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ドイツ一人旅_試飲_10_03【海外旅行】

前の話  プロローグ  10日目01

1999年冬 10日目 ハイデルベルク

ミュンヘンを出発した列車は3時間半ほどでハイデルベル中央駅に到着した。

ハイデルベルグは街の中央にネッカー川が流れていて、両岸に勾配のある山が川を挟んでおり、渓谷の谷間にあるような街だった。

まずは有名なハイデルベルグ城に向った。

城のふもとにはケーブルカーの駅があり、それに乗って登ることにした。ハイデルベルグ城は当時の面影が残っており、砲台による攻撃の跡もそのままだった。

城の中には巨大なワインの木樽があり、看板には「かわいいコップ5マルク」と日本語で書いてあった。そのコップを買うとワインが試飲できることになっていた。

早速、試飲してみた。ニュルンベルクでは白ワインを飲んだので、赤ワインを飲んでみることにした。

「う~ん。美味さがわからない…」

違いのわからない男だった。ただ、ワインは赤よりも白のほうが好みだということがわかった。

ハイデルベルク城を一通り見終わると坂を下り、ネッカー川を渡ると城とは対岸の坂を登った。

その坂の上には『哲学の道』があり、高さは丁度ハイデルベルグ城と同じ位だった。『哲学の道』から城を臨むと、ネッカー川と旧市街地と城が絵画の様に見えた。

その風景はうっとりするくらい美しかった。

美しく感じることができるのは平和だからだ、と思った。



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ワイングラス

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