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#日常のおかしみと哀しみ

音楽業界も出版業界も正しいことをやりすぎて、みんなで駄目になってる件

音楽業界も出版業界も正しいことをやりすぎて、みんなで駄目になってる件

音楽を有料で購入しないどころか、音楽そのものに無関心な「音楽離れ」が進んでいる云々の記事が流れてましたね。

まあ、これもポジショントーク要素とか、他のジャンルとの相対的要素とかあるので鵜呑みにはできないけど、そういう雰囲気はたしかにあります。

くるりの岸田さんが、その件で面白い考察をしていて、ざっくり言えば「聴かなくてもいいや」と思うような音楽が増えすぎたんじゃなかろうか、と。

      

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プロでもうれしいこと

プロでもうれしいこと

ずっと仕事の原稿に埋もれてると息してない気がしてくる。

書籍の場合7万字とか10万字のテキストを掘り起こすように書く。なんていうか一人でヘッドランプを頼りにほの暗い坑道に入り、テキストの鉱山の奥深くに潜って、鉱脈を見つけてはコツコツと掘っていく感じ。

そうして採掘されたテキストをトロッコに積んで運び出し、構成して編集して本になり誰かの心の火を灯すことだけを考えて黙々と書く。

それなりに長くこ

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玉虫色でいいから

玉虫色でいいから

玉虫色の決着という言葉が好きだ。

なんだろう。儚い感じがいい。行き先はあるのに、どこにもたどり着かない感じとか。

日本語を覚え始めた外国人にも「こんにちは」「ありがとうございます」の次ぐらいに「玉虫色の決着」を教えてあげたい。

ただひとつ残念なのは「玉虫色の決着」はニュースではたまに見聞きするけれど、実際の目撃情報が少ないのだ。

どこに行ったら見られるのだろうと、いつも密かに探しているのだ

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愛しさとせつなさと猫の言葉と

愛しさとせつなさと猫の言葉と

土曜日はほとんど誰も通らない日なので、戯言を。

ここ何日か、ものすごく圧の高い(いい意味で)言葉にいろんなところで触れて、討たれてる。

共通してるのは、みんな「自分の言葉」なのだ。強い言葉も優しい言葉も。尖った言葉も柔らかい言葉も、すごいスピードで去っていく言葉も、まどろむような言葉もすべて。

そういう言葉に触れると、ちゃんとその人がそこにいるのを感じる。そして誤解を恐れずに言えば、それがど

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浅生鴨さんに会ってきたかも(その5)今のネットはクリーンすぎるから

浅生鴨さんに会ってきたかも(その5)今のネットはクリーンすぎるから

迷子の秋に重版出来!浅生鴨さんの新刊『どこでもない場所』の周辺に漂っているものたちが気になって始まったインタビュー。今回はネット時代と世の中に必要なノイズについて。前回はこちら。

あれはたしか2000年前後だった。インターネットの時代が本格的にやってきて、これからは誰もが発信者になることができ、これまでなら陽の目を見なかったニッチなものや人にもスポットが当たるようになり、きっと世の中は大きな力を

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浅生鴨さんに会ってきたかも(その4)世の中はほとんどハズレだから

浅生鴨さんに会ってきたかも(その4)世の中はほとんどハズレだから

プロの迷子(!)浅生鴨さんの新刊『どこでもない場所』の周辺に漂っているものたちが気になって始まったインタビュー。今回は、意外にそうかもしれない目からウロコの仕事論。前回はこちら。

受注体質――。渋谷で100人に「浅生鴨さんと言えば?」とインタビューしたとき約8割の人が「受注体質」と答えたのは有名な話だけど、まあそれぐらい「やりたくてやったことはない」と言い切れるのが浅生鴨さんだ。

そもそも、今

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