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白い恋人と赤信号とBTS。

私の妻は、狂信的なBTSオタクである。
メンバー7人全員が好きでいわゆる箱推し。

ただ、もちろん最も好きなメンバーもいるらしい。それが誰かといえば「V(キム・テヒョン)」である。

妻がなんかよくわからない写真集を買っては、目をハートにして写真をパシャパシャ撮っている様子を、私はいつもニヤニヤ眺めている。


◾️妻をBTSの沼にぶち落とすエピソード

〈引用〉
友情・努力・勝利、一生懸命にひたむきに努力する様子、そして仲間たちを思いやる心、ここまでは揃った! あとひと息でロイヤルストレートフラッシュが! 決まる!



BTSには韓国ソウル出身のメンバーがおらず、
7人全員がいわゆる地方出身者である。

妻の最推しの「V」は
韓国の大邱(テグ)の出身だ。

さらにBTSメンバーの中には、
もう一人、大邱出身者がいる。

SUGA(ミン・ユンギ)である。





雪は降っていないけど、寒いマイナスの世界の朝。私が赤信号を待っているときだった。



隣にいた男性から話しかけられた。

(ん、なにかしら)

と思って彼の顔を見れば、一発で外国人観光客だと分かった。韓国人か中国人だ。同じ東アジアの住民なのに、顔を見れば日本人ではないとすぐにわかるのはなぜだろう、なんて考えない。


韓国人か中国人かわからないその男性は、私にスマホを見せてきた。画面には日本語でこう書いてある。


友だちに買うべきオススメのお土産はなんですか?



え、平日の朝から異国の地で、
そんな質問をするかね。

と思う間もなく、私は考えた。


(…うーん、オススメのお土産かぁ)



そして言った。


Do you know "白い恋人"?
-白い恋人でええやろ


いや、めっちゃ北海道民やんけ、芸がない回答をしてしまった、とは思わなかった。彼の姿を見れば、20代くらいで眼鏡をかけて、黒いダウンを着ている。

私の質問に「ん?」という顔をしたので、白い恋人の画像を見せてあげた。信号は赤から青に変わっていた。外は寒い。


白い恋ビト?


と言われたので、私はカタコトの英語で言う。


This is the most popular sweet in Hokkaido!!!
-こりゃあ、この街の一番だぜ!


彼は「ほえ~」という顔をしていた。
白い恋人を知らずに北海道に来とるんか?


で、気になったのでカタコト聞いてみた。
信号は青から赤に変わった。


Where are you from?
-どこから来たん?


雪道の上、朝の通勤ラッシュの時間に。人もいる。真っ黒なダウンの彼は答える。

I'm KOREA!
-韓国やで!



私は「ええええええ!?」と驚いた。
最近、韓国出身の人と話す機会が多いなぁ!


彼は少しキョトンとしている。


【関連】韓国人と焼肉屋で友だちになる話

<引用>
「マタ札幌にキタラ、このお店にクレバ、
 また皆さんにアエマス!」

「ヒョンさんがまた来るなら、私の友だちをたくさん呼びますよ!逆に私がソウルに行ったら、ぜひ案内してください!」

「わあ!ウレシイナぁ!またココにキマス!」



韓国出身だと!?


熱狂的なBTSオタクの妻がいる私は、
興奮気味に彼に言った。


My wife loves BTS sooooo much!!!!
-バンタンヲタやねん!


韓国人の彼は「おぉっ!!!」と喜んでいる。
で、興奮気味に聞いた。強気のカッタコトで。

Which city are you from?
-韓国のどこから来てん?


すると彼は答えた。

I'm from 大邱(テグ)!
-大邱出身やで!


彼の口から「大邱」というパワーワードが出てきた。大邱出身の人と言えば? 私は食い気味でこう言った。


OMG! 大邱(テグ)! OMG!
BTS! V! SUGA! OMG! キム・テヒョン!
-BTSのVとSUGAの街やん!!


彼はまた少し驚いた顔で「Yeeeees!」と答えた。心なしか誇らしげである。



信号は赤から青に変わった。そんなの最初から気にしてない。なんなら話しかけられたすぐの段階から、もうニヤニヤしていたと思う。

さらに言ってみた。


IVE! Aespa! Newjeans!
Starykids!TxT! Seventeen!
-全部K-POPアイドル!


俺はこんなに知ってるんだぜ!

という顔で。


彼はスキズとセブチは分からないようだったが
「Yes!IVE!LOVE DIVE!」と喜んでいる。

私はどれだけK-POPが好きか教えたくて、彼に私のスマホのYoutube画面を見せてあげた。オススメ動画にはK-POPがズラリと並んでいる。



「おぉ~」と2人、雪の上で盛り上がりながら、
まだ気になるので聞いてみる。信号はまた変わっている。

When are you going back to Korea?
-いつ韓国に帰るん?


すると、

Today!
-今日やねん!


いや、今日帰るんかい。なんなら今から帰るんかい。で、お土産探しとるんかい。この時間はどこもやってへんで。なんて思いながら「それなら白い恋人しかないっしょ」とだけ言っておいた。


彼は「アリガトウゴザイマス!」と言って、
深々とお辞儀をして、スタコラ行ってしまった。





信号は、また赤になった。


<あとがき>
英語の勉強をもっとしたいです。白い恋人しか出てこなかったのは、きっとボキャブラリーがないからです。英語が話せると、どこの国の人とも交流が出来ますが、私は高校英語を駆使してポケモンでいうところのポッポくらいの語学力です。ピジョン、ピジョットになりたいですが、腰が重い。今日も最後までありがとうございました。

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