が言ったらそれが正解という風土。ガバナンスの強化と言いながら判断は大体トップまで持ってくんですね。通常の規定された権限の範囲に該当しない案件を相談すると、課長→部長→その上の方〜という風にそこで話が止まります。
こう思うので、ここはこういう理解で進めても良いですか?と言ってもダメなわけですね。加えてこれは経営の最大の変数である”人”の俗人的要素でもあるのですが、偉い人の中にはポエマーもいらしゃる。具体を相談したらポエムで返される、みたいなことも多くはないですが時々発生します。

○管理職はなにをする人なのか問題

では課長権限でゴリゴリいけば良いじゃないか、というとそこには2つの問題が。

1つは、課長が管理職の教育を受けていないのである程度の年功序列かつ各部署で活躍したプレイヤーを登用するため、何をして良いかわからないまま、偉い人の伝書鳩みたいになってる問題。

もう1つは権限以上が全くされていない問題。ガバナンス強化しすぎてしまって○万円までの消耗品の決裁権限しか与えられていない課長。実に悲しい現実があります。

これは登用された人が悪いのではなく、教育を軽視している組織の問題だと個人的には捉えています。管理職研修がきちんとされていないので、課長はなんたるか?というのを理解しないまま現場にいるという悲惨な状態を産んでいます。

○決められない組織の中で発生する企画案件

この惨状の中で新規事業として企画案件が発生している昨今。
通常業務は割とルーティン化しやすいのですが、企画色の強い仕事は全く別ですよね。原案を作ってもみんなで仲良く確認しよう文化の組織では全然決まらないわけです。組織や権限移譲も前述の通り。スピードだけが失われていく上に偉い人の一声で方針転換がザラにあります。

○カオスの中の光

さてこの状況、なかなかのカオスっぷり。ここで困った時の沢渡さんということで著書を読んでいて、刺さるメッセージを受け取ったのでご紹介します。

それは、まずはできるところ(半径5m以内)からコアサイクルを回そう!というメッセージ。このコアサイクルとは、「本来価値創出」「業務改善」「育成・学習」の3つのこと。半径5mは主語がでかくならないように、部課長の責任においてできる範囲でやっていこうということですね。

「本来価値創出」

関係者も含む全員で我々の価値は何か?を議論して定義しよう。
(著書の中では研究職なのに研究ができないという事例が出てきます)

「業務改善」

本来価値創出のために業務の見直しをしよう。
分類して業務を捉えてアプローチを考える。
・繰り返し性のある業務
・共通業務(みんながやってる業務)
・間接業務(調整など)
・手戻りの多い業務
・IT化で効率化できる業務

「育成・学習」

・本来価値創出のための育成
・業務改善のための育成

この両輪でメンバーの成長をサポートしましょう。

これらのサイクルを回すことがメンバーの成長実感、エンゲージメント向上、ひいては組織のブランドに寄与していくというお話が紹介されています。

急がば回れ、忙しい時ほどまずメンバーで相談して我々のミッションを再定義することから始めるというのは必要ですね。解像度は業務で意義を感じられるくらいで。うん、その通りだと思います。

○自分の勝ちパターンも知っておく

加えて個人としても勝ちパターン知っておこうねという話も。
例として以下の内容が紹介されています。

仕事の分類:考える仕事か、手を動かす仕事か
捗る時間:朝、昼、夕方
捗る環境:在宅の日にやる、出勤時にやる

この軸だけでも考慮しておくと良いですよね。
データの編集などは私も自宅で一気に在宅時に片付けたりします。

あとは、本書の中身とは違うのですが、自分がどんな業務にテンションが上がるか?というのを把握しておくと良いですよね。

私はこの沢渡さんの著書に出てくるような業務を分類して整理して定義してマネジメントする仕事、めっちゃ好きなんです。これはコンサル時代にポンコツなりに業務フローの可視化や整理、様式の統合等でご飯を食べていたというところがあるのかもしれません。好きなんですね、そういうの。

○総括

まずはやれるところから変えていく。急がば回れ、忙しい時ほど立ち止まって、業務を分類、定義する。勝ちパターンを把握する。

明日からの自分の仕事を捉える上で初心に帰った気持ちで取り組んでいこうと思います。それでは!




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