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玉虫色でいいから

玉虫色の決着という言葉が好きだ。

なんだろう。儚い感じがいい。行き先はあるのに、どこにもたどり着かない感じとか。

日本語を覚え始めた外国人にも「こんにちは」「ありがとうございます」の次ぐらいに「玉虫色の決着」を教えてあげたい。

ただひとつ残念なのは「玉虫色の決着」はニュースではたまに見聞きするけれど、実際の目撃情報が少ないのだ。

どこに行ったら見られるのだろうと、いつも密かに探しているのだけれど、まだ捕獲したことがない。

まあ、おそらく霞が関とか永田町方面に行けばいくらでも生息しているのだろうけれど、僕が探しているのはそういうのではない。もっと生々しく感情を何かされる種類のものだ。

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街を歩いていて、ときどきそれっぽいものを見かけることがあるけれど、傍に行って確かめてみると、ただの光沢だったり、光の加減でそう見えただけだったりすることのほうが多い。

きっと、何でも「正解」がすぐに出てきたり、役に立つ立たないを切り分けたりする環境では「玉虫色の決着」は生息できないのだろう。

と思っていたら、DA PUMPの『U.S.A.』の中にいるんじゃないと教えてくれた人がいた。

聴いてみたら確かにいた。

どっちかの夜は昼間

決してふざけたりネタ的な意味じゃなくて、本当に玉虫色だ。このフレーズは永遠に決着がつかない。パラドックス要素も含みながら、パラドックスにも陥らない。

どっちかが夜のとき、どっちかが昼間とか、そんなわかりやすい意味じゃないから。

どっちかの夜は昼間。玉虫色でずっと頭の中で反芻できてすごく好きなフレーズだ。