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今年こそ札幌に雪は降らないんじゃないか、と思い続けて30余年。

私は北海道に住んでいる。冬になると当然、毎年雪が降る。そして雪が積もる。朝起きると部屋の温度は10℃前後で、外に出ればマイナスの世界。

32年、北海道にいるが冬は好きではない。


「北海道に住んでいるんだから、
 雪道もへっちゃらでしょう?」



いや、毎年2回は転ぶ。

背中から転ぶ。お尻から転ぶ。

そのたびに、

「なんでだよ!いてーよ!」

と自分にツッコみ、1人で叫ぶ。

「もういやだ!!!」



ここ数年の夏の北海道は、1〜2週間程度だが、関東に迫るレベルで気温・湿度ともに高い。


暑い夏を過ごしていると、決まって妻に言う。



「今年こそは、雪が降らないんじゃね?」


でも雪は降る。

雪が降らなかったことはない。


個人的にこれは大きなビハインドだと思う。


北国に住む人間として、温暖な地域と比較した時の、我が街「札幌」のどんなところがビハインドだと感じるかを、4つに絞ってまとめてみたい。


▶︎[1]寒い

まず、当たり前だが我が街は寒い。
気温がマイナスになることは当たり前。たとえば2月くらいの天気予報で

「今日の最高気温は−1℃です」

と言われると、

「ほー、今日はあったかいなぁ」

とマジで思う。

冬の帯広だとかに行くと−15℃まで下がることもあり、鼻の中が凍る。まつ毛も凍る。全身が凍てつく。


▶︎[2]暗い

冬は暗い。雲がどんよりしていて、朝起きるのもひと苦労。まだ暗いうちにベッドから起きて、暗い部屋に電気を灯す。これがすんごく嫌だ。朝なのに夜の感じがして嫌だ。

が、冬の朝が暗いのは全国共通なのだろうか? とも思ったりする。でもそこに寒さも加わるのだ。つらい。あぁ、つらい。



▶︎[3]雪

先述の通り、我が街は雪が降る。

そしてぎょうさん積もる。初雪が降ると、もはや諦めて「あぁ、きましたか」と思う。田舎に住んでいた時は、玄関が雪で開かないこともあった。電車もよく止まる。大動脈の国道も通行止め。移動が出来なくなる。

雪の中、外に出るのはつらい。風が吹いているとなおつらい。雪が顔面を叩きつけてくる。雪、雪、雪。つらい。Snow manなんてよくつけたよねぇ。


▶︎[4]車の運転

私は車を運転するから、雪道の運転にもある程度慣れている。が、神経を使う。すべるから。

ブラックアイスバーンはもってのほか、ブラックアイスバーンの上に雪が積もるとやばい。見分けがつかなくて、そこでブレーキをかけようものなら、ツルツルドッカーンだ。

毎年、冬になると車の事故が増える。私がどれだけ神経を尖らせようと、他の車だっている。追突の可能性がある。つらい。


▶︎結論

と、まあこういう風に書いてみたわけだが、これらのビハインドが総じて何に繋がるかというと「心」につながる。心が参ってしまうのだ。

寒い、すべる、暗い、神経を使う、やっぱ寒い、Snow man? 俺たちの方がよっぽどSnow man。

これでは心に栄養がいかない。

自然と、経済活動や人との繋がりも薄くなる。

煎じつめて、雪が降るビハインドは何か?
と言われれば「心の疲弊」であると結論づけたい。


だって、この文章だって、
どことなく暗くない?



「だったら北海道から出たらいいじゃん」


ごもっとも。

もう、反論の余地もない。

が、生まれ育った地を出て、新しいどこかに行け、というのは酷である。「地球が嫌なら、火星に行けばいいじゃん」と言われているようなものだ。



北海道の人は北海道が好きなのである。


私はたぶん、
これからもこの街にいるんだと思う。

「どこかに台風も地震も雪もない、年間通して24℃くらいの平和な街はないかなぁ…」

「…あ、それがハワイか」

とか思いながら、雪が降るのを
今年もきっと見つめるのである。


〈あとがき〉
だからこそ、この札幌という街を200万人都市にした先人たちは凄いと思うわけです。聞くところでは、これだけ雪が降る街で人口が200万人を超える都市は、世界中を見渡しても札幌だけなんだとか。そう言われると「いやぁ、それほどでも」とニンマリしちゃうのが札幌人の悲哀なのでございます。今日も最後までありがとうございました。

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