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創作小説(20) 夏、眠るまでの特別な時間
夏。
日光で熱せられたアスファルトが熱を帯びる。
鈴木一美(すずき かずみ)には特筆する趣味や特技はない。
休日は彼氏の小野とデートをすることもあるが、それ以外は読書をしたり、ジムで体を動かしたりして過ごす。
唯一、好きなのは夜、眠るまでの時間である。
特にこの夏は「夜、眠りに落ちるまでの特別な時間」を大切にしつつ、毎日を過ごした。
今年の夏は、小野との仕事の都合が全く合わず、一人で過ごした。
創作小説(13)「私の正義が悪を討つ」
ある市役所で働く鈴木一美はソーシャルワーカー枠での採用だ。
しかし、近年の人材不足の煽りを受け、窓口応対や経理など本来は事務職枠採用者が行う業務も一美にまわってくる。
以前、窓口で暴言を吐かれた経験のある一美にとって、窓口応対はアレルギーとなっていた。
しかし、誰かがやらなければならない。
そう言い聞かせて、今日も窓口応対にあたっている。
「すみません、正義の通報です。」
初老の男性だ。
誰
創作小説(4) 割り勘で
鈴木一美には就職して以降、彼氏がいない。
仕事は市役所で勤務しているが、周囲は彼氏・旦那・子ども自慢ばかりするため孤立している。
しかし、一美はその苦しい日々にも我慢できた。
日曜日、学生時代に付き合っていた先輩の大島と会う約束をしていたからである。
水曜日、大島から連絡があった。
一美が住む街にある大学まで講演に来るとのこと。
大島は現在も地元の大学に残り、研究員として研究活動を続けている。
初めて書く創作小説(1) 夜、眠るまでの特別な時間
鈴木一美には特筆する趣味や特技はない。
休日は読書をしたり、ジムで体を動かしたりすることもあるが、基本、掃除や洗濯など家事をして過ごす。
唯一、好きなのは夜、眠るまでの時間である。
係長の山田が一美にショートでの作業を依頼した。
「できるかどうか…。」と一美が答えると、「仕事を選ぶな。」と山田は不満の声をあげた。
一美は「でも仕事割り振ってるの自分じゃん。」と言いたい気持ちを堪え、話を早々に切り