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JW236 欠史八代について

【開化天皇編】エピソード21 欠史八代について


第九代天皇、開化天皇(かいかてんのう)の御世。

ついに欠史八代(けっしはちだい)の解説がおこなわれることとなった。

開化天皇こと、稚日本根子彦大日日尊(わかやまとねこひこおおひひ・のみこと)(以下、ピッピ)の元に、多くの家臣が集まる。

まずは二人の大臣(おおおみ)。

すなわち、物部大綜杵(もののべ・の・おおへそき)(以下、ヘソ)。

そして、ヘソの息子、伊香色雄(いかがしこお)(以下、ガーシー)。

更に、大伴角日(おおとも・の・つぬひ)(以下、ツン)。

久米五十真手(くめ・の・いまて)(以下、マッテ)。

中臣神聞勝(なかとみ・の・かみききかつ)(以下、ミッキー)。

大倭御物(やまと・の・みもの)。

葛城伊牟久(かずらき・の・いむく)(以下、イム)。

尾張建諸隅(おわり・の・たけもろすみ)(以下、ケモロー)。

和珥彦国姥津(わに・の・ひこくにははつ)(以下、ニーハン)。

計九名の家臣たちである。

ピッピ「・・・ということで、欠史八代について、解説することになったわけじゃが・・・。」

ヘソ「八人の大王(おおきみ)は、後世の創作物だった! っちゅう話やろ? ホンマけ?」

ピッピ「二千年後の学者は、実在の可能性が低いと見ておるようじゃな・・・。」

マッテ「でも、なんで、創作しないといけなかったんすか?」

ガーシー「皇室の起源を古くするために、創作されたと考えられてるみたいやなぁ。」

マッテ「えっ? なんで、古くしないといけないんすか?」

ガーシー「さぁぁぁ? なんでやろ?」

ケモロー「御初代様の即位した年が、関係しとるんでねぇの?」

ピッピ「御初代様が建国された年か・・・。たしか、紀元前660年であったな?」

ケモロー「その通りだがや。紀元前660年は、辛酉(しんゆう)の年で、大革命が起きるとされとるんだがや。」

ミッキー「21回目の辛酉の年が、大革命の年だったんだよね?」

御物「その通りっちゃ! エピソード66で、解説されちょるに!」

ピッピ「その・・・紀元前660年即位に辻褄(つじつま)を合わせるため、我(われ)を含む、八人の大王が創作されたと?」

ケモロー「そういうことでないきゃ?」

ツン「それは有り得ないじ!」

ピッピ「ど・・・どういうことじゃ?」

ツン「もし、紀元前660年に合わすために創作したんやったら、八人ではなく、十六人とか、二十人にしているはずっちゃ!」

ヘソ「八人で、ちょうど良かったんとちゃうか?」

ツン「八人では、ちょうど良く無いんやじ!」

ヘソ「どういうことやねん? 嘘ついてたら、怒るで、しかし!」

ツン「仕方なかねぇ。八人の大王が亡くなった時の年齢を見てくんない(ください)!」

ピッピ「亡くなった年齢じゃと? そのようなこと、一言も書かれておらぬぞ?」

ツン「この物語では、あえて触れて来なかったんやじ。じゃっどん、『日本書紀(にほんしょき)』では、しっかりと年齢が書かれてるんやじ。」

ヘソ「な・・・なんやてっ!!」

ツン「では、紹介するっちゃが! 二代目が84歳、三代目が57歳、四代目が77歳、五代目が114歳、六代目が137歳、七代目が128歳、八代目が116歳、そして、今の大王が115歳で亡くなるんやじ。」


日本書紀の没年齢

ピッピ「わ・・・我(われ)は、115歳で逝くことになるのか?」

ツン「そうみたいやじ。」

ガーシー「ちょっと待ってくださいよ! 137歳とか、128歳とか、有り得へんでしょ!」

ツン「そう! その通りっちゃが! やかい(だから)、八人では、ちょうど良いとはならないんやじ! 十六人とか、二十人の方が自然やろ?」

マッテ「なるほど・・・。創作された人物であるなら、十六人とか二十人の大王にして、もっと有り得る寿命設定をした方が自然っすね?」

ピッピ「八人でなければならなかった・・・ということか?」

ツン「その通りっちゃが!」

ヘソ「おい! ツン! なんで、八人でないとダメなんや!? 創作の人物やろ? 何人でも、ええやないけぇ!」

ツン「すでに代数が決まっていたとしたら、どうね?」

ニーハン「代数が決まっていた? 創作された人物であるにも関わらず、代数が定まっておったと申すか?」

イム「創作は、創作でも、『記紀(きき)』編纂者ではなく、それより前の世代の人々が、創作していた可能性もござるぜ。」

ピッピ「前の世代?」

イム「左様。『記紀』が編纂された時代には、既に創作済みだったのではないかと考えられるのでござるぜ。」

ケモロー「でもよぉ。そう考えたら、前の世代の人々が、皇室の起源を古くしたことになるでねぇの。それも、寿命を無理矢理に延(の)ばしているところを見ると、紀元前660年は、関係無いように見えるがや。」

イム「紀元前660年にこだわったのは、あくまで『日本書紀』の編纂者のみで、前の世代の人々は、そういうことにこだわらず、歴史を古くさせることにだけ傾注(けいちゅう)していたのではござらぬか?」

ケモロー「き・・・紀元前660年は関係無い!?」

マッテ「ちょっと待ってくださいよ! それじゃあ、起源を古くした理由は、どうなるんすか?」

イム「ロ・・・ロマンが欲しかったから?」

御物「もしかしたら、古いと、何か良いことが有ったのかもしれないっちゃ。」

ニーハン「良いこと? 何が良いのじゃ?」

御物「ロ・・・ロマンが有るから?」

ピッピ「結局、ロマンで片付けるのか?」

ツン「創作じゃなかったとしたら、どうね?」

衝撃のツンの発言。

一体、どういうことであろうか? 

次回につづく

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