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ドイツ一人旅_路線バス_07_02【海外旅行】

前の話  プロローグ  7日目01

1999年冬 7日目 レーゲンスブルグ

中央駅からヴァルハラ神殿に向かう路線バスに乗った。

ヴァルハラ神殿はレーゲンスブルグの郊外にあり、バスで20分程度だ。僕はヴァルハラ神殿の手前のバス停を覚えておいたので、そのバス停を通り過ぎたのを確認すると降車ボタンを押した。

停車して降りた場所は周りに何もない幹線道路の途中だった。ヴァルハラ神殿らしき建物も全く見あたらない…

そこで思い出した。ドイツのバス路線図には主要のバス停しか記載されていない。乗降の少ない小さなバス停は記載されておらず、そのバス停を知っている地元の利用客がそこに近づいたら自らボタンを押して停車するのだ。

僕はどうやらその地元の人しか知らないバス停に降りたようだった。今度来るバスはいつになるかわからない。仕方がない、歩くとするか。僕は歩きだした。

だいたい自分の判断でバス停を降りず、運転手にどのバス停で降りればよいのか聞いておけばよかったのだ。そんなちょっとした手間を省いたことで延々と歩くはめになる。

30分ほど歩いただろうか。のどかな風景に何か足りないものがあると思っていた。無いものが有ると気付きやすいのだが、有るものが無いと気付きづらい。

(パチンコ店…)

日本の田舎に必ずあるド派手なパチンコ店がないなと、ふと思った。



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