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先生、今日から学校休みます。〜休職と復職エッセイ〜

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突然、心の不安から学校を休職した、先生のエッセイです。もがいている大人、学校に行けずに苦しい子供、それに悩む親御さん、そして誰かのためにもなったら。休職・復職による心の動きを中心… もっと読む
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先生、今日から学校休みます。|休職エッセイ

久々の投稿です。 標題の通り、教師である私がお仕事として通っていた学校をしばらくお休みすることにしました。 学校に行こうとすると気持ちの焦りや謎の自責の念が頭にわき起こるようになってしまいました。いままで何度も他の先生や子供たちが学校に来られなくなっているのを見ていて、すべては自分の心だけが知っていることなんだろう、なんて他人事だったわたし。その状態を受け容れていながらも、まさかそれが自分におこるなんて、考えてもみなかった。自己理解は誰よりもやっているつもりなの、なんて勘

#2 最近 |休職エッセイ

基本的には自宅にいるのだが、時々襲ってくる不安感に胸が苦しくなる。そんな時は1人の空間よりも誰かがいる空間にいた方がかえって落ち着くものだと気づく。 今日は少し散歩がてら近所のカフェにおもむいた。 平日の昼間は自分の想像以上にたくさんの人であふれている。子育て中のママさん、主婦友達、就活生、サラリーマン、1人コーヒーを飲むおじいちゃんなどなど。 いろんな人の声を聞きながら、本を読む。筆者の意見に身を委ねて、自分の思考から離れていく。 自分が相対化されて心地よい。そんな

#3 先生だけど自分のこと分かってなかったよ|休職エッセイ

悩み事は全て人間関係から始まる アドラー心理学など、巷でよく言われることです。 いままさにそれを実感しています。休みにはいって日数が経ちましたが、だいぶ心安らかになり自責の声を聞くことも減りました。関係の中で人間は生きているんだなぁとつくづく感じます。 自分はどうやって生きていきたいんだろう。 せっかくだからゆっくり丁寧に考えていこうと思います。 どうやら自分の話を聞いてもらいたいみたい先日、学校の関わりのあるお医者さんとの面談がありました。カウンセリングはそれを経

#4  10月のお休みをふりかえる。|休職エッセイ

この休みの間、書き溜めていた日記を読み直して、10月に自分が気づいたことを振り返ります。 やったこと ざっくりまとめると以下のことに取り組みました。 1、自己内省のワーク 2、家事などルーティンの確立 3、普段行けないお出かけや贅沢 4、ゲームや読書、Youtube鑑賞などのいつもやっている好きなこと 5、復職に関する取り組み(通院など) やったことの中で気づいた心のこと 自己内省を丁寧にやることはすごく疲れる、ということです。 集中できるのは1〜2時間が限界。休んで最

#5 ゼルダの伝説に救われた大人の話

私とRPG私はRPGが大好きです。 ポケモンど世代ですし、いまだに心は”ポケモンマスター”でいます。任天堂のファミリーゲームが特に好きで、携帯ゲームのコンソールは必ず買ってきていました。 しかし私は、食わず嫌いな一面があったので、やったことのないシリーズも多く、その一つが「ゼルダの伝説」でした。超有名なこのシリーズはいまや海外も含めて絶大な人気があるようです。 さて、わたしは今年の自粛期間の時間つぶしに、新しいゲームの購入を考えました。その時にふと、switchのソフト

#6 サードプレイスが必要な話|休職エッセイ

11月の振り返り、ただいま執筆中です。 そのおかげで、先日自分が考えていたことを思い出すことができました。 第3の居場所、サードプレイスが自分にはないわたし、3年前くらいから「生きるように働く」をテーマにして毎日を過ごしていました。仕事が好きで、研究に励んだりそのやってみようかなと思うアイデアを形にする時間だったら、学校外でやっていても苦痛にならなかった。だからこそ、ワーカホリックという意味ではなく、仕事も生活も融合して楽しく過ごすという意味で「生きるように働く」をコンセ

#7 自分を変える、必要なんてない|休職エッセイ

「繊細さん」の本先日、気になる本を読んでみた。 武田友紀さん著『「繊細さん」の本』というものである。 これを読んで、目の前が開かれたフレーズに出会えた。 自分を変えるのではなく、自分に合うことを探す生き方へ これを読んでこう思ったのです。 「私は、私自身を変化させることに夢中になりすぎたのかもしれない」と。 「変化」は私の行動のゴールだった話は少し遡るが、私が休職してすぐの時に自己分析のための様々なワークに取り組んでみた。特に良かったと感じたのは八木仁平さん著『世

#8 アイノアル コトバ |休職エッセイ

わたしの父の話。最近、実家に帰って食卓を囲むことが増えた。 自分で作るよりやっぱり美味しいし、歓迎してくれるし、お土産くれるし、安心感はある。その時間で気づくことがいくつかあった。実家にいた時は、当たり前になっていて気付けなかった違和感。 父は、母のことを「馬鹿だな」「頭悪い」と言う。 わりと普通に言う。冗談っぽくいったり、失敗したときにちょっと責める感じで言うこともある。 それを久々に目の当たりにした時、心がざわっとした。わたしが嫌いな場面だ、って感じたからだ。そのこと

#9 休職中の心に”ほむら”を灯して |休職エッセイ

「先生!?」 久しぶりに誰かかからその呼ばれ方をした。咄嗟のことすぎて、身体がかたまる。まさか、生徒?こんな離れた飲食店で。誰???? 飲食店の店員はこっちをニコニコしてみてくる。メイクしてるし、うちは在校中のバイト禁止だから、卒業生?急いでネームプレートを確認。うわーこの名字、この顔誰だっけ。マスクしているから余計にわかんないなああ。 …あっ! 「もしかして〇〇年卒業の、〇〇さん?」 「そうです😊  わたし、こっちのほうに引っ越してきたんですよ!最近は学校に遊びに

#11 他人との「境界線」がひけてない |休職エッセイ

SNSをみていて見つけた言葉。 心理学的用語で、個人と個人の境界のことを「バウンダリー」と言うらしい。 自分に対して行動をとってくる他人に対して、心地よい方法かどうかを判別するための基準と言ってもいいかもしれない。その境界があいまいだったりひけてなかったりすると、他人の行動に対して「自分に責任がある」と考えると言う。 その投稿に書かれた、その傾向にある人の特徴を読んで気付かされた。 「・・・他人の感情や気持ちをケアする人」(ケアしてほしい人) あーーーー。 これわた

#12 学校教育をコンテンツ化していきたい |休職エッセイ

“コンテンツになりうるかどうかは「感情が生まれるかどうか」が分岐点。” 休職中の教師が、この記事から考えた学校教育のこと 突然の引用。 年始早々、あまりにも自分に刺さる記事だったので、今日は竹村さんの記事から考えたことを綴っていきます。まずは竹村さんの記事をぜひご覧ください。 今日の結論は、私は教育活動そのものをコンテンツにしていくことに興味があるんだ、と気づいたと言う話です。 この記事の内容に惹かれた理由は3つあります。 ▶︎「コンテンツになりうるものは感情が生まれ

#13 カウンセリングってどんなもの?〜「良い子」が疲れる人へ|休職エッセイ

休職して数ヶ月が経ちました。 伸ばし伸ばしやってきた休職期間もそろそろ終わりが近づいています。もちろんその期間は、自分が決めたことなので心は穏やかです。 今日は、休職中に通い始めた「カウンセリング」について自分が感じたこと、その気づきから今年やっていきたいことを書いていきます。 最近うつうつとしている方、心配な人が近くにいる方、休職やメンタルケア、臨床心理などに関心がある方、読んでもらえると嬉しいです。 「良い子」でいることに疲れた人にカウンセリングをすすめたいそもそも私

#14 休職中のわたし「はたらくって何だろう」|休職エッセイ

こんにちは。 わたしは中学校の教師をしています。現在、休職中です。 この働いてないわたしが、「はたらく」をどう捉えているのか自己分析してみました。 長らく、「お金のために働いてない」と思っていたけれど「はたらく」と言う言葉を聞いて、真っ先にイメージしたのがお金でした。 ”お金を稼ぐために価値を創造すること” それがわたしが率直に思い付いた「はたらく」の言葉の意味です。 しかし、現実にはたらいていた時の”実感”は全く違っていました。 「お金をもらうために働いているわけ

#15 血縁と地縁とわたし |休職エッセイ

先日、わたしの家に母が遊びに来た。 正確には、母の代わりにネットで頼んだ荷物を取りに来た。 ただそれだけのことだが、母としては久々に会う娘と話すというイベントを楽しみにきたようであった。 「お久しぶりです!血色も良さそうだしよかったわ〜〜」 玄関を開けて早々、早口で捲し立てる母。少し、緊張しているような気がしてその感じが自分にも伝染した。確かに、2人っきりなんて、久しぶりだ。 「お茶、入れるね」 とりあえず、母から少しだけ距離をとり、作業をしながら話すことで、2人き