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海に向かって最敬礼




先日、1年半ぶりに海へ行った。




両親がサーファー(趣味)なのもあり
幼い頃から半ば強引に海に連行され

夜中に家を出て車中泊
6時間〜8時間くらい海に入って波乗りをする


という夏が
圧倒的に多かった子供時代であった。






小学生の頃は
日焼けなんて全く気にしていなかったし

むしろ、小麦肌はかっこいい

という、価値観を持っていたキッズだった。





そんな私も段々と年を重ね、

5歳からやっていたボディボードも

高校に上がる頃には

「焼けたくないもん」


という理由から
海に行かなくなった。









でも


今回は

父の趣味に
たまには付き合ってやろうか

という気持ちで参戦したのである。







自分で言うのもなんだが
見た目の割に
逞しい育てられ方をされたので、、笑
(たぶん)

時々、見た目と中身のギャップに
びっくりされる。





泳げない頃から海に連れていかれ
足の届かないところで波乗りをし

「怖い!」

と言いたくても
周りに肉親がいないという

かなりの放置プレイをされた結果
勝手に波に乗れるようになった。笑



流されてヤバかったことも
何度かあった。笑

砂浜のテントが、遥か彼方に見える…。



「とりあえず、沖まで来てしもたら
   横に泳げばええからな。」




そんな父のざっくりとした言葉を信じ、
必死で泳ぎ続けたらちゃんと帰れた。笑




よく遊んでくれたけれど



ハンドルを握れば暴言を吐き
煽り運転をするし(なかなかに先取り。笑)




1日6箱のセブンスターを吸い




「はよせぇや」が口癖で、すぐにキレる





せっかちで自己中な父が
大好きで大嫌いだった。







でも、


自然の素晴らしさと恐ろしさを
肌で学ばせてくれた野生的な父には
心から感謝している。笑





※ある一件でガラリと心を入れ替え
今はHARIBO(グミ)が嗜好品という
穏やかパッパに変貌を遂げました。笑






𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃





久しぶりの国府の浜。


波の音の大きさに心臓が高鳴る。

花火大会の音を聞く時と同じような
ばくばく。






冷たい水がふくらはぎを撫でて



太もも



お腹

胸…


段々と深く、冷えていく瞬間が

1番すき。






いつも決まって
最敬礼をしてから海に入る父





海への感謝と
「お手柔らかにお願いします」
という、無事故安全を祈る意味で


深々と静かに頭を下げるらしい。








ビーチサンダルを丁寧に揃えて


じゃりじゃりした熱い砂の上

入念に股関節を広げ
深呼吸をする。




リーシュコードを手首に巻き
板を小脇に抱える。




andanteで海へ近づいてゆく。




よろしくお願いします。




久しぶりの海と



少年のように
海へ走っていく父に向けて




最敬礼をした。





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