記事一覧
どこかにある部屋の詩
でたらめなパスワードがかかっている
頭の森の奥にある小さな部屋
冷蔵庫の白い幽霊がこちらを見ている
それを誰にも触れさせないように
それは記憶の外側と無意識の内側
絵具の奥に隠されている
言葉の底で欺かれている
鎖骨の下では溺れている
深夜の廊下を手探りで進む隠蔽工作
浅い呼吸と焦燥感は幽霊をも退ける
神経が影絵の猫のように緩慢で敏感だ
掃除機に口止めをして玄関まで辿り着いた
得も知れぬもの
逃避と迂回とその他の詩
1.
カレンダーからは逃れられまい
秒針が文字盤から脱せぬように
たとえ世界中の時計を壊しても
あなたの影が時計になるのだよ
2.
まだまだ覚めない夢を見たい
うだうだ揺蕩う迂回と遊泳
しだしだ錆びつく視界と思考が
ただただ叫びを抱きしめて飛べ
3.
まだ起きているのか夜更かしめ
輪郭のない景色が心地良いか
深夜のコンビニへ行く道中
眼鏡を外して空を見れば
今日の天気も 恐らく曇り
4.
部