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#8 アイノアル コトバ |休職エッセイ

わたしの父の話。

最近、実家に帰って食卓を囲むことが増えた。
自分で作るよりやっぱり美味しいし、歓迎してくれるし、お土産くれるし、安心感はある。その時間で気づくことがいくつかあった。実家にいた時は、当たり前になっていて気付けなかった違和感。

父は、母のことを「馬鹿だな」「頭悪い」と言う。
わりと普通に言う。冗談っぽくいったり、失敗したときにちょっと責める感じで言うこともある。

それを久々に目の当たりにした時、心がざわっとした。わたしが嫌いな場面だ、って感じたからだ。そのことで喧嘩になったわけでもなければ、母が気にしている様子を見たわけでもない。でも、嫌いな言動だって感じた。

それは、わたしが教師として人の心理や脳の仕組みを学び、実際に生徒を通じてその確からしさを実感してきたからだと思う。子供に対してその言葉をかける先生をわたしは尊敬できない。
そのことが原因の一つでクラスが荒れたり、学力を低下させている可能性すらある。仕事としてですら、そうなのだ。まして、プライベートで自分の大切な人にそんなこと言っている様子を見ていたら、そりゃざわっともしますわ、

いわゆる悪口は聞いている人をもサゲル

馬鹿、頭悪いみたいな言葉は、かけた相手だけではなく、その言葉を耳にしただけの人でさえセルフイメージそのものを下げるおそれがある。

父がそうには見えないのが不思議なんだけど、自信過剰なのはちょっとその影響が出ているのかもしれない。

可能性の話。

わたし自身、実家にいた頃、幼少期から何度もその言葉を聞いていた。もっときつく怒鳴りながらそう言っているところも何度も目にしてきた。ときに母が泣き、喧嘩になっているところも目にしてきた。

もしかしたら、かなり無意識レベルで、わたしは頭が悪いと認められない、と信じ込んでいたのかもしれないな。それもあってか、勉強してこなかった大学生のときほど、お父さんへの負い目を感じていたことはないかもしれない。

幼少期の記憶の中で覚えているものの一つに、父にしこたま怒られている情景がある。

そのときの言葉は、
「何で考えられないんだ」
「もっと考えてから行動しなさい」
だった。

この言葉だけはすごく覚えている。泣きながら怒鳴られている情景も。


いまさら父に何か言うつもりはない。基本的に誠実でまっとうでなによりも娘のことを考えてくれていた優しい父。本当に感謝もしている。

ただ、自分はせめて旦那さんや妹や、大切な仲間たちにそんな扱いをしたりそんな扱いをしている姿を見せたくない。絶対に。

言葉の力を信じてます。大切な人と幸せに生きる😊

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