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奇縁堂だより22【本の紹介:京都が舞台の小説①】


 今月の上旬に所用で3年ぶりに京都へ行って来ました。残念なことに日帰り弾丸ツアーでしたが…
 しかし,忙しい中にも幸はあるもので,東山の青蓮院門跡前で昼食に美味しい日本料理をご馳走になるという幸運に恵まれました。夕刻,帰りの新幹線に飛び乗ってから思い出しました,『明日(7月10日)は祇園祭の“神輿洗”だ!』と。

 ちなみに,7月1日にそれぞれの山鉾町の“吉符入り”から始まり,最大の見せ場である17日と24日の山鉾巡行を経て,一か月に渡った京都の祇園祭も7月31日の八坂神社の“疫神社夏越祭”を最後につつがなく幕を閉じました。

 そこで,少々牽強付会|《ケンキョウフカイ》であることは自覚しつつ,今回と次回は京都を題材とした小説を紹介します。ただし,万城目学と森見登美彦の作品は既に紹介済みなのでここでは割愛します。両氏の作品に興味のある方は,“奇縁堂だより13”(万城目学の作品)ならびに,“奇縁堂だより14”(森見登美彦)をご覧ください。

紹介作品一覧

・『いちげんさん』
・『いろは匂へど』
・『Ank:a mirroring ape』
・『古都』
・『炎罪』
・『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

作品紹介

・『いちげんさん』 (デビッド・ゾペティ : 著) 文庫, ¥250 (税込) 
 僕は京都の大学で日本文学を専攻するスイス人留学生。僕はその京都で,目の不自由な若い女性・京子にアルバイトで対面朗読をすることになった。そして,次第に彼女惹かれ,恋に落ちて行く。だが… 
第20回すばる文学賞受賞受賞作

・『いろは匂へど』 (瀧羽麻子 : 著) 四六判, ¥660 (税込)
 
紫は三十路を過ぎた大人の女性。京都の二条で好きな和食器を商う小さな店を営みながら静かに暮らしている。
 しかし,20歳近く年上の草木染め職人・光山の出現でそれが一転する。無邪気で大胆,それなのに強引なことを“してくれない” 光山に,紫は心を持て余し,らしくない自分に困り果てる。それでも想いは募る(いわゆる“こじらせ系女子”か?)。
 ところが,光山には驚くべき過去が…
 ほろ苦い大人の恋の物語です。

・『Ank:a mirroring ape』 (佐藤究 : 著) 文庫, ¥440 (税込)
 
2026年,京都で大暴動が起こる!
 突然,ヒトがヒトを殺戮し始めたのだ。暴動は亀岡,嵐山,嵯峨野を経て京都御苑と伝播して行く。原因は,ウイルスでも,化学物質でも,テロでもない。それは,Ank(アンク)という名の一頭のチンパンジーから始まったのだ。
 霊長類研究者の鈴木望は,この暴動を抑えるために奔走する。そして,京都御苑である青年と出会う。この青年との出会いが,暴動の原因を解明する一筋の光となる!
第39回吉川英治文学賞,第20回大藪春彦賞受賞作

・『古都』  (川端康成 : 著)  文庫, ¥110 (税込)
 
京都の呉服問屋の一人娘である千重子は,幼馴染の大学生・真一と花見に出かけた。夕暮れ時の清水寺で,彼女は真一にある秘密を明かすが,本気にはされなかった。
 そして夏の祇園祭の夜,千重子は四条の“御旅所”で自分とそっくりな娘と出会う。あなたは……
 京都の移ろう季節を背景に,“はんなり”とした京言葉で日本の原風景を流麗に描いた作品。
 ちなみに,この本にはp.111〜112に耳(印刷・製本時のミスで,余分な部分が付いているもの。エラー紙幣では“福耳”などと呼ばれます)がついています。

・『炎罪』  (鏑木蓮 : 著)  四六判, ¥330 (税込)
 
京都にある自宅兼クリニックが全焼し,焼け跡から精神科医の焼死体が発見された。事件直後から妻の行方は杳として知れない。
 京都府警の女性刑事・片岡真子は,精神科医の遺品から教え子の女性の事故死を知る。彼女の遺した“想い”に気づいた片岡は,事件の裏で糸を引く,人の心を持たぬ男に立ち向かうが…

・『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』  (七月隆文 : 著)  文庫, ¥250 (税込)
 “ぼく”は,京都の美大に通う学生。
 一目惚れした女の子は,まさに高嶺の花に見えた。でも,意を決っして声をかけ,交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやの彼女には,ぼくが想像もできなかった大きな秘密があった…。
「あなたの未来がわかるって言ったら,どうする?」
 甘くせつない恋愛小説です。
福士蒼汰と小松菜奈の主演で映画化されています。
京都本大賞受賞作


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