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51歳からドイツ語の勉強を始めてみた

51歳で急に思い立って始めたドイツ語学習。この1年の勉強方法とその成果を書いてみようと思います。

なんで今さらドイツ語?

2019年の11月から12月にかけて、ヨーロッパ2週間のひとり旅にでました。ステイホーム生活になる直前に行けたのは幸運だったと思います。

オランダの友人宅に数日滞在した後で、高速列車に乗ってドイツに向かいました。訪ねた街はケルン、フランクフルト、ヴィースバーデン、ダルムシュタット、ニュルンベルグ。

旅行にトラブルはつきものなので、予約していた電車に乗れなかったり、バスがストライキだったり、知らない駅で置いていかれたりしたのですが、通りがかった人が助けてくれたり、偶然同席した人と話が盛り上がったりして、現地で思いがけず多くの人と知り合うことができました。

そんな中で、ドイツ語ができたらもっと話ができるのにな、と思ったのがドイツ語を始めたきっかけです。ドイツ語は大学で第二外国語だったのですが、すっかり忘れきっていたので30年ぶりにABCからやり直すことにしました。

1年勉強してみたそのやり方と成果

30代から英語の勉強を再開して現在は英語講師をしているので、語学の勉強方法はある程度わかっていたつもりでした。

が、自分で一から学ぶとなったら話は別です。

英語の時もそうでしたが、最初は基本文法と単語を覚えないとどうにもならないので、2020年の4月からNHKのラジオ講座を聴き始めました。NHKの講座は以下の点で大変初学者に向いていると思います。
・音声が付いている
・文法学習の進行スピードがちょうど良い
・知識を確認するための練習問題が付いている
・再放送があるので繰り返し学習できる

NHK講座と並行して、ドイツ語の音を耳と口に慣らすためにドイツのヒットソングを聞くことにしました。
インターネットでドイツ語のヒットソングを聴き、お気に入りの曲は歌詞をプリントアウトして単語を辞書で引き、意味がわからないままでも繰り返し歌詞を音読して口の周りの筋肉を慣らしていきます。NHKの文法学習が進むにつれ、歌詞の意味がわかるところが増えていくのは楽しいことでした。

歌詞以外にもNHKのテキストや単語集の例文などは意味がわかったらとにかく音読するようにしました。マスク生活なので、電車でブツブツ音読していても聞こえないし、周囲の迷惑にもなりません。

話がちょっとそれますが、音読ってとても大事です。私が英語を話せるようになったのはとにかく音読の量が多かったからだと思っています。日本語と外国語は口の周りの筋肉や舌の使い方が全然違うので、話せるようになるには「口の形」から入る、というのがいまだに私にとっては一番実用的な方法です。1つの文がスラスラと口に出るようになるまで私は30回くらい音読するのですが、口角が筋肉痛になったりするので、腹筋やスクワットをやっているのとあまり変わらない気がします。

ふだん英語の講師をしているので、生徒さんに「こうすればいい」「ああすればいい」といろんな講義をしているのですが、いざ自分もやるとなったら、その面倒くささに倒れそうになります。なので、生活の中に強制的に勉強するように「仕掛け」を作ることにしました。幸い、何をやればいいかはわかっています。

・NHKのラジオ講座(15分)は、アラームをセットしておく
・NHKのテキストは買い忘れないよう定期購読。毎月20日頃翌月分が届く
・iTunesのプレイリストを全部ドイツ語の曲に変える
・A5版の小さいノートに単語を書いて常に持ち歩き、スキマ時間に見る
・いつでも勉強再開できるよう、問題集は机の上で開けたまま
・YouTubeはドイツ語の動画をチャンネル登録しまくると最初の画面がドイツ語だらけになる
・勉強する時間を3ヶ月先まで予定として入れておく

半年くらいたったところで、一人でやるのに飽きてきました。ちょうど基本的な文法事項が一通り終わったところだったので、近所のドイツ語教室に週1回通うことにしました。文法45分と会話45分で合計90分のレッスンです。

勉強仲間がいると励ましあえるので、ちょっとサボった日があっても再開しやすくなりました。この教室は結構たくさんの宿題がでるので、復習のペースがつかみやすかったのも助かりました。

2020年の12月末、どのくらいできるようになったか確認したいとおもったので、ゲーテ・インスティチュートという団体が主催しているドイツ語検定試験に申し込みました。A1という一番易しいレベルですが、読む・聞く・書く・話す4技能が全て試される試験なので、それなりに準備が必要です。試験は2021年の2月ということなので、1ヶ月半くらいしか時間がありません。

過去問題集を買ってきて解いてみると、文法もあやふや、単語もいまいち、発音は全然違うという感じでボロがいっぱい出てきました。と同時に、音読に偏りすぎていた勉強方法の見直しも必要でした。

そこで、各分野ごとに何をすべきかをリストアップして大きな白紙に書き出し、その横に何をやるか、いつやるのか、日付と時間まで入れていきました。あとは白紙に書いた通りにやっていくだけです。仕事や急な用事で予定通りいかない時もあるので、予備の日を何日か設けておいて、そこでできなかったことは吸収するようにしました。

こんな突貫工事みたいな勉強は何ヶ月も続くものではないので、私は試験直前の1ヶ月に絞って集中的にやりました。ドイツ語教室の先生が模擬試験のように特訓してくれたのもありがたかったです。

試験会場では大学生や若い人ばかり。中年のおばちゃんが一人だけ混じって受けるのは違和感しかないのですが、試験が始まってしまえば気になりません。スピーキングの試験は3、4人でグループになって話すという形式なのですが、同じグループになった大学生のお兄さんが難しい単語ばかり使うので「Ich weiß es nicht, tut mir leid. (ごめんなさい、わかりません)」と言って流してしまいました。あのお兄さんは無事に合格したのかしら。

結果は100点中96点で合格。

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「この試験に合格して、証明できるドイツ語力は …
相手がゆっくりと明確に発音してくれれれば、簡単な言葉でコミュニケーションすることができます
日常的でよく使われる表現や簡単な文(例えば自分の家族について、買い物や仕事、身近なことについての情報)を理解し、活用することができます
自分や他の人を紹介したり、他の人に個人的なこと、例えばどこに住んでいるのか、どんな人を知っているのか、どんなものを持っているかなどを質問をすることができます」
(以上、ゲーテ・インスティチュートのWebサイトより抜粋)

外国語大学の学生さんや留学している人から見たら基礎の基礎、初心者のいちばん易しい試験かもしれないけれど、記憶力が日々衰える中、仕事と生活とこなしつつ自分の娘息子みたいな年齢の人に混じってよくやった、私。


ドイツ語2年目の学習プラン

今年は2年目なので、初中級のクラスに進むことにし、NHKのラジオ講座も2021年は応用編を引き続き受講することにしました。8月にゲーテ試験のA2(A1よりもう1段階レベルアップ)を受けるつもりです。

試験に受かることが目的ではないですが、試験があると目標設定がしやすいのと、自分の進歩が目に見えてわかりやすいので、しばらくの間は半年おきくらいに試験を受けながら勉強を続けていこうと思います。

基本的には1年目と同じようなペースで学習を進めつつ、2年目は読む量を増やそうと思ってドイツ語のニュースサイトを定期的に読むことにしました。老眼で画面を長時間見るのがキビシイので、新しいメガネとプリンターを購入、大きい字にプリントアウトしてゆっくり読みます。
根性だけでは続かないので、自分が楽しく続けられるように適度にお金を使うのも必要なんじゃないかと思います。

あとは覚えた文法を使う練習が必要なので、独作文を添削してくれるサービスに申し込みました。毎週添削してもらって月5000円。程よいお値段だと思います。

2021年8月にA2試験、2021年の年末くらいに中級レベルのB1試験に合格できたら、簡単な会話ができるようになる・・と信じてもうしばらく頑張ってみます。2022年あたりに再びドイツにいくことができたら、そしてそのときに現地の友人たちと再会してドイツ語で話せたら最高だなと思っています。


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