ドイツ一人旅_プロ―スト_09_11【海外旅行】
1999年冬 9日目 ミュンヘン
ビールをNさんのコップに半分ほど注ぎ、僕のコップには波々と注いだ。
「プロースト!(乾杯!)」
「プロースト!(乾杯!)」
僕は一気に飲み干し、Nさんは一口飲むと苦い顔をして、それ以上飲むことはなかった。
やがてメインディッシュもテーブルの上に並んだ。するとNさんは例の異様にでかい一眼レフカメラ取り出し、周りの視線など気にもしないかのように料理を撮影し始めた。
「今度いつレストランに行けるかわからないから、撮っておきたいの」
写真撮影が終わり、早速食べることにした。味は可もなく不可もなくといった感じだった。ビールが空になった頃ウエイターが近づいてきた。
「おかわりはいかがですか?」
「パウラナー ビッテ!」
今度はビールジョッキで飲み干す真似をして答えた。つまり、瓶ビールではなく生ビールが欲しいと伝えたのだ。
パウラナーとはミュンヘンで有名なビールの銘柄だ。昨日ミュンヘンオリンピックスタジアムで出会ったアルミンに「ミュンヘンで一番おいしいビールは?」と質問したところ、返ってきた答えが「パウラナー」だった。
「プロースト!(乾杯!)」
今度は一人で乾杯して飲んだ。黄金色の透き通ったビールで、ケルンで飲んだビールよりも濃くてしっかりとした味わいだった。
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