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ドイツ一人旅_箱庭のような農園_15_01【海外旅行】

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1999年冬 15日目 フライブルク

寝起きはあまり良くなかった。

早く日本に帰りたいというよりは、異国の文化に触れているのが苦痛になってきていた。

今日は2週間ぶりに初日に宿泊させて頂いた中国人のGさんの家に戻る予定だ。最終日の宿泊先は予め確保しておきたかったのでGさんの家に泊まらせて欲しいとお願いしていたのだ。僕の一人旅も終わりを迎えようとしていた。

午前中はフライブルクの街を散策し、フランクフルトで途中下車をして、それからGさんが住んでいるマールブルクに向かう予定だ。

さて、どこへ行こうか?

教会や美術館などの観光名所には行く気がせず、どこかの公園にでも行きたいと思った。地図で調べてみると、ユースホステルの近くを走っている路面電車の終点に公園があることがわかった。なんとなく僕はそこに行くことにした。

路面電車の車窓から日本では見慣れない風景があった。それはこじんまりとした農園だった。長方形に区切られた農園が数十個あり、各々にプレハブ小屋が建てられていた。熱心に土を耕している人もいれば、イスに座りゆったりコーヒーを飲んでいる人もいる。

この箱庭のような農園は公共のもので行政に申し込んで利用しているようだ。人もまばらで、自由気ままに土いじりしているようだった。
(当時の日本では見かけませんでしたが、最近では日本でも同様な農園を見かけるようになりました)


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15日目に訪れる予定の街

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