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思い出について



思い出というのは不思議なもので
日記や写真の中にもあれば
金木犀の香りや 真夏の早朝の空気
心を震わせたメロディにも それは宿る


そりゃ悪いものも良いものもあるけれど
しかしここで最も重要なことは
それが二次創作や空想ではなく
「本当にあったこと」ではないか


作り話ではない 創作でもない
宇宙の歴史の遥か末梢ながら
事実として決して動かせないもの
金でも神でも無かった事には出来ぬこと
それこそが思い出なのだ


その思い出で静かに心を温めながらでも
人は生きてゆけるのだと信じたい
人はいつしか孤独に還るが
それさえあれば大丈夫だと
そうだ信じていたいのだ


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