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東京の有名私大っぽい人たち。

大学時代の海外旅行について書く。

バルセロナに向かうために成田空港に集合した私たち。高校の同級生で構成された4人は、それぞれ異なる大学に進学し、北海道に残る者、東京に出る者と分かれていたが、

とにかく陰気であった。


【関連】この記事は昨日の記事のつづき!



ここで今一度、メンバーを整理しておこう。

-イトーダーキ

ご存知、この文章を書いてる北海道のクズ。大学は小樽でコンプレックスのかたまり。

-ムッチ

パズドラ株を1発当てた品のいい男。この旅行のパトロン的存在で、札幌市内の大学生。

-ミッチー

笑いをこよなく愛するハーフ顔。現在は大阪で暮らすが、当時は北海道のとある地方の大学生。

-コースケ

みんなに黙ってMARCHのどこかに進学した寡黙な男。後にイトーと会社を設立する。


私以外の3人はそれぞれの大学生活を終え、その集大成としての旅行である。私はといえば、卒業する気はさらさらないから、ただの旅行であった。


【関連】この旅行の全体像についてはこちら!



2012年3月の成田空港は、コロナなんて言葉を給湯器以外で聞くことはなかったから、大量の人であふれていた。

私たちの旅行費用の大部分を、株式投資の儲けから捻出してくれたムッチは言う。


「どいつもこいつも、旅行いくんだなぁ〜!」

北海道出身のむさい男4人衆である。


空港の出発ターミナルであるし、3月であったから、我々と同じ大学生風の人たちも多くいた。


私たちはバルセロナに3泊し、一度成田に戻って、そのまま再びシンガポールへ出発、マリーナベイサンズに2泊か3泊する予定でいた。

ガンホー株でドラっと儲けた、ムッチというパトロンがいるからこそできたことである。



成田からバルセロナへ出発する直前。

列に並びながら、
遠くを見てミッチー(仮名)が言った。

「……おい、あいつら見ろよ」


ミッチーが目配せをする。
わたしたち3人は視線を向ける。

20メートル先くらいだろうか。
わたしたちと同じ大学生風の集団がいた。
だいたい6人くらいだったと思う。

わたしたちと違う点は、その6人の集団が「男女」で構成されている点であった。


ミッチーが言う。

「あいつら、ぜってー、テニスサークルだぞ」



ムッチが言う。

「男女ってのがいいなぁ!」



コースケが言う。

「ああいうキラキラした人たちは……」


私は言う。

「青学? 早慶? 上智? 日大? 成蹊?」



コンプレックスのかたまり。

繰り返すが、北海道出身のむさい男4人衆である。偏見とコンプレックスのかたまりである。


偏見でモノを言っている。
どこもかしこも素晴らしい大学だ。


ただ、まぁ、

男女で国際線の出発ターミナル。
しゃれおつで都会的な雰囲気。いいなぁ。


勝てねぇわ。


……


───(約4日後)───


わたしたち4人は、バルセロナから帰ってきた。

ふたたび成田空港にいた。

到着ロビーから、その足で再び出発ロビーに向かう必要がある。空港スタッフにその事情を伝えると、少し驚いた様子だった。

ヨーロッパに行って、帰ってきて、その足でシンガポールに向かう。もちろん、こういうことをやったことのある人も多いだろう。


到着ロビーの人々の大多数が、旅行を終えてまた元の日常生活へのゲートに向かう中、わたしたち4人はまた非日常のゲートに向かう必要があった。



コースケが言う。

「あ、あそこ見てみ」


これまた20メートルくらい先だったろうか。

4日前に見た大学生風の男女6人組がまたいた。

どこの国に行ったのかは知らないが、きっとわたしたち4人と同じ旅程でどこかへ行ったのだろう。楽しそうに日常のゲートへと向かっていく。


ミッチーが言う。

「シティのみなさんは、どうやらこれでおかえりのようだな」



ムッチが言う。

「やっぱ旅行は長〜くやらないとなぁ!」



私も言う。

「あっちは帰国、こっちはまた出国かぁ〜」


コースケだけが都内の大学に進学していたから、北海道組のわたしたち3人が高笑いをする中、彼だけが苦笑いであった。


いま思い出しても苦笑いだ。
同じ大学生なんだから、本質は変わらない。


はやくシンガポールへ行こう。


〈追記 2023年6月4日 このつづき!〉

<あとがき>
明日こそはシンガポールでの出来事について書きます。といってもなにか大事件が起きるわけでもありません。にしても、東京の大学に憧れています。男女6人くらいで行く旅行が一番楽しいはずです。やっぱ、私たち一派は性格がひん曲がってるんだと思い出せました。最後までありがとうございました。

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