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揚雲雀

シンプルに引かれた線ほど、美しいものはない。

美大予備校に通っていた頃の記憶は、年月を経ても、未だに鋭敏な感覚として身体に残っている。

ぴんと水張りされたケント紙と糊の匂い。
デッサン特有のカッターで抉り取られた鉛筆の切先。
塗り込められた画用紙の、ざらつきに微かに残る白。

モチーフにかざすデスケルの枠に囚われて、
目の前のキャンバスに向かうふりをして、
悶々と自分と対峙していたあの頃。




大学受験からもう十年が経つ。
いまはずうっと気楽だ。
目的なんて高尚な理由は要らない。
今日はノートに何を描こうかな。


青空に線を引くように、
雲雀がぐんと天へ翔け抜けた。

揚雲雀(あげひばり)


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少々、自分語りになるのですが、
私は大学受験のとき第一志望に受からなくて、後期で別の大学へ入学したものの、自分のやりたいことは何だろうとずっともやもやしていました。もともとは理系の学部でしたが、編入や他大の院進を考えたり、それこそ美大予備校に通っていた時期もありました。
周りは自分より若いのに、志も高いし、圧倒的に絵も上手いしで、
それでも、だらだらと過ごす同じ学部の人たちといるより刺激を受けつつも、結局どちら側にもなりきれない自分がすごく嫌だったな。

多分いまも人生の遠回り中かも知れないけれど、
noteを書くのは楽しいです。
サムネイルは鉛筆引っ張り出して、家の前で撮影しました。
よく晴れた青空が綺麗な、良い休日でした。

あと、今回こちらの企画に参加させて頂いております。

こういった企画やタグに参加できるのも、noteの面白さのひとつですね。
ここまで読んで頂きまして、ありがとうございます。

KIGO


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