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JW242 達者でな
【開化天皇編】エピソード27 達者でな
第九代天皇、開化天皇(かいかてんのう)の御世。
すなわち、紀元前98年、皇紀563年(開化天皇60)4月9日。
この日、一人の人物が逝こうとしていた。
開化天皇こと、稚日本根子彦大日日尊(わかやまとねこひこおおひひ・のみこと)(以下、ピッピ)である。
ピッピ「その通りじゃ。ついに、この日が来てしもうた。」
そこに、日嗣皇子(ひつぎのみこ)の御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)が駆けつけて来た。
ミマキ「大王(おおきみ)! 崩御(ほうぎょ)なされるとは、まことにござりまするか?!」
ピッピ「うむ。ちなみに、崩御とは、皇帝が死ぬことを指す。我が国では、天皇の死を意味する。」
ミマキ「補足説明、かたじけのうござりまする・・・(´;ω;`)ウッ…。」
つづけて、大后(おおきさき)の伊香色謎(いかがしこめ)(以下、イカメ)。
そして、イカメと先代の子で、ピッピの兄、彦太忍信(ひこふつおしのまこと)(以下、まこと)がやって来た。
イカメ「大王・・・。うちの方が、年上ですのに、なんで、先に逝かれるんどす?」
ピッピ「イカメ・・・。許せ。これも定めじゃ。」
まこと「大王! 弟のくせに父上! 我(われ)は悲しいんやで!」
ミマキ「おお・・・伯父のくせに兄上! 悲しゅうござりまするなぁ・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ピッピ「ふ・・・複雑な家庭環境にしてしまったこと・・・心から、詫びる・・・。」
イカメ「仕方ありまへん。好きになったら、誰にも止められへんと思うんどすえ。」
まこと「と・・・止めてほしかったんやで!」
ミマキ「と・・・止められたら、私が生まれて来ないわけで、認めるわけには参りもうさず!」
まこと「固いこと、言わないでほしいんやで!」
ミマキ「柔らかくなど・・・。認めることは出来もうさず!」
つづけて、ピッピの妃、丹波竹野媛(たにわのたかのひめ)(以下、たかの)と、二人の間に生まれた、彦湯産隅(ひこゆむすみ)(以下、ムッシュ)がやって来た。
たかの「大王・・・。信じられないんだがね・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ムッシュ「大王! 父上! 今日で、お別れとは・・・。まだ信じられません・・・。」
ピッピ「たかの・・・。ムッシュ・・・。達者でな・・・。」
つづけて、もう一人の妃、姥津媛(ははつひめ)(以下、はつ)と、二人の間に生まれた、彦坐王(ひこいますのきみ)(以下、イマス)がやって来た。
はつ「大王! わたくしを置いて、逝かれるのですか?」
イマス「大王! 逃れられぬ定めとは知りつつも、涙が止まりませぬ・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ピッピ「はつ・・・。イマス・・・。達者でな・・・。」
つづけて、もう一人の妃、鸇比売(わしひめ)と、二人の間に生まれた、建豊波豆羅和気王(たけとよはづらわけのきみ)(以下、ヅラ)がやって来た。
鸇比売「わしは悲しい! 本当に悲しい!」
ヅラ「我(われ)も悲しいずら! 信じられないずら!」
ピッピ「鸇比売・・・。ヅラ・・・。達者でな・・・。」
更に、ピッピの兄弟姉妹がやって来た。
すなわち、大彦(おおひこ)。
少彦男心(すくなひこおこころ)(以下、こころ)。
倭迹迹姫(やまとととひめ)(以下、トット)。
武埴安彦(たけはにやすひこ)(以下、安彦)である。
大彦「信じられないんだな。とても悲しいんだな・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ピッピ「大彦兄上・・・。息子たちのこと・・・頼みまする。」
こころ「大王! 大王が崩御したら、我(われ)もクランクアップです。それが悲しいです。」
ピッピ「こ・・・こころ兄上・・・。そればかりは、我(われ)の力では、どうにもなりませぬ。」
トット「登場回数が少なかったのに、もうクランクアップだなんて、酷すぎます!」
ピッピ「そ・・・そうか・・・。汝(いまし)も、我(われ)の崩御で引退なのじゃな?」
こころ・トット「大王! 死ななかったことにしてください!」×2
ピッピ「む・・・無理じゃ。」
安彦「兄上・・・。ついに逝かれるんですね。」
ピッピ「安彦・・・。汝(いまし)は、長生きするのじゃぞ・・・。」
安彦「お気持ち・・・嬉しく思います。」
更に更に、ピッピの大伯父や大伯母がやって来た。
すなわち、倭迹迹日百襲姫(やまとととひももそひめ)(以下、モモ)。
稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)。
彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)である。
モモ「大王! どういうこと!? 私より年下なのよ! なんで、こんなことになってるのよ!」
ピッピ「モモ伯母上・・・。あとのこと、頼みまする・・・。」
タケ「大王・・・。代われるものなら、私が代わってやりたい・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ピッピ「タケ伯父上・・・。我(われ)に代わりて、息子たちを教え導いてやってくださりませ・・・。」
芹彦「なんということだぁぁぁ!! それがしは・・・。それがしは、甥っ子の死に目まで見なければならぬのかぁぁ!!」
ピッピ「芹彦伯父上・・・。伯父上の武(ぶ)で、この国をお守りくださりませ・・・。」
そして最後に、ピッピの妃で、ついに子供を産むことがなかった、包媛(かねひめ)(以下、カネ)がやって来た。
![](https://assets.st-note.com/img/1666521048430-6VhkhfTWeL.png?width=800)
カネ「いやぁぁ!! ピッピ様ぁぁ!! 死なないでぇぇ!!」
ピッピ「カ・・・カネ・・・。ゆ・・・許せ。」
カネ「いやぁぁ!! 死んじゃダメ! 次回も『開化天皇編』で、話を進めてよ!」
芹彦「カネ・・・。婿殿とて、断腸の思いなのじゃ・・・(´;ω;`)ウッ…。」
カネ「ち・・・父上・・・。定めとは申せ・・・。こ・・・こんなこと・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ピッピ「カネ・・・。達者でな・・・。」
ミマキ「大王! 父上! 他に言い残したことは?」
ピッピ「な・・・無い。皆を信じておるゆえな・・・。力を合わせて、国を守っていけ・・・。で・・・では、さらばじゃ・・・ガクッ。」
一同「大王ぃぃ!!」×17
こうして、第九代天皇、開化天皇は崩御したのであった。
次回につづく
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