ドイツ一人旅_寝坊_10_01【海外旅行】
1999年冬 10日目 ミュンヘン
寝坊した…
7時15分に起きて、30分には朝食を食べる予定だった。Nさんを駅で見送るための逆算した起床時間だった。
現在は7時40分。僕は急いで着替えて食堂に向った。Nさんは既に朝食を食べ終えていた。
「朝早く起きたから、葉書を書いて早めの朝食をとっていたの。これから郵便局に行って、葉書を出してから駅に行く予定」
「そう。列車は8時36分出発だったよね。駅に見送りに行くよ。じゃ、またあとで」
「またね」
僕は寝坊したのにも係らず、朝食が充実していたのでつい欲張ってしまい、かなり時間が経過してしまった。まあ、目の前に駅があるので十分間に合うだろう。
部屋に戻り荷造りをして、チェックアウトしたのだが思いのほか時間がかかってしまった。ホテルを出た時刻は既に8時30分。急いで駅に向かい、ザルツブルク行の列車のホームを確認した。9番線だった。
「9番線？どこだ？」
僕はハッとした。ミュンヘン中央駅は漢字の「凸」の形をしている。入口は上辺の中央に位置するのだが、9番線は中辺の右側にあった。しかも上辺と中辺の間は10車輌以上も離れている。
「間に合うか？」
あと2分しかない。僕は大きなザックを背負ったまま駆け出した。「ハァハァ」と息が切れる。途中で何度か立ち止まって諦めようとしたが、走り続けた。
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