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スタンフォードが中高生に教えていること|読書ノート

今日は、

『スタンフォードが中高生に教えていること』(星友啓)

という本の読書記録です。

スタンフォード大学のオンラインスクールの校長先生が日本人!という驚きから始まり、脳科学に基づいた学習デザインのあり方を1から考えさせてもらえる内容。

特に心が動いたポイントまとめと感想をお話しします。

情熱とやる気を感染させる教育熱心な博士たち

・情熱は周りから「感染」するもの。周りの情熱あふれた人々と触れ合うことで、生徒同士の情熱が感染しあう環境を作り出すことはできないか?

・「感染反応」の触媒として、大切なのが教員たち。

・人と人を直接繋いで、濃密な知的コミュニティーを作ること。

メンタルが強くて健康な子供が育つーウェルネス授業

・「ウェルネス」とは「良い状態」を意味するwell-beingと、身体的な健康を意味する「fitness」の2つの意味を組み合わせたコンセプト。

・生徒が「ウェルネス」の基礎を学んだ後、コーチとの定期面談をしていく。
その上で目標と計画を作って、自分に必要なスキルを身につけたり、心や身体のトレーニング、習慣の改善などにも取り組む。

・定期的に自分のウェルネス活動を振り返る「セルフアセスメント」をしながら、自分の生き方やライフスタイルを考えて行動していく心の習慣を身につける。

・自分のライフスタイルを主体的にデザインしていくスキルが「生き抜く力」の一つ。

社会を「生き抜く力」を育むーソーシャル・エモーショナル学習

自分や相手の感情を理解することによって、社会性を養うための知識やスキルを習得する学習。略してSEL。
 
SELの5つの力

自分を理解する力(Self-Awareness):自信をもって、自分の能力は伸ばせるものだと信じる成長マインドセットをもつ。自分の強み弱みを理解できる。

 
自己マネージ力(Self-Management):ストレスとうまく付き合う。自分の衝動を適切にコントロール。目標を設定して到達していくために動機を維持できる。
 
他者を理解する力(Social Awareness):多様な背景や文化の人たちを理解する。他人に共感したり思いやったりできる。互いの違いから新しい学びを得られる。 
 

人間関係スキル(Relationship Skills):他の人とうまくコミュニケーションができ、相互協力できる。不健全な場の空気に流されない。対立を建設的に解決できる。他人に助けを求めたり、自分から他人を助けることができる。
 

責任ある意思決定をする力(Responsible Decision-Making):自分の行動や、他人とのやりとりで、倫理的基準や安全性に基づいて、建設的な判断ができる。

これらの5つの力は、スタンフォード大学・オンラインハイスクールの「生き抜く力」の教育の基礎となっている。
 
・まず、生徒はSELについて、社会性や感情についての知識やスキルを学ぶ。

・人間の社会行動や心の働きを心理学や脳科学の観点から学び、社会性や感情の働きに関する知識を得ていく。
 

・さらに、ストレスマネジメントのテクニックを学んだり、セルフアセスメントで自分の心を振り返る習慣を養う。

・しかし、いくら頭で理解しても、社会性を身につけたり、感情をマネージする力を得ることは難しい。そのため、SELの授業による知識やスキルの習得と同時に、日々のオンライン授業の中にもサポートするカラクリをこっそりと忍ばせる。

ここからわたしが考えたこと

ウェルネス授業ソーシャルエモーショナル学習の2点に心が大きく動かされた。

 
まさに今、私が社会の中で「生きづらさ」を感じている根源を問い直している教育だと感じたからである。
 
私がぼんやりと抱いているビジョンに、
「自己受容し、他者貢献を通じた自己効力感を育てる」
「生き方のセンスを磨く教育をする」

というものがあったが、そのビジョンを具現化した内容であるように思う。
 
つくづく、学歴だけを目指す教育、一点刻みの教育に限界があることを痛感している毎日。

私自身、中学高校でガリ勉して、いわゆる高学歴大学(慶應義塾大学です)を卒業して、得られたものは「学びは自然に転がっているんだ」という価値観と、「自分1人でする学びの方法論」の2つ。
 
だけど自分の人生を通して思うのは、大学生活も、社会人になってからも「生きづらさ」から抜けることができなかったということ。
 
結局、どうしても他者承認の強い依存から抜けることができずに、仕事を長くお休みすることになった
 
もし、スタンフォードが掲げる「生き抜く力」の教育を受けていたら。
もっと自由に生きることができるのかもしれないんじゃないか。
 
後悔や不満ではなく、一つの希望として感じてしまう教育内容。
 
そんな強い自己投影から始まった気持ちではあるものの、これらの新しい教育の可能性を感じずにはいられない。

🖋あとがき

ここまで記事を読んでくださった方、ありがとうございました😊
よかったら、ほかのエッセイや読書ノートも目を通してもらえたら嬉しいです!

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