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子どもも大人も罰を使っての指導は効果が薄い、と分かった話。

今日は先日書いた記事の続編をお話しします。

と言うのも、今読んでいる本「心理的安全性のつくり方」に書かれていた科学的実証から、罰を使っての人への行動変容を望むのはかなり難しいことを学べたからなのです。

この記事を書いている人:
現職教員としてはたらく20代。教育改革や職場改革に奔走するも、心身不調により休職経験あり。教育についての自分の経験や科学的情報、心身安定に関する情報を発信しています。


行動分析という考え方を使う

この本では行動分析という考え方を用いて、人の行動を変える方法を紹介しています。

この考え方の基本的なフレームは、

自分や他者の行動が、どのようなきっかけで行われるようになり、その結果どのような見返りが発生しているかによって、その行動が繰り返される(強化)か、しなくなる(弱化)に分かれる。

のだといいます。

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そして、特に見返りの種類も出現の仕方によって、行動が繰り返されるパターンには4つあるといいます。

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このように、見返りとして出てくる、自分にとって良い事を好子、嫌なことを嫌子呼ぶそうです。

さてそこで結論付けられていたのは、嫌子用いての行動変容は非常に困難が伴うということでした。


なぜ嫌なことの見返りだと困難?

まず1つ目の理由は、嫌子はなくなってしまうと、またその嫌なことが現れない限り、行動を繰り返さなくなる傾向があるからだそうです。

まさに罰を与えるようなイメージの指導は、その指導への依存性が高いと言う推測は当たっていたわけですね。

例えば、宿題やらないとゲームやらせないよ!という声かけを続けていたら、その条件がないと宿題をまたやらなくなるみたいなイメージですね。

また本に書かれていたもう一つの理由として、繰り返し嫌な事を続けていると、その嫌なこと自体が強化されなければ行動変容が望めなくなっていく傾向にあるといいます。

最初はちょっとした嫌な事をかければすぐ行動していたものがが、だんだんそのぐらいじゃ何とも思わないようになっていくと言うのです。


その他、多くの条件をクリアしないと行動変容に辿りつかない!

さらに言うと、上二つ含めて外14個の条件をクリアしないと、嫌子を使っての行動変容は望めないと書かれていたところです。

ですから、わざわざそういった方法を使って行動変容を望むのは不可能ではなくとも、効率が悪いし非常に役に立ちにくいと言う結論を打ち出しているのです。

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この結論の出し方に、私は非常に納得感がありました。単にパワハラ的な倫理観を持った意見ではなくて、これ位大変な条件をクリアしないと、罰を与えても役にも立ちにくいという意見の出し方をしているからです。

だれしも、子供や大人に何か罰則的なことを伝える時、基本的には次はこうして欲しいと望む別の行動があるからこそ行っているのではないでしょうか。

その目的が達成されにくいと言うところに問題点を見出しているわけで、その目的意識に全く同意見だなと思いました。


自信を持って罰を使った声かけはしない

今回の学びは自分の大きな自信につながりました。かなり難しい困難を伴う方法だということが学べたことによって、たとえ周りがそうであったとしても、自分は自信を持って別の方法を使うと選択することができるようになりそうです。

お子さんへの声かけや、生徒への指導、そして社員の指導をされる皆さん。

もし、自分が間違ってるのかなと思っていたら、自信を持って臨んでいただければ幸いです。

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またこの本は、自分が疑問に思っている組織の課題点、生徒指導方法を見直すきっかけをくれる本でした。

もう少し読み込みをして後日読書ノートにまとめていこうと思います。

チームで働く大人であれば誰しもとてもためになる内容の本となっていましたので、ぜひ一読をおすすめします!


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