見出し画像

ドイツ一人旅_国境の街_06_04【海外旅行】

前の話  プロローグ  6日目01

1999年冬 6日目 パッサウ

パッサウはドイツとオーストリアとの国境に接する街だ。

北西からやってきたドナウ川はパッサウではオーストリアとの国境になり、そこから以東はドイツに別れを告げてオーストリアへと流れていく。つまりパッサウはドナウ川が流れるドイツ国内で最後の街になる。

今回の一人旅の目的のひとつであるドナウ川を遡る『ドナウの旅人』がここから始まる。

僕は中央駅を出るとまずはイン川に向かって歩き始めた。

イン川もドイツとオーストリアを国境とする川だ。南からやってきたイン川はパッサウでドナウ川と合流して、流れを東に変えてそれ以降はドナウ川となる。中央駅はドナウ川とイン川に挟まれた三角形の中に位置する。

イン川にたどり着くと対岸を見渡した。川の向こうは違う国なのかと、日本では体験できない光景に感動した。

川幅は100m程度で対岸は目と鼻の先である。しかも橋が架かっており歩いて渡ることもできる。EUとは何だかすごいなぁ。

ドイツという国があるのではなく、EUという国があってドイツはその中の州のひとつに過ぎないのではないかと錯覚してしまう。

僕は橋を渡ることにして、橋の中央で仁王立ちした。左半分がドイツ、右半分がオーストリアだ。

僕は満足してオーストリアに入国した…



次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)


#旅 #旅行 #海外旅行 #旅行記 #一人旅 #ひとり旅 #ヨーロッパ #ドイツ #バックパッカー #ショートショート #連載

サポートして頂いたら有料記事を購入します!