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テン「、」か、コンマ「,」か? 読点の謎を調べてみたら…

「日本語の書き方がわからないんです!」

わたしがよく受ける相談事のひとつがこれです。
(大人のための文章教室をやってます)

たとえば、ヨコ書きのときは読点は点「、」なのか?
はたまた、コンマ「,」なのか?
 

テン「、」か、コンマ「,」か?

◆句読点の謎

え? そんなこと?って思います?
でも、よ~く考え始めると、あれれ……ってなりませんか?

結論から言っちゃいますと――
どっちだっていい!(笑)
全然答えになってませんけど、ほんとこれなんですよ。
 

肝心なのは、その文章で、誰に何を伝えたいのか?
そのためにはどんな記述法を使うのが良いか?
それを意識すること。

句読点とは「法則」ではありません。
文章を読みやすく伝わりやすくするために使う、ただの記号。
 

だから、自由に好きな方を使えば?ってことなんですけど。
真面目な方ほどマジメに悩んでしまうようで。

このことを初めて質問されたとき「え~どっちでもいいじゃん」と心の中で思いながらも(スミマセン)google先生で調べてみました。

そしたらですね、ビックリな答えが出て来ました!
 

◆国が文章の書き方を決めている?

こんな御達しが1952年に発せられていました。

公文書はA4ヨコ書きで、読点はカンマ(,)を使うべし。

1952年ですよ!

さすがにわたしもまだ生まれてない (^^;)
いやはや、ビックリですよねぇ。

なんでそうなったの?と、国文学科卒で物書きしていたわたしとしては首を傾げますが……。

ま、これはね、あくまで公文書に限ったことです。
それ以外の文書や刊行物には関係ない決まり事。
とはいえ、ほとんどの教科書は、この方法に従っているようですね。

でも実生活にはまったく関係なしです。

書店に並んでいる本を見ればわかります。
テンもあればコンマもある。
さすがにタテ書きでコンマはありませんが(笑)
 

◆句読点は誰が作った?

ちなみに日本語の記述で句読点、つまり「、」や「。」を使うのが一般化したのは明治以降。それもかなり遅くなってから。

このあたりのことは、活字印刷が広まったことと関係がありそうです。

それまでは、筆字だったわけです。
印刷するには、それを版木に彫って刷ってました。
そうでなければ、書き写してました。写本ですね。

そして、当然ですが、筆文字で書く文章には「、」「。」は使いません。

明治で文明開化して、政府官庁主導で一気に欧米化路線を突っ走る中で、日本語の文体も表記も大きく変化しました。
そう考えると、現代の日本語表記法の歴史はたかだか100年ちょっと。
まだまだ、青臭いのかもしれません。
 

◆やっと新しい指針が出ました!

そして今年、令和4年1月7日付で、文化庁から新しい指針が出されました。

それにしても、ですよ。
70年近くも過ぎた今頃になって、ようやくこれですか?
お役所仕事、さすが!
(コロコロ変わるのも困るけどね)

横書きの読点は、テン(、)を用いることを原則とする。
だそうです(笑)

あくまで、これは公用文の話です。
わたしたち一般人の発信としては、文化庁ルールではなく、「いかに伝えるか?」を一番のルールに据えておきたいですね。


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