描かずに絵が上手くなる方法

タイトルを見て「そんな方法あるわけないだろ!絵を舐めるな!」と思った方もいると思われますが、とりあえず私の話を聞いてください。

確かにイラストを上達させる上で、実際に手を動かすのはとても重要なことです。しかし実は描いて上手くなる方法は、他人と差が付きにくいことを知っていますか?

どんなに芸術的な絵でも結局は線の集合体です。実際トレースさえすれば、上手い絵でもある程度は同じクオリティで仕上げることはできるはずです。

では絵が上手い人とそうでない人は、どこで差が開くのでしょうか?答えは頭の中にあります。それがすなわち描かずに絵が上手くなる方法なのです。

今回は絵が上手い人はどんな思考で日常生活を過ごしているのかを紹介します。

この考え方はイラストレーター志望の方はもちろん、作家や漫画家にも応用ができる思考法なのでぜひ参考にしてみてください。


書籍紹介

著者のさいとうなおきさんはイラストレーターの方で、「ポケモン」や「デュエルマスターズ」など多くの作品でイラストを描いています。

また、さいとうさんはYouTuberとしても積極的に活動しています。

絵が上手くなり人必見の動画が満載なので、ぜひ見てみてください。

絵の魅力はどこから生まれるのか

絵の魅力とはずばり「発見」から生まれるものです。多くの作品に触れていく中で、発見が増えれば増えるほど、自身の表現にパワーが宿るようになります。

また、発見が多いとその分表現の手数が増えるので、ネタ切れを引き起こしにくいというメリットもあります。

今回は絵という例で紹介しましたが、これは様々な分野で応用ができる考え方です。

例えば小説での発見であれば、登場人物の造形だったり、設定や文章だったりします。漫画であればコマ割りや限られたページ数での構成に含まれています。どの分野であっても発見が多ければ多いほど上達は早くなります。

では肝心な部分である発見する力というのは、どうやって鍛えればいいのでしょうか。それには3つの「ない」が重要になってきます。

①感想を検索しない

いきなり感想をネットで調べるのはやめましょう。自分の感覚や発見能力を鈍くしてしまう原因になります。

作品の感想をネットで調べると、どうしても自分の感じたことが間違っているかどうかを知りたくなってしまいます。

しかしそもそもな話、作品をどう感じるかは自由なものであり、正解なんてものは存在しないのです。確かに多くの人が抱いた感想というものは存在しますが、それはあくまでネットという広大な海の中のほんの一部にすぎません。そんなものより、自分がどう感じたのかを優先すべきです。

素直に自分の声に耳を傾けることからしか、発見は生まれません。他者から得た発見というのは自分の感覚を通さないため、表現力へ応用しにくいです。そのため本当の発見とは言いにくいのです。

②他人事で終わらせない

作品を見たときは他人事で終わらせず、自分ごととして捉えるようにしましょう。

著者曰く、1番難しい考え方だそうですが、だからこそ他人と差がつきやすいと捉えることもできます。

どんな媒体でも、素晴らしい作品を見たときは衝撃が身体を駆け巡り、心を揺さぶられるものです。

そして大抵の人はこう思います。「あーすごいものを見たな。さすが天才!他の人とは違うんだなぁ」と。

こう思ってしまった瞬間、自身の成長は止まってしまいます。一流のクリエイターは貪欲です。何か優れた作品を見たとき「感動した!」で終わらせるのではなく「自分ならどう表現するか」を考えます。

常に相手から盗めるものはないか考え、それを仮説とし、実験できる能力があるからこそ、彼らは一流のクリエイターなのです。


③情報を隠さない

自分が仕入れた情報、感動した作品、それを全て他の人に教えてしまいましょう。

「感動した作品ならともかく、情報までも他の人に教えていいの?」と思うかもしれません。むしろ価値のある情報であればこそ積極的に教えちゃいましょう。

なぜかというと、情報は伝える前提で自分の中に取り入れた方が圧倒的に発見できる量が増え、吸収率が高まるからです。

「ラーニングピラミッド」と呼ばれるものがあります。これは学習の際、どのような方法が効率が良いのかをピラミッド化したものです。

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見ていただければわかる通り、受動的な学習よりも、積極的な学習の方が吸収率は高いです。その中でも特に高いのが「人に教える」行為です。2番目に高い「自ら体験する」よりもなんと15%も高い結果となっています。

人に教えるためには、その情報を正確に知る必要があります。そうでないと、そもそも人に教えることができないからです。「知る」だけの受け身な態度では後からどんな情報だったのかを正確に思い出せないので、当然発見は少なく、吸収率も高くありません。

「人に教える」という能動的な態度で臨むことで、情報の中から発見を多く見出すことができ、吸収率がアップするのです。

まとめ

✅作品の魅力は「発見」の多さで決まる。

✅安易に感想を検索せず自分の感性や発見を信じる。

✅作品を見た後「自分ならどうするか」を考える。

✅仕入れた情報は必ずアウトプットしよう。


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