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カーボンオフセットは企業の倫理観を失わせる

さもありなん。これは言語道断の事例ですが、仮にルールに則っている場合でも、森林クレジットや非化石証書によるいわゆるカーボンオフセットはただのマネーゲームであって、1グラムもCO2を減らさないし1ワットも再エネを生み出しません。カーボンオフセットはいわば企業のCO2削減に対する免罪符であり、イメージアップのためのグリーンウォッシュと言われても反論ができないと思います。国が認めているからOK、どんどん使おう、などと考えるのは思考停止ではないでしょうか。

企業は日々の事業活動や自社の製品・サービスによる貢献でこそ評価されるべきであり、現場・現物・現実の三現主義こそが日本企業の良さだと思うのです。古臭いようですが、お金でオフセットすることが評価される風潮になれば、地道な省エネ活動や製品開発による貢献が吹き飛んでしまい、現場の意欲が削がれてしまいます。目に見えないところで蓄積されてきた日本企業の強みや競争力が将来消え去ってしまうことにもつながりかねません。

昨今、ESGやSDGs、カーボンニュートラルなどという言葉が流行るほどに、日本企業の倫理観や道徳がなくなってきているように感じます。
新入社員研修のCSRパートでは、今でも近江商人の「三方よし」の精神や、渋沢栄一の「論語と算盤」を教えている企業が多いはずです。昨今のESGやサステナビリティなどの潮流は、新入社員に伝えている「三方よし」や「論語と算盤」と矛盾していないでしょうか。

企業のCSR担当の皆さんには、カーボンオフセットが真の環境保全・CSR活動と言えるのか、自社の倫理観に照らしてもう一度よく考えてほしいと切に願います。


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